PVだけではブランド認知につながらない——プレスリリース×LLMOで実現するブランディングと効果測定

「AI対策(LLMO)の実施を検討しているけど、社内にどう説明したら良いかわからない。」そう思ったことはないでしょうか?AI検索が広がる今、ブランド認知は「人にどう伝わるか」だけでなく、「AIにどう認識されるか」も重要になっています。本記事では、LLMO/AEO専門メディア「AEOラボ」を運営する株式会社bonに、プレスリリース×LLMOでブランド認知につなげる考え方と、社内説明にも使える効果測定の方法を、実例を交えて解説いただきました。

はじめに

「会社やサービスの認知につなげたい」
そんな目的でプレスリリースを配信している企業は多いのではないでしょうか。しかし、その効果測定となると、配信直後のPV(ページビュー)やSS(セッション数)を確認して、「今回はよく見られた」「あまり伸びなかった」と振り返って終わりになりがちです。

PVやセッション数でわかるのは「どれだけ閲覧されたか」という露出量であり、「自社のブランド認知につながったかどうか」まではわかりません。会社名やサービス内容を正しく認知してもらうことが目的なら、見るべきは露出量だけではありません。しかし、「ブランド認知につながったかどうかを測るのは難しい」そう感じている方も多いのではないでしょうか。

後ほど解説しますが、今、ユーザーが企業を「知る」場所は、検索結果からAIの回答へと広がっています。つまり、AIにどう認識されるかが、ブランド認知に影響する時代になりつつあるのです。

本記事では、プレスリリース×LLMO(生成AI最適化)でブランド認知につなげる方法と、その効果測定の方法を、実例を交えながらご紹介します。

この記事の要点

広報・PR担当者向け

  1. PV・セッション数だけではブランド認知につながったかわからない
    PVやセッション数でわかるのは「どれだけ見られたか」という露出量のみ。今、ユーザーが企業を「知る」場所はAIの回答へと広がっており、AIにどう認識されるかがブランド認知に影響する時代になっている。
  2. プレスリリース×LLMOでAIの認識を変えられる
    プレスリリースは「信頼性」と「拡散性」からAIに参照されやすい。事例では、配信翌日にAIでのメンションを獲得した。
  3. LLMOの効果測定は可能で、社内説明にも活用できる
    指名検索数(Googleサーチコンソール)、AIでのメンション確認、GA4でのAI経由流入計測など、複数の指標で可視化できる。

※忙しい方向けに要点を先にまとめています。事例や詳細は本文で根拠とともに解説します。

「ブランド認知につなげたい」のに、PV・セッション数だけを見ていませんか?

冒頭でも触れた通り、プレスリリースの効果測定は「PV・セッション数」で終わりがちです。
では、なぜそれでは不十分なのでしょうか。

もちろんPV・セッション数は重要です。ですがそれだけを追うことには、以下のような落とし穴があります。

「どのように認知されたか」がわからない

どれほど閲覧されても、自社が意図しない文脈で伝わっていてはブランドとしては逆効果です。数値からは「ユーザーにどのように認知されたか」は読み取れないのです。

配信直後の効果しか見えない

PVは配信直後がピークで、数日後には落ち着きます。そのため、PVだけを指標にすると、プレスリリースの価値が「一過性のもの」として過小評価されがちです。

プレスリリースを打つ目的が「認知につなげたい」のであれば、配信直後のPVやセッション数だけでなく、その後の広がりや「どのように認知されているか」まで見ていくことが重要です。

では、ユーザーはどこで企業を「認知」するのでしょうか。実は今、その場所自体が変わりつつあり、ユーザーの検索行動が「検索する」から「AIに聞く」へと変化しています。

AI検索の台頭と新しい戦略「LLMO」

今、私たちが情報を探す方法は変化しつつあります。その中心にあるのが「AI検索」の台頭です。

「AIの回答」だけで完結する時代

Googleで検索した際、検索結果のトップにAIがまとめた回答(AI Overviews)が表示されるのを見たことはありませんか?

