導入事例

  • 国内配信インタビュー

メディアリーチ力が配信サービス選定の決め手。リリースでAIの世界観を社会と共有したい【オルツ様】

2020-11-27

株式会社オルツ 副社長 米倉豪志様

デジタルクローンの開発を目指すパーソナル人工知能(Personalized Artificial Intelligence)技術提供サービスのオルツ。
世界最先端レベルの研究開発の成果を積極的に発信する姿勢が、好奇心旺盛な個人や協業などの提携を模索する企業を惹き付ける背景には、オルツが目指すAIの世界観を丹念に構築し、物語を共有するツールとしてプレスリリースを活用している戦略があります。
共同通信PRワイヤーによるプレスリリース配信を武器に、知名度を上げ続けているオルツの広報戦略の肝と、最先端技術を扱う会社ならではのご苦労などを、副社長でカナダ在住の米倉豪志様におうかがいしました。

AIの世界観や物語の積み重ねが
問い合わせや取材の増加につながる

-プレスリリースはどなたが書かれているのですか?

米倉 担当者が社内のプレス対応を取りまとめてセッティングしてくれた上で、原稿は僕が書いていますね。AIを使ってデジタルクローンを作るという、分かりにくい事業をやっていますので、通常から研究成果をアピールしていかないと、(外から見て)何をやっている会社か分かりません。できるだけ、研究成果が出るたびにプレスリリースを配信しています。論文が学会で採択された時や特許の出願や権利化の時、新技術が開発できた時などですね。

-2019年3月に共同通信PRワイヤーにご契約いただきますが、サービスを知った経緯を教えてください。

米倉 以前使っていた別の配信サービスとの契約更新の時期に、一度(他にリリース配信サービスには)どういうものがあるか確認してみようとなりまして、担当者が作成した一覧の中にPRワイヤーがあったということです。何社か試しましたが、PRワイヤーが一番しっくり来ました。圧倒的に多くのメディアリストに配信されますし、効果と価格とのバランスが一番良かったので、価値があるとすぐ思いました。

メンバーは世界各国に散らばっているため、必然的に完全リモートで多言語環境。多様性こそがオルツの本質

メンバーは世界各国に散らばっているため、必然的に完全リモートで多言語環境。多様性こそがオルツの本質

-共同通信PRワイヤーを利用し始めてみて感じたことは?

米倉 すぐに共同通信社にニュースで採り上げていただきましたし、配信するだけではない、そういう付加価値が良かったですね。

-メディアからの問い合わせは増えましたか?

米倉 はい。継続的にプレスリリースを配信して、より多くの人たちに見ていただくということを続けて来たからだと思います。ここ最近は、リリースを配信するたびにメディアからの取材、企業からの問い合わせがすぐに来て、数も増加傾向です。やはり積み重ねが結果に表れているのだと思います。

-配信の積み重ねがさらなる関心につながったということですか?

米倉 そうです。当社のプレスリリースには研究開発と製品という2つのストリームがありますが、製品だけではここまで引き合いはなかったと思います。AIやデジタルクローンの世界観や物語をちゃんと作って、その上に製品発表を乗せてきたことが価値を伝えることにつながったと思います。長い年月をかけて物語を作るためにプレスリリースを活用し、それが成果として出てきたのかなと。

-物語を作ることは研究開発の会社には重要だと考えたのですね。

米倉 例えば自然言語処理だって長い研究の歴史があり、コンピューターサイエンスにおける分析手法のひとつと捉えられていましたが、2045年にAIが人間の脳の能力を超えるとされる「シンギュラリティ」という言葉が出てきたことで、人間の脳との比較でAIが捉えられるようになりました。つまり物語が前提としてAIの世界が生まれているということです。ただ、世の中の人たちがそれを明確に認知するまでには時間がかかるので、物語を作る必要があると思ったんです。

-高度な技術や理論をリリースに落とし込むのは大変では?

米倉 私は文系なので、数式でしかしゃべってない研究者同士の会話は分からないこともあります(笑)。でも文系だと理論が分からないかというとそうでもなくて、目の前でずっと見ていると分かってきます。逆に文系だからその技術がどういう意味を持つのかについては四六時中考えてきました。だから理系の人間だけでも文系の人間だけでも書けないことが書けている気はしています。

-プレスリリースで心掛けていることは?

米倉 物語からずれないこと。こういう製品が出たというだけではオルツのプレスリリースになりません。それが積み重ねてきた物語のどこに位置するのかを常に考えています。だから、過去に出したリリース、これからのリリースを常に意識しています。

-2020年4月にいったん他の配信サービス会社も利用されていますね。

米倉 はい。ただし2回の利用で終わりました(笑)。その会社のサイト以外には掲載も転載もほぼ確認できず、企業からの問い合わせもゼロでしたから。

-やはり共同通信PRワイヤーが一番いいと思ってくださった?

米倉 そうですね。他社サービス利用時も、われわれには(PRワイヤーを)やめたという意識はなくて、「他も試してみたけど、価値が明確になった」ということ。それから、配信サービスを分散すると「積み重ね」ということがうまく機能しなくなると考えたんです。

プレスリリース配信で開発スケジュールの意識も明確に
社員のモチベーションも向上

-社内の研究者の意識は変わりましたか?

