プレスリリースの送付先は、どのようにして決めれば良いのでしょうか?重要なポイントは、発表する内容とメディアが求めている情報を合致させることです。本記事では、送付先の具体的な探し方や送付方法、注意点について解説します。
目次
プレスリリースはどこに送ればいい?
そもそもプレスリリースとは、新商品の発売や新サービス、新規事業の開始などの企業情報をニュース素材としてメディア(報道機関)が利用しやすいように文書としてまとめたものです。
そこで重要なのは、「プレスリリースの情報を必要としている対象メディアは何か?」を考えること。つまり、どのようなメディアに送れば、当該プレスリリースの内容が活かされるか、ということです。
送付先は親和性の高いメディアを選ぶ
プレスリリースは単に大量のメディアに送れば良いというものではありません。テーマや素材によって、送付すべきメディアが異なるため、対象を絞って送るべきです。
また、新聞においては経済部と文化部でも欲している情報は異なります。プレスリリースの発表内容とアプローチしたいメディアや部署が取り扱うテーマを確認し、親和性の高いメディアに送りましょう。
送付先をリストアップする際、実際に媒体の記事や特集を見て判断していきましょう。メディアに記事として取り上げてもらうためには、自社の情報に興味を持ちそうなメディアを選ぶことが絶対条件です。記事掲載という成果につなげていくためにも、親和性の高いメディアを一件一件探していきましょう。
メディアが求める送付方法でプレスリリースを送ろう
プレスリリースの送り先を選定したら、メディアに送付していきます。代表的な送付方法は以下が挙げられます。
それぞれの送付方法について確認していきましょう。
メール
主流の送付方法はメールです。メールは、コピー&ペーストしながら記事を作成したり、記載のURLをクリックするだけでリンク先の情報を確認できるなどのメリットがあります。また、ペーパーレスのため、FAXや郵送に比べて受け取った側の負担が少なくなります。 Webメディアの場合はそのまま転載しやすいことも理由のひとつとして挙げられます。また、メールを送信する際は必要な資料をファイル添付したり、レイアウトされたプレスリリース自体をPDFにし添付しましょう。送る時はメールの件名が非常に重要です。記者の興味を引くような件名になるよう工夫を凝らし、開封率を高めていきましょう。
また、末尾には「問い合わせ先」を記載する必要があります。担当者の連絡先がなければ、プレスリリースに興味を持ったとしても取材につながらず記事化の機会を逃してしまう可能性があるからです。忘れずに記載しましょう。
主流の送付方法がメールであることについて、以下の記事で詳しく解説しています。
プレスリリースの配信方法は?メディアは95%が「メール」を希望
また、メールを送付する際には件名が非常に重要です。重要な理由について、以下の記事で詳しく解説しています。
FAX
FAX はすぐ届き、費用と手間が比較的かかりにくいのが特徴です。
メールの場合は開封してもらわないと内容が見えませんが、FAXで送るとパッと見たときに印象に残れば確認してもらえるケースもあります。また、手元に残るため後に残るという利点もあります。
FAXで送る場合は、送付状は必要ありません。ヘッダーに部署や役職、氏名などを記載し、そのまま送付しましょう。「ビジネスマナーとして送付状が必要なのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、記者は一分一秒のロスもしたくないくらい忙しく、ビジネスマナーより、効率を優先しています。また、送付状がないことで印刷するコストも無駄にならずに済みます。記者の立場に立ち、メディア視点で送付しましょう。
郵送
郵送で送る場合は、送り先の記者の個人名が分かっていると効果的です。メディアには毎日膨大な量のプレスリリースが届くため、個人宛でなく部署宛に送った場合読まれないこともあるからです。
郵送では、FAXと同様、送付状は必要ありません。プレスリリース一枚目の上部には宛名を忘れずに記載しましょう。メディアの立場からすると、確認する前に送付状を捨てる手間も省くことができ、スムーズに確認できます。
郵送の場合は画像や写真がカラーで添付できるので注目されやすくなります。ただし、郵送は送ってから記者の手元に届くまで時間がかかってしまうので、送付するタイミングに注意しましょう。
プレスリリースは送付先メディアによって、送付方法や形式が異なります。一般的に、Webメディアではメールを希望するケースが多く、新聞・雑誌・テレビではFAXや郵送も使われます。メディアによって様々なので、それぞれのメディアに確認してから希望する送付方法に沿った形式で送るようにしましょう。メディアの立場に立ち、適切なもので送付すると親切です。
