「まだ世の中にない一点突破の商品を生み出す。」「ライソン発の、世界初をつくる。」をコーポレートビジョンに掲げ、オリジナル家電や雑貨など話題の商品を連発しているライソン(大阪府東大阪市)。地方からネット上で話題になる戦略として、共同通信PRワイヤーのプレスリリース配信やクラウドファンディングに取り組んだ結果、メディアやネットユーザーから注目を集めています。広報の三上紅美子様に、情報発信にかける想いについてうかがいました。
プレスリリース&クラウドファンディング
ネット上なら地方からの発信でも対等に戦える
-ライソンの概要について教えてください。
三上 東大阪にある㈱ピーナッツクラブというクレーンゲームの景品を企画・販売する会社の第2営業部が分社化し、2018年8月に「ライソン株式会社」としてスタートしました。すでに、国内には歴史のある大きな家電メーカーがあるため、小さな会社でも注目されるような、特徴のある、私たち自身が作りたい家電に注力する戦略を取りました。
-最初にプレスリリース配信された商品は?
三上 カップ焼きそばの「ペヤング焼きそば」専用のホットプレート「焼きペヤングメーカー」です。弊社は、以前から10cmの巨大たこ焼き器やポップコーンメーカーなどが人気で量販店と取引があったのですが、焼きペヤングメーカーは営業してもなかなか売れませんでした。そこで、プレスリリースとクラウドファンディングという手法に注目して実行しました。その結果、ネット上にたくさんいらっしゃるペヤング好きの皆様に直接届き、バズりました。クラウドファンディングも大成功でした。お問い合わせも多く、広報業務を兼務していた当時のパッケージデザイナーが、それから半年間、肝心のデザインができなかったほどです。それがきっかけで広報専任者の必要性が高まり、2020年に私が担当することになりました。正直に言うと広告費もなかったので、広告費を使わない代わりに手に取りやすい価格のユニークな商品を作る努力をしながら、ライソンという会社を知ってもらいファンを広げようと、2019年から2020年頃に広報領域で頑張るという戦略が決まりました。
-プレスリリース配信サービスはご存知だったのですか?
三上 私が専任で入社する前は、他社サービスを使っていました。それはそれで良かったのですが、コロナ禍のおうち時間に対応した商品でメディアに注目された結果、自社のメディアリストがかなり増えてしまい、登録数に上限のあるサービスでは使いづらくなりました。会社規模の割に商品のバラエティも多いですし、東大阪にいるたった1人の広報が、テレビ、新聞、Webとどんどん増えていくメディアに、広くたくさんプレスリリースを届けるのは難しいと感じ始めたのが、ちょうど2021年の11月ごろです。
-共同通信PRワイヤーを選んでいただいたのはなぜですか?
三上 配信先メディアや提携サイト転載数が多いこと、母体が共同通信社なので企業からも信頼があることなどです。それにオリジナルリスト(自社リストの登録機能)で追加できる数も、上限2,000件までと多く感じました。中長期的には海外展開を目指しているので、海外向けプレスリリースもご相談できるというのも大きな理由です。
利用シーンや作り手の想いを大切に伝える
プレスリリースは情報循環の柱に
-2022年6月から年間40本コースで利用を開始いただき、感想はいかがでしょうか。
三上 東大阪からなかなか動けない中で、PRワイヤーを使うことでローカルにいる人間でもネット上では対等になれるのでありがたいと思っています。ワイヤーサービスなら、ネット上で情報量が増えるので、ライソンの新商品情報を楽しみにしてくださっている方にもSNSで話題にしていただけます。それをきっかけに、また雑誌やテレビ、新聞の取材につながるという好循環の中に、共同通信PRワイヤーのプレスリリース配信がしっかりとした柱のひとつとしてあります。
-反響が大きかったプレスリリースは、どんな内容でしたか?
