記者クラブの解説
「記者クラブ」とは、新聞社やテレビ局、通信社などから派遣された報道機関の記者で構成される、取材・報道のための自主的な任意組織。各大手メディアの記者が常駐する拠点であり、継続的な情報収集と取材活動が行われている。
記者クラブは全国各地に存在し、各省庁・国会・政党、企業・業界団体、都道府県庁・市役所・警察署などに設置されている。大きくは「官公庁系記者クラブ」「政党関連系記者クラブ」「民間系記者クラブ」の3分野に分かれ、それぞれの機関に特化した情報収集、取材・報道活動が行われている。
情報を提供する企業側にとっては、1カ所で同時発表できるメリットがある。記者クラブで発表された情報は、記者クラブ加盟会員だけが独占的に入手することができる。企業の広報部門にとっては、記者と関わる重要な接点であり、プレスリリース配布や記者会見などを通して一斉に情報提供ができるというメリットがある。
記者クラブへ直接プレスリリースを持ち込むことを「投げ込み」という。発表テーマに詳しい幹部社員が説明を加えながらプレスリリースを配布することを「レクチャー(レク)付き」という。
記者クラブには輪番制で「幹事社」という記者クラブで発表を希望する企業とクラブ側との調整を担当すく記者がいる。記者クラブでの発表の主催権が記者クラブにあるため、企業が記者クラブで発表したいときは、必ず幹事社の承諾を得なければならない。プレスリリースを配布する場合でも、記者会見を行う場合でも同様に、幹事社への連絡が必要。幹事社が了承した時点から発表までは、記者クラブ加盟記者は当該案件の取材・報道はできないというルールがある。「黒板協定」あるいは「白板協定」と言われている。