
塩野義製薬は8月7日、「夏の感染症実態調査」の結果を発表した。この1年以内に風邪の症状を感じたときにAIに相談したことがある20〜60代の男女1,000人(性別・年代ごとに各100人)のうち、AIから「風邪」の可能性を提示された経験のある人では、実際に医療機関を受診した人は20.6%で、79.4%は受診しなかった。「インフルエンザ」の可能性を提示された人では61.8%、「新型コロナ」では62.8%が受診していない。調査は7月10日から12日にインターネットで行われた。

あわせて行われた20〜60代の男女1万人への調査では、月1回以上AIを利用する人が42.7%。月1回以上利用する人のうち、体調不良時の症状や対応策の相談にAIを使った人は46.7%、発熱やのどの痛みなど風邪の症状を感じたときの相談に使った人は38.0%で、どちらも20代・30代で高かった。
風邪の症状でAIに相談した経験のある1,000人では、症状を感じたとき最初にとる行動は「AIに相談する」が31.5%で最も多く、「熱を測る」の22.3%を上回った。一方、この1,000人の70.2%は「相談相手として、AIより医師の方が信頼できる」とも答えている。相談した際に「風邪」の可能性を提示された経験がある人は62.1%、「インフルエンザ」は30.6%、「新型コロナ」は21.5%だった。

医師の84%「AIへの相談だけで正確に判断するのは難しい」
一般病院および医院・診療所・クリニックで治療に当たる医師100人への調査では、68.0%が、AIが患者の受診行動に影響を及ぼしていると感じると答えた。受診前のAI相談については「感染症は似ている症状が多いため、種類や重症度をAIへの相談だけで正確に判断するのは難しい」が84.0%、「医療機関への受診遅れにつながる」が58.0%。一方で「生活者が体調管理でAIに相談することは有効」と答えた医師も74.0%おり、「体調管理や健康管理でAIの意見をうのみにせず、参考程度にしてほしい」は88.0%だった。

調査の委託先はエクスクリエ、実施はクロス・マーケティング。結果はいとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長が監修し、発表の中で「生活者の皆さんには、AIを参考情報として上手に活用しつつ、気になる症状がある場合は、早めに医療機関への相談をご検討ください」とコメントしている。調査は、夏に流行する感染症に対する意識や対策の実態を把握する目的で行われた。塩野義製薬は、結果を踏まえて疾患啓発活動や感染症対策の強化に努めるとしている。
広報TIPS — 一つの対象だけに尋ねる調査では、同じ立場からの回答に限られ、記事にできる角度も狭くなります。この調査のように、生活者には利用の広がりを、風邪の症状でAIに相談した経験のある人には実際の行動を、医師には診療側の受け止めを尋ねると、同じテーマを異なる立場から確かめられます。社会への広がり、当事者の行動、専門家の見解を一度に示せるため、記事の切り口を選びやすくなります。
出典:塩野義製薬「全国の生活者と医師に聞く、風邪症状時のAI利用と医療受診に関する調査結果」(ニュースリリース・2026年8月7日)
