プレスリリースを記事として取り上げられるにはどのタイミングで配信すれば良いのでしょうか。今回は当社が独自に行った調査結果を元に、プレスリリースの最適な配信タイミングについて解説します。
目次
プレスリリースを配信するタイミングが重要な理由
プレスリリースを配信する最大の目的は、メディアに記事として取り上げてもらうことです。当然ながら、メディアに見てもらえなければ記事化に繋がることはありません。そこで重要になるのが配信のタイミングです。
新聞・雑誌・テレビ・ラジオは、記事の掲載面や番組の枠が決まっています。枠が埋まるようなときに配信しても、掲載・放映される可能性は低くなるため、適切な配信タイミングを押さえていくことが重要なスキルとなります。
メディアには日々膨大な量のプレスリリースが届きます。その中から記事にふさわしいと判断されたものが選ばれます。もちろん、プレスリリースの内容次第ですが、目に留めてもらいやすい曜日や時間帯に送ることも非常に重要です。プレスリリースを配信する前に発表する目的を確認し、どの媒体に取り上げられたいかを今一度考え、掲載を目指すメディアに合ったタイミングで配信していきましょう。
ただし、事件や事故、製品回収など緊急性の高いプレスリリースの場合は例外です。可能な限りタイムリーに配信する必要があるので注意しましょう。
プレスリリースがよく配信されている曜日と時間帯はいつ?
一般的にプレスリリースがよく配信されているのはいつなのでしょうか。
以下に示すグラフは、2022年1月〜4月に共同通信PRワイヤーから配信されたプレスリリースをもとに集計した、当社独自の調査結果です。
最初のグラフは「曜日別配信状況」で、この期間の配信総数から曜日別の割合を算出しています。
このグラフを見ると、ほとんどのプレスリリースが平日に配信されていることがわかります。月曜日は若干低くなっています。
多くのメディアが暦通りに稼働していることと、月曜日は祝日になる場合が多かったり休日明けでメディアが忙しかったりすることを考慮し、火曜日から金曜日に配信する企業や団体が多いのではないかと推察されます。
毎日多くのプレスリリースが届くメディアの目に留めるには、まずは忙しいと予想される曜日や時間帯を避けて配信することが重要です。
次に、「プレスリリース時間帯別配信状況」を見ていきましょう。
このグラフを見ると、当然のことながら、ほとんどのプレスリリースは9時以降のビジネスアワーに配信されていることがわかります。
最初のピークは10時台〜11時台の午前中であり、約30%になります。次のピークは14時台〜15時台の2時間で、約25%。2つを合わせると55%のプレスリリースがこの時間帯に配信されているようです。
次に、時間帯を「分」ごとにも見ていきましょう。
「00分」の配信に約35%が集中しています。次は「30分」(約7%)ですが、圧倒的に数多くのプレスリリースが「00分」に配信されていることがわかります。
配信のタイミングは、受け取るメディアの状況を配慮して決めることが重要ですが、あえて配信の集中する時間帯を外して届けるのも、見られるチャンスを増やすという点では、選択肢の一つかもしれません。
プレスリリースを配信するタイミング
プレスリリースの配信タイミングはメディアの動きを考慮した上で決めることが重要ですが、具体的にいつ送るのがベストなのでしょうか。
ここでは、実際にメディアの記者がプレスリリースをいつ閲覧しているのかについて、当社の独自調査をもとに紹介しつつ、配信のタイミングについて解説していきます。
以下に示すグラフは、当社がメディア向けに限定公開しているプレスリリース掲載サイト(メディア限定サイト)の、2022年1月〜2022年4月のセッション数(※1)をもとに集計したものです。セッション数は「訪問回数」と考えていただいてかまいません。
最初のグラフは、12時台を基準に「1」として比較したものです。
これを見れば、メディアの記者が何時頃にプレスリリースを閲覧しているのかを推測することができます。
当然のことながら、ビジネスアワーにおける訪問が多くなっています。ピークは10時〜12時までの午前中。16時以降は徐々に下がっていきます。