三上 食品メーカーのギンビス様とのコラボレーションによる「たべっ子どうぶつカステラメーカー」という商品の先行予約販売についてです。今年の6月にプレスリリース配信しました。写真の見せ方にこだわり、文章も何度も書き直しました。配信後、「価格.com」や「家電Watch」など、複数のWebメディアが記事を書いてくださり、特に「livedoorニュース」の記事には1万いいね!が付いて、Twitterでバズりました。数秒で販売サイトのサーバーがダウンしたほどです。私もTwitterの反響に対応して、サーバーダウンで購入いただけなかった方々に「なんとかお届けしたいです」とお伝えしたところ、Twitterユーザーの方からも「ライソンさんありがとう」とか「ライソンさん頑張っている」とコメントをいただきました。結果的には、ライソンの企業姿勢を見ていただくことができたと思っています。
-商品リリースで企業姿勢も伝えられたということですね。
三上 そうですね。単なる新商品リリースでは、大手メーカーのようには見向きされないだろうと心得ていましたから、スペックだけでなく、利用シーンや、なぜその商品を思いついたのか、どれぐらい他にない商品なのか、なぜ作りたかったのかなど、作り手の想いも盛り込むようにしています。
-作っている人の顔が見えるプレスリリースということですね。
三上 はい。そもそもライソンは、社員のアイデアと想いで、新しい商品を作ろうという会社です。それであれば、スペック情報と使い道だけ書いても、その商品の背景にあるものは伝わらない。ライソンだからこそ「人の思いと一緒に届けよう」と思ったんです。
-プレスリリースを活用してから、社内の受け止め方も変わったのではないですか?
三上 「これを売りたい」というものは、商品を企画している担当者が、いち早く自主的に広報に教えてくれるようになりました。構想段階でも「2カ月後に発表する予定だから」「こんなプロジェクトが進んでいて、実現するはずだから。その時はプレスリリースを発表して」と言ってきます。
商品開発の源泉は社員ひとりひとりのアイデア
海外展開の夢に向けて、もの作りを進化させたい
-ビジュアルが豊富なのも、貴社のプレスリリースの特徴ですね。
三上 文章だけではなかなか伝わりません。情報を集める人にとって、まずはタイトル、そして次に写真が大事だと考えています。タイトル周りと写真をできるだけわくわくしてもらえるように作り込み、それに続く部分は紙芝居みたいに写真がどんどん出てくるようにしました。
―プレスリリースを書く時に気を付けていることは、ほかに何かありますか?
三上 誰に向けたタイトルにしようというのは、毎回悩んでいます。今回は専門紙(誌)に紹介していただきたいとか、Webメディアに面白いと思っていただきたいとか、「誰に届けたいか」というのを、なるべく具体的に思い浮かべながら書きます。
-年40回というプレスリリース配信頻度以上に商品がありますが、開発アイデアはどのように?
三上 ライソンは、社員なら誰でもアイデアが出せる会社です。むしろ出してくださいという社風です。日々の業務報告だけではなく、アイデアも出そうということになっています。みんなが出したアイデアについて、商品部の部長やマーケティング担当者などが、商品の実現可能性などを検討しながら吸い上げていきます。社員の日常の言葉から開発した商品に、先日メディアで注目された訪問者撃退グッズ「応答くん」があります。女性社員の「毎回、自分が玄関チャイムに出ていたら、訪問者に一人暮らしだと分かってしまって嫌だ」という一言が元になっています。迷惑な訪問者は撃退できるよう、配達業者の方には「ありがとう」の気持ちが伝わるよう想像しながら、社員の声で何テイクも録音しました。
-今後の課題や目標についてお聞かせください。
三上 私たちは「まだ世の中にない一点突破の商品を生み出す。」「ライソン発の、世界初をつくる。」を、ビジョンに掲げている会社ですので、ものづくりを進化させていきたいと思っています。コロナ禍が長引き、海外の工場にも行きづらく、海を越えたもの作りが難しい状況の中、新たなパートナー探しや新しいサプライチェーンの構築を模索しています。2023年以降は、さらにパワーアップした、世間をあっと言わせる商品をいっぱい作って、ファンを増やしたいと思っています。そして将来的には、商品販売としても広報としても、海外に打って出たいというのがライソンの夢です。
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