6月の消費支出、実質3.3%減で7か月連続のマイナス 冷暖房用器具は22.7%減 総務省家計調査

二人以上の世帯の1世帯当たり消費支出は29万886円。比較の対象になる2025年6月は、日本の月平均気温が統計を開始した1898年以降の6月で最も高かった月にあたる。

総務省統計局は8月7日、「家計調査(家計収支編)」の2026年6月分の結果を公表した。二人以上の世帯の1世帯当たり消費支出は29万886円で、前年同月比は物価変動の影響を除いた実質で3.3%の減少。実質での減少は7か月連続となった。名目では1.5%の減少、前月比(季節調整値)では実質6.4%の減少だった。

冷暖房用器具、飲料、電気代 夏場に動きやすい項目で減少目立つ

夏場に支出が動きやすい主な項目では、前年を下回るものが目立った。エアコンなどを含む「冷暖房用器具」は実質22.7%減の2,461円。「飲料」は8.6%減の6,051円で、内訳では茶類が13.4%減、他の飲料が11.0%減。「電気代」は5.5%減の9,948円、「菓子類」は2.6%減の8,631円だった。「シャツ・セーター類」も16.4%減で、「被服及び履物」全体では19.9%減となっている。

2026年6月の家計調査から、夏場に支出が動きやすい6項目の対前年同月実質増減率を示した横棒グラフ。宿泊料が16.7%の増加、菓子類が2.6%の減少、電気代が5.5%の減少、飲料が8.6%の減少、シャツ・セーター類が16.4%の減少、冷暖房用器具が22.7%の減少
夏場に支出が動きやすい主な項目の対前年同月実質増減率(2026年6月・二人以上の世帯)。出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」2026年6月分をもとに汐塾が作成

名目と実質で向きが変わる項目もある。「食料」は名目では0.6%の増加だが、価格の上昇分を除いた実質では2.5%の減少だった。

前年同月にあたる2025年6月は、統計を開始した1898年以降で最も暑い6月

前年同月にあたる2025年6月は、日本の平均気温の基準値からの偏差がプラス2.34度で、統計を開始した1898年以降の6月として最も高かった(気象庁)。梅雨明けも早く、確定値では九州南部から東海までが6月27日、関東甲信は6月28日と、平年より3週間ほど前倒しだった。一方、2026年6月の偏差はプラス0.46度。地域別では北日本で高く、東日本と西日本は平年並みだった。梅雨明けは関東甲信・東海が7月20日ごろ(速報値)で、6月はまだ梅雨の中だった。ただし統計局は、項目ごとの増減について天候などの要因を示していない。

宿泊料は16.7%増 10大費目の減少幅は被服及び履物が最大

増えた項目もある。「宿泊料」は実質16.7%増の2,470円、「パック旅行費」は名目で18.0%増だった。10大費目では「教育」が20.6%増、「住居」が3.6%増。逆に減少幅がいちばん大きかったのは「被服及び履物」の19.9%減で、「家具・家事用品」の11.4%減が続いた。

家計調査の結果は、調査した月の翌々月の上旬に公表される。今回の二人以上の世帯の集計世帯数は7,162世帯だった。企業を対象にした7月の景気動向調査では、エアコンなど夏季商材の需要増が景気の押し上げ要因に挙げられているが、調査の対象も対象月も異なる。なお、2026年1〜6月の実質増減率などは、消費者物価指数の2025年基準への改定に伴い、9月4日に遡及改定される予定だ。

広報TIPS — 自社の商品が「前年の2倍売れました」という発表だけでは、市場環境の追い風があったのか、自社の施策が効いたのかを切り分けにくいものです。関連する公的統計を添えると、家計側の需要環境を一次データで示せます。ただし、家計調査は市場規模や販売数量そのものを表す統計ではありません。調査対象、対象月、名目・実質の別と出典を明記すれば、記者や読者が数字を検証しやすくなります。

出典:総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」2026年(令和8年)6月分(2026年8月7日公表)。金額と増減率は、同日公表の月次結果(概要及び統計表)および第2表「1世帯当たり1か月間の収入と支出―二人以上の世帯」の表記による。同表で「パック旅行費」に付された*印は、対前年同月名目増減率を示す。2026年1月分から6月分の実質増減率などは、消費者物価指数の2025年基準への改定に伴い遡及改定される予定で、時期と対象は統計局「家計調査結果 遡及改定についてのお知らせ」による。気温は気象庁「日本の月平均気温」(6月・基準値は1991〜2020年の30年平均値)と「2026年6月の天候」、報道発表「6月の記録的な高温と今後の見通しについて」(2025年7月1日)。梅雨明けは気象庁「昭和26年(1951年)以降の梅雨入りと梅雨明け(確定値)」および「令和8年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」による。

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汐塾編集部

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