ニュースレターとは
ニュースレターとは、企業・団体がステークホルダーに向けて定期的に発行・配信する刊行物(情報コンテンツ)です。プレスリリースと比べて、配信先がメディアに限られず、地域住民・生活者・取引先・株主なども含めて設計できる点が特徴です。また、扱う情報は必ずしも「新情報」に限定されず、継続的な接点づくりや理解促進を目的に運用されます。
例えば、経営戦略、営業活動、財務状況、技術開発、社員の様子、地域社会や教育機関との関わりなど、自社の動向やトレンド情報をわかりやすく説明したものが挙げられます。
ニュースレターが求められる背景と課題
求められる背景
広報では、単発の出来事だけでなく、取り組みの背景や経緯、判断の理由などを「文脈」として伝えることが重視される場面が増えています。ニュースレターは、成果発表だけでは伝えきれないプロセスを積み上げられるため、ナラティブ広報(物語として理解される情報発信)で活用しやすい手段です。
企業内で起きやすい課題
- ネタが集まらず、発行が止まる(部門協力・素材不足)
- 自社都合の羅列になり、読まれない(読者設計の不足)
- 承認フローが重く、定期運用が維持できない(属人化・負荷増)
取り組みの目的
- 小さな進捗や背景情報を蓄積し、企業姿勢の理解を促す
- メディアや関係者との接点を継続し、取材・相談に繋がる関係性を育てる
- 大きな発表(プレスリリース)の前後文脈を補完し、全体像を伝える
ニュースレターの関連知識
ニュースレターは「複数の情報をまとめて届けられる」一方、単発の重要ニュースは埋もれやすい側面があります。新規性・社会性が強いテーマはプレスリリースで配信し、背景や進捗、関連情報はニュースレターで補う、と役割分担すると運用が安定します。
この整理の観点は、関連記事「プレスリリースとニュースリリースの違いとは?似た言葉との違いを解説」も参考になります。
また、ニュースレターは「プレスリリースとして配信するには弱い」小さな更新(例:活動報告、コンテンツ公開、イベントの振り返り等)を、読者にとって意味のある流れに編集しやすいのも利点です。
ネタ選定や作り方の具体論は、関連記事「ニュースレターとは?ネタの選び方や作り方のポイント」も参考になります。
広報・PRにおける実務ポイント
ナラティブ軸を決めて継続発信
「何を語り続けるのか」(社会課題/地域/研究開発/人材/ガバナンス等)を先に定義し、毎号「背景→進捗→次の一手」が見える構成にします。軸があると、ニュースが小さくても“意味”が生まれます。
社内情報を「文脈」で編集
部門ごとの出来事をそのまま並べるのではなく、「なぜ今それに取り組むのか」「何が変わったのか」が伝わる順番に再構成します。数値・事実・エピソード(現場の声)を組み合わせると理解が進みます。
公開範囲・配信先を設計
ニュースレターは読者の幅が広い分、公開範囲の設計が重要です。共同通信PRワイヤーでは、プレス向け原稿と一般公開向け原稿を分けて登録でき、一般公開せずメディアのみに配信する運用も可能です。ニュース価値の強弱や対象読者に応じて「情報の出し分け」をできる設計が、継続運用を支えます。
また、配信メディアの連絡先などは年1回更新されるため、ニュースレターのような継続発信でも“届く状態”を維持しやすい点は実務上のメリットです。
根拠と表現で信頼性を担保
誇張や断定を避け、事実・根拠・出典を揃えます。ニュースレターは“連載”になるため、トーンや用語の揺れが信頼低下につながりやすく、編集ルール(禁止表現、数字の扱い、写真の権利確認など)を決めておくと安全です。
ニュースレターの運用設計を整え、配信手段を確認する
ニュースレターは、単発で成果を狙うよりも、継続によって関係性と理解を育てる広報手段です。配信対象・公開範囲・編集方針を整えたうえで、自社の体制に合う配信方法を選ぶことが、ナラティブ広報としての効果を高めます。
配信サービスを使う場合、他社では「プレスリリースとして扱える情報」に制限があり、活動報告や背景説明などニュースレター的な内容が通りにくいケースがあります。一方で共同通信PRワイヤーでは、ニュースレターとして配信が可能で、目的がメディアとの関係構築であれば「一般公開せず、メディアのみに配信」することも可能です。
実際に、ニュースレターを柔軟に配信できる点を重視して共同通信PRワイヤーを選び、既存の他社配信サービスと併用している企業もあります。例えば、下記のような形でプレスリリース配信サービスの使い分けを前提に運用設計を組み立てることで、社内合意も得やすく、継続発信に繋がりやすくなります
- 速報性・新規性が強い発表は従来どおりの配信手段で届ける
- 季節性や生活者の反応などを踏まえ、既存商品・サービスの背景や切り口を「記者・メディア向けニュースレター」として継続的に届ける
共同通信PRワイヤーでの配信設計やサービス全体像については、下記資料をご参照ください。
関連用語
プレスリリース、ニュースリリース、PR(パブリック・リレーションズ)、メディアリスト、アーンドメディア、ナラティブ、プロセスエコノミー、CEP(カテゴリーエントリーポイント)