2024年に本格導入されたこの機能により、ユーザーはWebサイトをわざわざクリックしなくても、AIの回答を読むだけで満足できるようになりました。実際に、検索結果からのサイト流入が大幅に減少したというデータもあります。

AIが「おすすめ」を推薦する

ユーザーがAIに「〇〇のおすすめ会社を教えて」と問いかければ、AI側が特定の社名を挙げて回答します。

ここで名前が挙がれば、ユーザーの検討リストに入りやすく、そのまま問い合わせにつながることもあります。つまり、ユーザーが企業を「知る」きっかけが、検索結果の一覧から「AIによる推薦」へと移りつつあるのです。

新しい戦略「LLMO」とは

こうした変化に対応するための考え方が、LLMO(生成AI最適化)です。 これは、AIが回答を生成する際に、自社の情報が参照・引用されやすくなるよう最適化する取り組みを指します。

これまで検索対策といえばSEO(検索エンジン最適化)が中心でしたが、AI検索が広がる今、LLMOも同時に取り組むべき施策になっています。AIに正しく認識されることは、ユーザーに正しく認知されることでもあるからです。

意図した通りに認知されたい企業にとって、「AIにどう説明されているか」は、把握しておく必要があります。知らない間に間違った情報やブランド認知が進んでいる可能性もあるので、無視できない課題となっています。

プレスリリース×LLMOで実現するブランディング

プレスリリースはAIが参照しやすい情報源

「AIにどう説明されるか」が重要とはいえ、本来ブランド認知には中長期的な施策が必要であり、時間と予算がかかります。

そこで注目したいのが、プレスリリース×LLMOという組み合わせです。プレスリリースは、その「信頼性の高さ」と「情報の拡散性」から、AIが参照しやすい情報源です。その理由は主に3つあります。

メディアへの転載で第三者からの言及・露出が増える

プレスリリースが各メディアに転載されることで、Web上での第三者からの言及・露出が増えます。

複数の信頼できるサイトで言及される

同じ内容が複数の信頼できるサイトで掲載されていると、AIはその情報を信頼性の高いものとして判断する傾向にあります。

「最新の情報」を提供できる

AIは常に新しい情報を探しています。その中でプレスリリースは公式な最新情報をいち早く発信できる手段であり、AIに参照されやすい特性を持っています。

実際、AIが回答の根拠(出典)として出すニュース記事の元をたどれば、プレスリリースだったというケースは珍しくありません。

ユーザーがAIの回答を通して企業を認知するようになってきた今、プレスリリースを通して自社の強みを発信し、AIに自社を正しく認識してもらえれば、AIが自社のブランド認知を代わりに行ってくれる状態をつくれるのです。

「メンション」と「引用」——AIの回答に出る2つの形

では具体的に、AIの回答に自社が出るとはどういう状態を指すのでしょうか。
AIの回答には「メンション」と「引用」の2種類があり、それぞれ役割が異なります。

メンション

メンションとは、AIの回答の中で、会社名やサービス名がおすすめとして挙げられることです。例えば、Googleで「プレスリリース配信 おすすめ」と検索したとき、AI Overviewsで特定の会社名やサービス名が紹介される状態がメンションです。

最大のメリットは、「比較・おすすめ・選び方」といった文脈で名前が出るため、ユーザーの検討リストに入りやすく、ブランド名を覚えてもらいやすくなることです。

引用

引用とは、AIが回答の根拠として特定のWebページの文章やURLを参照することです。
例えば、「プレスリリースとは」といった定義を問う質問で、情報源として共同通信PRワイヤーの用語集ページ「プレスリリース」へのリンクが表示される状態を指します。

引用のメリットは、AIの回答の根拠として自社ページが引用されることで、その分野における専門性や信頼性の証明になることです。また、引用元のリンクからサイトへの流入も期待できます。

メンションと引用の違い

この2つの違いを一言でまとめると、以下の通りです。

  • メンション:ブランド認知のきっかけ
  • 引用:AIの回答の根拠となる情報の提供

本記事では、特にブランド認知に直結する「メンション」に焦点を当てて解説していきます。

【事例】プレスリリース配信翌日からAIの回答に変化

ここまでで、プレスリリース×LLMOはブランド認知において有効なのはお伝えしましたが、「本当にそんなにうまくいくの?」「事例がないとイメージしづらい」と思われる方もいるかもしれません。