米倉 変わりましたね。研究開発って無限に永遠にやることがあるので、だらだらと続いてしまう。時間的概念があいまいになって、マイルストーン(中間目標点)もあやふやになりがちです。そんな時に(期限を設定した)リリースを出して既成事実化することにより、ちょっと無理のあるスケジュールで動かすこともあります。だから、意図的、意識的に研究者に向けて書いたりもしています。もちろん、何かを達成した時にリリースを打ってメディアに掲載されると社員全員のモチベーションにつながりますね。

-社内からのリリース提案はありますか?

米倉 今のところはあまりないです。でも何がリリースになるのかの判断は、何が特許になるのかに気付く「気付き」と似ています。(リリースを書くことで)それを意図的にやって見せているという側面はあります。

-反響が大きかったリリースは?

米倉 会議参加者の会話をAIがテキストで記録・翻訳する「AI GIJIROKU(AI議事録)」と、世界初となるAIクローン(P.A.I.)によるアンケート調査システム「Nulltitude(ナルティテュード)」です。「AI GIJIROKU(AI議事録)」はクライアントの数が段違いになりましたし、「ナルティテュード」はAIの使い方やAIで何ができるのかということを多くの人たちに伝えることができて、その認識の上でみなさん議論してくださったので、ひとつの達成だったと思っています。

2020年1月スタートの「AI GIJIROKU(AI議事録)」は、わずか半年で有料アカウント登録数1万件を突破。

2020年1月スタートの「AI GIJIROKU(AI議事録)」は、わずか半年で有料アカウント登録数1万件を突破。
https://gijiroku.ai/

世界初のAIクローンアンケート「Nulltitude」

世界初のAIクローンアンケート「Nulltitude」

-今後の広報の課題は何でしょうか。

米倉 広報のマンパワーが足りないことです。そもそも(副社長の)僕が書いている時点で問題ですよね(笑)。ヒアリングという仕組みを作って機能する状態ができれば、分業化できていくと思いますが、まだわれわれにはそういうリソースがないというのが課題です。教育は少しずつやっているのですが、ごく少人数の会社なので。最近では、社内からいくつかリリースの依頼があって徐々に成果は出てきたとは思いますが、もっと時間をかけていかないといけませんね。

年内にデジタルクローンを発表
目標は多様な価値観と主観で柔らかい世界を開けるAI

-記者が記事を書くときに一番大事なのはどんな世界観の中で相手に伝えようとしているかですからね。

米倉 事実をベースに世界観を作るということの大切さですよね。そもそもAIって理系の世界じゃないとさえ思っていて、言葉ひとつで世界が踊らされ得るという強烈な可能性が、実はプレスリリースにはあるんだと。ただの仕事だと思って書くのと、世界観を作るんだと思って書くのとでは、世界観を作る方が楽しい。楽しさがちゃんと伝われば、当社の社員も自らプレスリリースを書き始めるのではと思っています。

-オルツの今後の展開について教えてください。

米倉 今年12月にデジタルクローンのバージョン1がリリースされます。それらの技術を使って、「AI GIJIROKU(AI議事録)」を大幅に進化させた新しいサービスがリリースされます。これまでずっとAIクローンの研究開発はステルスで行われていたものが初めて世の中に出た状態になりますので、年末の発表の時点から、当社はAIの企業からデジタルクローンの企業に脱皮するというストーリーを描いています。

2020年12月にリリースされる新サービス。リモートワーク時代のコミュニケーションをAIとクローン技術の力でさらに円滑なものに

2020年12月にリリースされる新サービス。リモートワーク時代のコミュニケーションをAIとクローン技術の力でさらに円滑なものに

- AIに仕事を奪われるという不安を感じている人も増えているようですが、オルツが生み出そうとしている世界とは?

米倉 一般的には「あ」を「あ」と正確に読む低文脈な客観的回答をするAIが追究されていますが、オルツが取り組んでいるのは高文脈AIです。ハイコンテクト(コミュニケーションするときに言語や価値観などが似ている人が集まっていて、なんとなく通じてしまう状態)の中で私はどう考えるのかということが重要なAIであると思っています。「鏡よ鏡、世界でだれが一番美しい?」と問うた時に、「アンジェリーナ・ジョリー」ではなく「あなただ」と言ってくれるようなAIです。前者(ひとつしか答えがない世界)は全然美しくない。多様な価値観と主観があることで柔らかい世界が開けるはずだと思っているからです。

-今後、オルツのデジタルクローンはどんな役割を果たしていくと思いますか?

米倉 人がAIを恐れるのは、自分を超え、自分より正しく、自分の主観を否定して、いわゆる全体主義的なところに自分たちが組み込まれると直感的に感じているから。われわれはそのアンチテーゼというか別の切り口の、世界の半分の方を広げることで緩衝材の役割を果たそうと思っています。最終的な目標としては、デジタルクローンによって永遠に生き続けるというようなものを作り出そうと研究者は真剣にやっていますが、本質的な目標は、「われわれはなぜ生きているのか」「人間とは何か」みたいなところを、研究とビジネスを通じて突き詰めていくというのが本当のゴールなのかなと思っています。

株式会社オルツ

Webサイト https://alt.ai/
AI GIJIROKU https://gijiroku.ai/
Facebook @alt.ai.inc
Youtube https://youtube.com/channel/UCQIzVN61D744PpiIY2YefhA

「メディアに取り上げられたい」というお客様のためのプレスリリース配信サービスです。