一貫したブランドイメージで高級茶を訴求
配信日時の柔軟な設定がPRワイヤーの魅力
―会社設立当初は、どのように広報を?
吉本 2016年に共同通信PRワイヤーを知るまでは、商工会議所や神奈川県・東京都、農水省などの行政にお願いをして、プレスリリースを記者クラブに投げ込んだり、記者会見をしたりしていました。2007年頃、20万円の「スーパープレミアム」という緑茶飲料を発表した際は、国内メディアのどちらにも取り上げられませんでしたが、海外メディアに取り上げられ、初めてお買上された方は、訪日外国人でした。その後、農商工等連携の認証*を取得し、「高級なお茶=ロイヤルブルーティー」という潜在的なイメージを定着させていきました。記者クラブへの投げ込みも小まめに続けていたので、いろいろな地道な積み重ねがつながっていったんだと思います。
(*農林漁業者と商工業者が通常の商取引関係を越えて協力し、お互いの強みを生かして売れる新商品・新サービスの開発・生産を行い、需要の開拓を行うこと)
―共同通信PRワイヤーの存在は、どのようにお知りになられたのですか?
吉本 東京商工会議所で投げ込みをしていた時に、「共同通信PRワイヤーなら、一度にいろいろなメディアに届きますよ」と教えていただきました。
―2016年に、初めて共同通信PRワイヤーで配信されてみていかがでしたか?
吉本 60万円の超高級緑茶を予約販売(先着2本)するというリリースで、反響は大きかったです。リリースの効果を上げるためには写真とタイトル、配信のタイミングが重要だと考えていますが、共同通信PRワイヤーの場合、配信日時の微調整ができるのがありがたかったです。分刻みの設定もできますし、メディア向け配信と一般向けサイトの公開日をずらすこともできます。このクラスの高級商品を配信すると、半年ほどは何かしら取材があります。ブロガーやユーチューバーといったインフルエンサーも存在しますが、弊社では記事を書くことを商売にしているプロの方々がちゃんと咀嚼して記事を書き、発信してくれるメディアに流すことにこだわっています。完売しましたが、未だに、この記事の取材依頼はあります。
―一回一回のリリース配信で、最適な方法を考えていらっしゃるのですか?
吉本 ええ、一番重要なのは一貫性と情報の質です。ブランディング戦略の肝は「この記録が100年後に正しい記録として残せるか」だと考えています。だから、きちんとしたメディアが在籍する記者クラブへの投げ込みや、中立的な報道機関を通じて情報を配信することを貫いてきました。新聞もデジタル版だけではなくて、紙面に載せてもらえるようにしています。
情報発信強化で、コロナ禍の売上減を収益増に
高級茶のビジネスモデルを歴史に刻みたい
―2020年5月からレギュラー会員に変更されたきっかけは?
吉本 売上です。コロナ禍で売上は4分の1になってしまい、どうしたらいいかと考えたのが「世の中に忘れられないようにする」ということでした。工場も一時停止していたので、生産量が確保できず、前年以下になりました。しかし、売上を維持して収益を上げることができたのは、共同通信PRワイヤーのプレスリリースの効果によるものだったんです。私たちは飲料の会社なのに、コロナでテイスティングなどのリアルな体験をご提供できなくなりました。そこで巻き返しを図るために、こまめな商品発表を心掛け、そして単価をアップさせました。幅広い価格帯で配信しましたが、なかには5,000円や10,000円程度の価格帯の商品も発表しました。
―レギュラー会員に変更後も、やはり配信のタイミングにはこだわられましたか?
吉本 はい。例えば、満月の夜に手摘みした茶葉で作ったボトル入り紅茶は、発売日も満月の日にこだわりました。2020年4月、東京などに緊急事態宣言が発令され、世の中が暗く悲しい状況になってきている時期に、満月の夜に摘んだ紅茶という幻想的な商品を発売したところ大きな反響をいただきました。新聞しか読まない高齢の方からも問い合わせがありました。2020年は立て続けに5回プレスリリースを配信したところ、前年から売上が5%しか下がらず最高収益を出せました。
―お客様の購入目的は?
吉本 売上の半分が航空会社、高級レストラン・旅館・ホテルなど業務用です。個人の需要だと、ご自身で飲まれるというよりギフトですね。リピート率は非常に高いです。飲食店で飲まれて「買いたい」と思われた方や贈り物でいただいたという方などですね。正直、個人購入につなげるというよりも、弊社の活動を知っていただき、社会の中で認知を広げるのがリリースの狙いです。最終的な野望は、歴史の教科書に載るということ。食文化、生活文化の歴史の中でロイヤルブルーティージャパンがやっているビジネスモデルそのものが、文化として歴史に刻まれることを念頭に商品開発をし、プレスリリースもその方針のもとで発表しています。
目指すは、宇宙旅行でロイヤルブルーティー
ノンアル市場の最高峰としてお茶文化を醸成
―「ゲコノミスト」や「お酒が飲めない人向上委員会」など、ノンアル文化の醸成にこだわったワードも目を引きますね。
吉本 100年後に正しい情報として記録に残るためには信用・信頼と安定・安心が必要です。一貫して正統派な媒体に記録を残すということが重要で、「共同通信社が母体の配信サービスを経由した商品発表です」という実績があるからこそ、信用ある会社だという印象になります。国内ではお茶市場が収縮傾向な中で、弊社は今期120%アップの達成見込みですが、ノンアルコールというライフスタイルの中で、お茶を楽しむ文化を作ったというところが大きいと思います。ノンアルコールというカテゴリーでロイヤルブルーティーを楽しむ文化、これが我々の言う「茶宴」や「愉茶」で、その将来的な市場規模は大きいと感じています。弊社はその市場におけるトップブランドで、高額ブランドとして成長率が高いということです。
――お茶市場ではなく、ノンアルコール市場における展望ということですね。
吉本 シンクタンクの正式な発表では、ノンアルコールの市場規模は、この10年間で世界では年6.9%の成長率、国内でも4~5%といわれています。ノンアルコールの最高峰の飲みものはお茶であるということを文化として伝えたいのです。私たちは世界の潮流に乗るというよりは、お茶を文化として確立し、お酒がなくても楽しめる食卓文化を作りたい。そして将来的には、宇宙旅行でロイヤルブルーティーを飲めるようにしたいです。現在も旅客機のファーストクラスではロイヤルブルーティーを飲めますが、それを宇宙旅行でも実現したいのです。
―今後、海外配信はお考えですか?
吉本 英語での配信になると思いますが、今後、海外メディア向けというのは戦略的に使うべきだと思いますので、戦略を立てています。
―数々の壮大な発想は、どこから生まれてくるんでしょうか。
吉本 それこそ経営です。ブランドアイデンティティーの軸を作り、それを一貫して推進しています。小さな会社が市場の中で顕在化するには、ブランドアイデンティティーを貫くしかありません。経営者がブランドアイデンティティーをコントロールすることが重要です。特に、中小企業のトップマネージメントにはデザイナーが入るべきだという方針で経営をしています。アイデンティティーのところまで踏み込んで情報発信をするということが大切だと考えています。
ロイヤルブルーティージャパン公式WEBサイト | http://www.royalbluetea.com/ |
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