先ほど紹介した時間帯別プレスリリース配信状況のピークは10時〜12時と14時〜16時なので、ほぼ一致していることがわかります。
さて、ここで気になるのが、プレスリリースの配信時間と記事化の関係です。何時頃に配信すれば、記事化されやすいのでしょうか。
当社では、2021年12月に共同通信PRワイヤーから配信されたプレスリリースを追跡し、ニュースサイトに記事として掲載されたかどうかを調査しました。次のグラフは、その結果をもとに、記事化されたプレスリリース数の時間帯別構成比を表したものです。(※2)。
このグラフを見ると、どの時間帯に配信されたプレスリリースが記事化されやすいかを推測することができます。
まず、記事化されたプレスリリースの9割以上が、ビジネスアワーに配信されていることがわかります。
ピークは、10時台〜11時台の午前中(28.4%)と、午後14時台〜15時台(31.8%)の2つです。この結果は、多少の誤差はあるものの、先ほど説明した「プレスリリースの時間帯別配信状況」と「メディア限定サイトの時間帯別訪問状況」の結果とほぼ一致しています。
つまり、プレスリリースの配信時間とメディアの閲覧時間、記事化されやすい時間帯という3つのピークは関連しているということです。
ここまでの分析結果をまとめると、まず、プレスリリースは平日のビジネスアワーに送信することが望ましいということ。そして、時間帯としては、2つのピーク(10時台〜11時台、14時台〜15時台)が狙い目である、ということになります。
プレスリリースを送るタイミングは、媒体の種類にも配慮する必要があります。媒体によって記事化までのスケジュールが異なるためです。
媒体別の最適な配信タイミングについては、次の章で詳しく紹介します。
※1…セッションとは、ユーザーがWebサイトを表示して、離脱するまでの一連の流れのこと。セッション数は、ユーザーの訪問回数と考えてください。
※2…2021年12月に配信されたプレスリリースで、「ニュースサイト・クリッピング」を利用したものを対象に調査を実施。
配信先の媒体別の配信タイミング
プレスリリースの配信タイミングは、新聞、テレビ、雑誌や Web メディアなどの配信先の媒体によっても異なります。例えば、新聞に取り上げてもらいたい場合、テレビと同じタイミングに配信しても間に合いません。
ここでは、それぞれ目指す媒体に合わせた配信のタイミングを紹介していきます。
新聞
新聞社に配信するなら「一週間〜前日」がおすすめです。
ただし、新聞の種類によって配信のタイミングは若干異なります。
新聞の種類は毎日発行される日刊紙、1週間に一度の週刊紙、月に一度の月刊紙、3ヵ月に一度の季刊紙などがあります。また、取り扱う枠によってもタイミングが異なるため、新聞の掲載を目指す場合は早めに送るようにしましょう。それぞれの新聞に合わせたタイミングでプレスリリースを配信するのがベストです。
できれば記者にヒアリングし、期日に合わせてプレスリリースを配信するようにしましょう。
ちなみに、新聞社の閑散期は、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休みがあげられます。この時期は暦の上では一般企業も休日であることが多く、送られてくるプレスリリースの数も少なくなります。
あえてこの時期にプレスリリースを配信し、記者の目に留まりやすくするというのも戦略の一つかもしれません。
テレビ
テレビに配信する場合は、「2ヶ月前〜当日」に送りましょう。
取り上げてもらいたい番組の内容によってタイミングが異なります。企画番組に取り上げてもらうには、企画のスケジュールが組まれる約2ヶ月前に送る必要があります。また、ニュース性の高い生放送のニュース番組は、オンエアの6〜7時間前が良いでしょう。
雑誌
月刊誌や週刊誌などの雑誌に配信するなら、「2ヶ月以上前」に配信するようにしましょう。
雑誌はあらかじめ企画や特集を決めてから取材・執筆・編集などの工数がかかり、時間がかかるからです。スケジュールに余裕を持ち、早めに配信しましょう。
また、専門誌の場合は2ヵ月〜半年前に配信するのがおすすめです。特集に合わせて企画が組まれることもあります。
