熱中症警戒アラート、今季は延べ636回 上位の「特別警戒」は運用3年目も発表ゼロ

環境省の熱中症警戒アラートは、7月31日までに全国で延べ636回発表された。上位の熱中症特別警戒アラートは2024年度の運用開始から一度も出ていない。発表条件は都道府県内の全地点で暑さ指数35以上と決められている。

環境省の熱中症警戒アラートが、7月31日までに全国で延べ636回発表された。一方、上位にあたる熱中症特別警戒アラートは1回も出ていない。2024年4月の運用開始から、全国のどの都道府県でも発表実績がない。

二つは発表の単位も条件も違う。警戒アラートは全国を58に分けた地域が単位で、その中のどこか1地点で翌日か当日の暑さ指数(WBGT)が33以上と予測されれば発表される。特別警戒アラートは都道府県が単位で、県内の全ての地点が翌日35以上と予測された場合に出る。発表の時刻も分かれていて、警戒アラートは前日の午後5時と当日の午前5時、特別警戒アラートは前日の午後2時になっている。

今季の内訳では、沖縄の八重山地方が27回で最も多い。東京と鹿児島(奄美地方を除く)が25回で続く。

熱中症警戒アラートの発表回数が多い地域を示した横棒グラフ。沖縄(八重山地方)27回、東京25回、鹿児島(奄美地方除く)25回、長崎23回、熊本23回、福岡22回、沖縄(大東島地方)22回、和歌山20回、宮崎20回、広島・島根・愛媛が各19回
熱中症警戒アラートの発表回数が多い地域(4月22日の運用開始から7月31日までの累計)。出典:環境省 熱中症予防情報サイトをもとに汐留PR塾作成

環境省の資料によると、警戒アラートの発表回数は令和6年度が1,722回、令和7年度が1,749回だった。今季の636回は7月31日までの途中経過で、発表履歴を同じ日付までさかのぼって数え直すと、令和6年度は668回、令和7年度は735回になる。運用の開始日が年によって1〜2日ずれるため、厳密に並ぶ数字ではない。

多治見で40度が4日 それでも岐阜県に「特別警戒」は出ていない

岐阜県では7月21日から25日まで、5日続けて警戒アラートが出た。多治見市の最高気温は21日が40.3度、25日が40.7度。この5日間のうち4日は40度以上だった。40度が予想される日を条件にしたサービスを打つ企業も各地に出ている(既報)。それでも岐阜県に特別警戒アラートは発表されていない。35以上という条件は県内の全ての地点にかかるため、1地点でも下回る予測があれば、この条件では発表に至らない。

環境省は昨年11月から専門家のワーキング・グループを開き、判定から外す地点を検討した。暑さ指数の上がり下がりは県庁所在地の地点と重なるのに、水準だけが低く出る地点が対象になった。青森県の酸ケ湯、栃木県の奥日光、長野県の軽井沢、岐阜県の六厩と宮之前など13県24地点を判定に使わないことにし、今年4月1日に気候変動適応法施行規則の別表へ書き加えている。令和8年度の運用期間は4月22日から10月21日まで。判定に使う地点を絞ったうえでの運用だが、今季もまだ発表はない。

広報TIPS — いったん外に出した基準は、実態に合わなくなっても下げにくいものです。下げれば、その場しのぎでハードルを緩めたと受け取られます。環境省は熱中症特別警戒アラートで、暑さ指数35以上という数字のほうは動かしませんでした。代わりに、暑さ指数が低めに出る地点を、判定の対象から外しています。数字ではなく測る場所を見直すやり方なら、約束した水準を守ったまま、実態に近づけられます。

出典:環境省「熱中症特別警戒アラート・熱中症警戒アラートの発表履歴」(熱中症予防情報サイト)/同「令和8年度熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用を開始します」(2026年4月14日)別添1「熱中症警戒情報及び熱中症特別警戒情報について」/令和7年度第2回 熱中症特別警戒情報等に関するワーキング・グループ 資料1「熱中症特別警戒情報の発表の判断の際に参照しない地点について」(2025年12月17日)/気候変動適応法施行規則 別表(e-Gov法令検索)/気象庁「過去の気象データ検索」(多治見)

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汐塾編集部

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