そこで、私たちbonが実際に行った検証結果をご紹介します。

bonの事例:プレスリリースがAIの「信頼」を勝ち取った

▲株式会社bonが運営するAEOラボ

私たちbonは、AEO(Answer Engine Optimization:回答エンジン最適化)やLLMOに関する情報を発信するメディア「AEOラボ」を運営しています。

当たり前ではありますが、AEOラボ立ち上げ当初、bonはAIの回答に出てきませんでした。原因としては、自社でいくら「AEOの知見があります」と謳っても、AIにとっては裏付けがなく、推薦に値する信頼できる情報として認識されなかったためだと考えています。

そこで、「AEOの知見がある」という主張を根拠づけるため、AEOラボで発信してきた検証結果や一次情報をリリース内容に盛り込み、プレスリリース配信を行いました。

結果:配信翌日から明確な変化

▲ GoogleのAIモードで「AEOにおいて知見のある制作会社を教えて」と聞いた際の回答

プレスリリース配信の翌日から、Google系AI(AI Overviews / Gemini / AIモード)で明確な変化が現れました。

狙った文脈でAIに説明されるように

プレスリリースが55件のメディアに転載され、AIの回答に変化が現れました。また、単に社名が出るだけでなく、「AEOに特化した戦略提案を行う会社」として、私たちが意図した通りの文脈で紹介されるようになりました。

自社の宣言ページがAIに引用された

宣言ページとは、自社がどのような会社かを説明しているページ(サービス紹介や会社概要、aboutページなど)のことを指す、bonが定義した言葉です。
プレスリリース配信のタイミングで、これまで引用されていなかった「AEOラボとは」の宣言ページが、AIの回答の根拠として引用されるようになりました。恐らく、プレスリリースの配信内容を語るだけの専門性があることを、宣言ページを通してAIが確認し、根拠として公式サイトの宣言ページを参照するようになったためだと考えています。

このように、プレスリリース×LLMOによって「AIにどう認識されるか」は変えることができます。次章では、こうした効果を定量的に測定する方法をご紹介します。

効果測定方法と社内説明に使える定量化の手法

これまでの話で、プレスリリース×LLMOの効果はご理解いただけたかと思います。しかし、実際に取り組むとなると、「どのように認知につながったかを測定できないと社内に説明しにくい」と悩む場面も多いのではないでしょうか。 

PV(閲覧数)のような一時的な数字だけで終わらせず、プレスリリースによって「自社がどう認識されたか」まで可視化できれば、社内への説得力は格段に増します。

ブランド認知の効果測定は難しいと言われがちですが、いくつかの指標を組み合わせることで可視化できます。ここでは「自社がどれだけ知られているか」と「自社がどのように認識されているか」の2つの観点から、測定方法をご紹介します。

「どれだけ知られているか」を測る:指名検索数(Googleサーチコンソール)

認知度を測る代表的な指標が、指名検索数です。Google検索で自社名がどれだけ検索されたかを見ることで、自社がどれだけ知られているか、興味を持たれているかを把握できます。

指名検索数は、Googleサーチコンソールで確認できます。確認方法は以下の通りです。

  1. 左メニューから「検索パフォーマンス」をクリック
  2. 「フィルタを追加」から「検索キーワード」をクリック
  3. キーワード欄に自社名(指名ワード)を入力

ただし、指名検索数でわかるのは「どれだけ検索されたか」であり、「どのような印象を持たれているか」までは把握できません。

「どのように認識されているか」を測る:AIでのメンションのされ方

指名検索数の限界を補うのが、AIでのメンションのされ方です。

第1章でも触れた通り、どれほど閲覧されても、自社が意図しない文脈で伝わっていてはブランドとしては逆効果です。だからこそ、「AIが自社をどう説明しているか」を把握することが重要になります。