雑誌への掲載を目指すなら、先々の企画予定などを事前にヒアリングするなど、雑誌編集者との関係構築も重要になります。雑誌編集者とコミュニケーションを取り、事前に情報を売り込むような働きかけも有効な手段になります。
Webメディア
Webメディアの場合は、「一週間前〜前日」の配信がおすすめです。
中には最短で当日中に配信したとしても、すぐに取り上げられるケースもあります。Webメディアは媒体の中でもプレスリリースを配信してから記事として取り上げられるまでのタイムラグが短い傾向です。送る時間帯や時期にも特に意識することなどはないので、掲載を目指すメディアの稼働日かつ業務が落ち着いた曜日を狙って配信しましょう。
内容別の配信タイミング
媒体だけでなく、プレスリリースの内容によってそれぞれ最適なタイミングも異なります。ここではプレスリリースの中でも特に多いテーマを取り上げ紹介します。
新商品
新商品や新サービスのプレスリリースの場合は、「一週間前〜前日」が目安になります。
重要なのは話題性なので、配信のタイミングが早すぎると記者や生活者に忘れられてしまう可能性もあります。話題性をうまく活かし、新商品・新サービスの発売直前に配信していきましょう。
セミナー・イベント紹介
セミナーやイベントの紹介は「2週間前以上」に配信するようにしましょう。
一度の配信だけでは興味を持たれない可能性もあるので、興味をもってもらえるように段階的に配信するのも良いでしょう。情報を少しずつ開示して配信し、生活者の興味を引いていく効果も期待できます。いつでも配信できるよう、早めにプレスリリースを作成し準備しておきましょう。
キャンペーン紹介
キャンペーンの紹介は「2週間前〜開始前日」がおすすめです。
期間限定のキャンペーンは配信が遅くなると機会損失になってしまうこともあります。キャンペーン開始前に早めに配信し、生活者にキャンペーンの利用を検討してもらう間をつくりましょう。
業績の報告
売上やキャンペーンなどの業績の報告は、「即日公開」が一般的です。
報告に必要な情報がまとまり次第、スピーディーに配信していきましょう。日にちが経過してしまい、情報が古くならないように注意が必要です。
季節や時期を考慮しなくてもよい内容の場合
プレスリリースの内容的に、特に季節や時期を考慮しなくてもよい場合もあります。
そのような場合は、企業活動が停滞しがちな2月8月など、メディアの閑散期を狙うのがおすすめです。ニュースが多く出る決算時期や選挙時期など、大きなイベントとのバッティングを避けて計画していきましょう。
ちなみに、決算で忙しくなるのはゴールデンウィーク明けです。決算と聞くと期末の3月と思う方もいるかもしれませんが、決算の発表自体はゴールデンウィーク後から始まることを念頭に置いていきましょう。
配信のタイミングを決めるコツ
プレスリリースを配信するタイミングを決めるときは、まず「どの媒体をターゲットにするか」を明確にしていきましょう。目指す媒体によって配信するタイミングが大きく異なります。
媒体をどれにするかが決まれば、自ずとベストなタイミングが決まってきます。ターゲットの行動を想定すれば、自ずと適切なタイミングが見えてくるはずです。効果の高いプレスリリースを配信できるように、さまざまな工夫をしていきましょう。
タイミングのコツをつかんで戦略的にプレスリリースを配信しよう
プレスリリースの内容はもちろん大切ですが、記者の目に留まる可能性を少しでも上げるためには、ベストなタイミングで配信することが非常に重要です。新聞、雑誌、テレビ、ラジオは、記事の掲載面や番組の枠は決まっています。枠が埋まるようなタイミングに配信しても、掲載・放映される可能性は低くなってしまいます。
まずは、今回おすすめしたタイミングで配信してみましょう。あえてメディアの閑散期を狙って配信するのもよいかもしれません。
プレスリリースを配信するタイミングを検討している人は、今回紹介した媒体別、内容別のタイミングなどを参考に、ぜひ試してみてください。
PRワイヤーのサービスでは、配信日時を自分で決めることができ、24時間365日配信が可能です。配信時間を分単位の指定でき、緊急時にも即時に配信が可能です。詳しい機能の紹介について、以下の資料をご用意しました。ぜひ参考にしてみてください。