環境ラベルの解説
「環境ラベル」(Environmental Labels)とは、商品やサービスがどのように環境保全や環境負荷低減に役立つかを示したマークや目印のこと。環境ラベルは商品や包装ラベル、製品説明書、技術報告、広告、広報などに書かれた文言、シンボルまたは図形・図表などを通して表される。法律で義務付けられたものではなく、環境志向の消費者(グリーンコンシューマー)の増加や、「環境にやさしい」「地球にやさしい」といったトレンドの中で、企業が任意に取り組んでいるもの。
環境ラベルの取り組みは1978年に旧西ドイツで始まり、1990年にベルリンで開かれた「環境保護ラベルに関する国際会議」において「環境保護ラベルに関するベルリン声明」が出され、各国間の情報交換を進めていくことになった。1998年より、国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)のISO 14020シリーズによって運用規定が定められている。日本ではJIS(日本工業規格)として、1999年より制定されている。
ISO(JIS)では、環境ラベルを3つのタイプに分けている。「タイプI(ISO 14024)」は第三者機関が認証したシンボルマークで表わすもの。日本ではエコマーク(1989年開始)が相当する。「タイプIII(ISO 14025)」も第三者機関による認証で、商品やサービスのライフサイクル全体の環境負荷を、LCA(ライフサイクルアセスメント)の手法で定量的に算出しトータルに環境負荷を把握するもの。
一方「タイプII(ISO 14021)」は、企業が自ら環境配慮を主張するもので「環境宣言」と呼ばれている。第三者の認証を必要としないため、消費者に混乱が生じていると言われている。タイプIIに関して、ISO規格には環境主張に用いる12の用語が挙げられており、環境ラベルの使用法や広告表現について詳細に規定されている。公正取引委員会では商品の環境広告に対し、5つの留意事項を掲げている。環境省では、2008年「環境表示ガイドライン〜消費者にわかりやすい適切な環境情報提供のあり方〜」を策定・公表している。