確認方法はシンプルで、自社名や関連キーワードでChatGPTやAI Overviewsに質問し、その回答内容を確認します。

▲ Googleで「PRwireとは」と聞いた際の回答

チェックポイントは以下の通りです。

  • 自社名がメンションされているか
  • 意図した通りの文脈で紹介されているか
  • 競合と比較してどのように説明されているか

もし意図した認識がされていない場合は、改善の余地があるということです。月に1回など定期的に確認し、定点観測することで、施策の効果や改善点が見えてきます。

また、会社で狙いたい検索クエリを設定し、その回答内容に自社がメンションされるかどうかを追っていく方法もあります。

AI経由の流入を測る:GA4でのアクセス計測

AIでのメンションや引用が増えれば、AI経由でのサイト流入も期待できます。この流入を計測することで、プレスリリース×LLMOの効果をより具体的に計測できます。

ChatGPTなど一部のAIは、リンククリック時に「パラメータ」が付与されます。パラメータとは、URLの末尾に追加される「?〜」の部分で、どこからアクセスが来たかを識別するための情報です。

例えば、ChatGPT経由のアクセスにはURLの末尾に「?utm_source=chatgpt」のような文字列が追加されます。これをGA4で確認することで、AI経由のアクセス数を計測できます。

現時点では、AI Overviwsからの流入は計測できませんが、ChatGPT経由などは把握可能です。

AIは「おすすめ」として納得感のある回答をするため、そこから訪れるユーザーは、すでに自社に対して興味や信頼を持っている状態です。そのため、他の経路からのアクセスに比べて、問い合わせなどのアクション(CVR)に繋がりやすいという特徴があります

「どれだけ認知されたか」という広報的な成果だけでなく、「どれだけ実際のビジネスに繋がったか」をセットで報告することで、施策の価値がより伝わりやすくなります。

より詳細な測定:Ahrefsブランドレーダー

さらに細かくデータを集めたい場合は、「Ahrefs(エイチレフス)」という専門ツールの「ブランドレーダー」機能を使う方法があります。

Ahrefsブランドレーダーでは、以下のようなデータを確認できます。

日ごとのメンション数の推移 

自社ブランドがAIの回答で何回メンションされたかを、グラフで時系列に確認できます。施策の前後でメンション数がどう変化したかを可視化できます。

どのような検索クエリでメンション・引用されているか 

「洗濯機」「オーブンレンジ」など、どのようなキーワードで検索された際に自社がメンション・引用されているかを一覧で確認できます。狙ったカテゴリで認識されているかどうかの判断材料になります。

このように、手動での確認では追いきれない範囲まで網羅的に把握できるのがブランドレーダーの強みです。

ただし、Ahrefsは有料のSEO分析ツールであり、費用が数十万円かかる上、学習コストもやや高いため、すでにAhrefsを導入している企業や、本格的にLLMOに取り組む企業向けの方法です。

社内報告への活用

ここまで紹介した指標を組み合わせることで、社内への説明が可能になります。

たとえば、以下のような形で報告をまとめることができます。

  • 指名検索数の推移(どれだけ知られるようになったか)
  • AIでのメンション内容の変化(どのように認識されるようになったか)
  • AI経由の流入数とCVR(AIからどれだけアクセスがあり、問い合わせにつながったか)

「PVやセッション数が伸びて終わり」ではなく、「自社がどう認識されているか」「そこから問い合わせにつながったか」まで含めて報告することで、プレスリリースを出し続ける意味を社内にしっかり伝えることができます。

まずは指名検索数やAIでのメンション確認、GA4での計測から始め、必要に応じて検討するとよいでしょう。

PV・セッション数だけで終わらせない、プレスリリースの効果測定

会社の認知度を上げたいなら、プレスリリースの効果を「PV・セッション数」だけで測っていては不十分です。

本記事でお伝えした通り、PV・セッション数でわかるのは「どれだけ見られたか」であり、「どのように認知されたか」まではわかりません。そして今、ユーザーが企業を「知る」場所はAI検索へと広がっています。AIにどう認識されるかを把握し、改善していくことは、ブランド認知につなげるための有効な手段のひとつです。

プレスリリースは信頼性と拡散性から、AIに参照されやすい情報源です。bonの事例のように、配信翌日からメンションを獲得したケースもあります。そして、その効果は定量・定性的に測定でき、社内説明にも活用できます。

まずは、AIに自社がどのように説明されているか、確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の筆者

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PRwire編集部

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