5月に東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県のコンビニエンスストア限定で発売した商品だが、販売は好調。全国販売開始後3日で60万箱(1,440万本、5月からの限定販売分を含む)を突破し、同社は年内販売目標を当初の50万箱から200万箱へ4倍に引き上げた。
世界的なブランドが店頭の主役を占めるコーラ市場に、後発ブランドはどう入っていくのか。

green colaの展開を見ると、新商品の「発売」だけで終わらせずに、限定販売、全国展開、販売実績、SNSでの話題化と、発信のきっかけをつないでいる様子が見えてくる。
まず1都3県限定、約3カ月後に全国へ
green colaは2012年にギリシャで誕生し、50を超える国や地域で展開されているコーラブランド。
日本では5月12日から、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県のコンビニエンスストア限定で販売を開始した。
植物由来のステビアを使用し、砂糖・保存料不使用、カロリーゼロ。「NO is Smart」をメッセージに掲げ、健康を意識しながらコーラを楽しみたい人に新たな選択肢を提示する。
その後、8月4日から販売エリアを全国へ拡大した。
最初から全国一斉に展開するのではなく、地域や販売チャネルを限定して市場に投入し、その後全国へ広げた形だ。
全国販売開始3日で累計60万箱、販売目標を4倍に
全国展開後の動きも早かった。
アサヒ飲料は8月6日、green colaの販売が計画を大幅に上回っているとして、年内販売目標を当初の50万箱から200万箱へ上方修正した。
全国販売開始から3日で60万箱、1,440万本を突破したという。数字には5月からの1都3県での限定販売分も含まれる。
全国発売から、わずか数日後。
今度は「販売好調」「目標を4倍に引き上げる」という別のニュースが生まれた。
新商品広報では発売日が大きな発信機会になるが、その後の反応や販売実績もまた、新たな発信材料になる。
商品ではなく「価値観」への共感をつくる
green colaの特徴は、商品の機能だけを伝えているわけではないことにもある。
ブランドが掲げるのは「NO is Smart」。
不要なものには「NO」と言い、自分に必要なものを選ぶことをスマートな生き方として提示する。
アサヒ飲料は、若い世代に単に「コーラを飲んでもらう」のではなく、この価値観やブランドの世界観への共感を広げることを目指している。
広告には若年層から支持される人物を起用し、WEBやSNS、リアルイベントなども組み合わせて展開している。
「共感→目撃→拡散」をつくる
全国販売後の情報発信について、アサヒ飲料は「共感」「目撃」「拡散」というサイクルを掲げている。
まずブランドの考え方に「共感」する人をつくる。
その人たちが商品を持ったり飲んだりする姿を、周囲の人が店頭や街中で「目撃」する。
そして、「最近よく見る」と感じる人が増えることで情報が「拡散」され、世代を超えて広がっていく。
SNSで企業自身が何度も「買ってください」と発信するだけではなく、商品を選んだ人自身がブランドの存在を伝える役割を果たすともいえる。
発売日は、広報のスタート地点
green colaの一連の展開を見ると、「新商品発売」という一度の発表を、複数のニュースへつなげていることが分かる。
- 地域限定で発売する。
- 全国展開する。
- 販売実績を発表する。
- 広告やイベントでブランドの世界観を伝える。
- SNSで話題を広げる。
一つの商品でも、状況の変化や反応を追うことで、発信できる材料は増えていく。
広報の視点 — 今回は、全国発売後の販売実績が次の発表材料になりました。発売時だけの発信で終わらないよう、その後の数字や反応も追うと、次のニュースにつなげられます。
出典:アサヒ飲料「植物由来の素材を使用したコーラ『green cola』1都3県のコンビニエンスストア限定で5月12日発売」(2026年1月19日)/「植物由来素材使用の『green cola』 8月4日全国発売」(2026年6月8日)/「『green cola』年間販売目標を4倍の200万箱へ上方修正」(2026年8月6日)(いずれも公式ニュースリリース)/アサヒグループ ハレの日、アサヒ「『green cola(グリーンコーラ)』が届けたい新しい価値観への挑戦」(2026年8月4日)