連絡先がわからないメディアの探し方
プレスリリースを送付したいメディアであっても、連絡先がわからない場合はどのように探したら良いのでしょうか。
メディアの連絡先の探し方については、以下の方法があります。
一つ一つ、解説していきます。
記事の署名を参考にコンタクトを取る
メディアの記事には、記者・編集者の名前を記載しているケースがあります。記事を見るときは、名前や連絡先が載っていないかも確認しましょう。担当者の名前が分かり、誰に見てほしいかを明記するだけでも確認してもらいやすくなります。
しかし、担当者の名前が判明したからといって、一方的に連絡を取ると相手に負担になってしまうケースもあります。知り合いを辿ったり、イベントで交流を深めるなど、徐々に信頼関係を構築していく姿勢が重要です。
中には、SNSを解放している記者や編集者もいます。SNSで記者に直接アプローチも可能ですが、フォロワー数が多いと毎日相当数のDMが届いていることもあるため、DMを送る場合は画面に表示される最初の一文で興味を持ってもらえるよう工夫をしていきましょう。
各メディアの「受付窓口」「お問い合わせ先」からコンタクトを取る
Webメディアの場合、「受付窓口」や「お問合せ先」が設置されている場合がほとんどです。連絡先のわからないメディアの場合は「受付窓口」や「プレスリリース受付」、「お問合せ先」からコンタクトをとり、送り先を確認しましょう。
送付先アドレスが見つからない場合は、電話で問合せをすると送付先を教えてもらえる場合もあります。送付先だけでなく送付方法も併せて確認を取り、メディアが希望する方法で送付できるとベストです。
「PR手帳」「マスコミ電話帳」を利用する
日本パブリックリレーションズ協会が発行している 広報・マスコミハンドブック「PR手帳」は、マスメディアやPRに関する情報がまとめられています。また、宣伝会議が毎年発行する「マスコミ電話帳」にも情報がまとめられています。新聞、テレビ、雑誌などの連絡先が記載されているため、 送付したいメディアを探すことが可能です。年に一回発行されているので、最新版を活用していきましょう。
「iタウンページ」を利用する
「iタウンページ」とは、NTTが提供している電話番号が調べられるWebサイトで、無料で利用できます。地方メディアなどは「PR手帳」や「マスコミ電話帳」に記載されていないケースもあるので、そのような場合は「iタウンページ」を活用しましょう。「iタウンページ」の検索窓に検索したい地域名や媒体名を入れ検索するだけで、所在地や電話番号がすぐに表示されます。連絡先に電話をしてみて、プレスリリースの送付先や送付方法を聞いていきましょう。
知り合いを辿る
メディアの連絡先を知らない場合は、知り合いを辿るのも一つの方法です。例えば、役員や幹部の方に知り合いのメディア関係者がいないか確認してみましょう。もしメディア関係者とつながりがあり、親和性の高い媒体であればプレスリリースを送付するきっかけができます。できるだけ知り合いを辿り、記者とのつながりを調べてみましょう。
一括配信サービスを利用する
一括配信サービスとは、希望するメディアにプレスリリースを一括で配信することができるサービスのことです。一括配信サービスには独自のメディアリストがあるため、自社にメディアリストがない場合でもすぐに配信が可能です。提携しているメディアにプレスリリースを送信できるため、一件一件連絡先や送付方法を確認する必要はありません。
また、最近ではメディアにプレスリリースを配信するだけにとどまらず、ニュースサイトにプレスリリースが掲載できたり、SNS上で配信できるサービスもあります。利用コストはかかるものの、時間をかけず効率よく配信することが可能です。
送付先メディアリストは作るだけではなく定期的に見直しを
送付先のメディアを探したら、オリジナルのメディアリストを作成していく必要があります。ここでは、広報担当者が知っておきたいメディアリストの作成内容や取り扱いについて紹介します。
メディアリストとは
メディアリストは、新聞、テレビ、雑誌、Webメディアなどプレスリリースの送付先を一覧でまとめたものです。広報 PR 活動を円滑に進めるためにメディアの情報をストックしておきます。記載内容は以下のものが挙げられます。
- メディアの正式名称
- 住所
- 媒体ジャンル
- 部署名、役職、担当者名
- メールアドレス
- 電話番号
- FAX番号
それぞれの情報を抽出し、Excelなどでデータをリスト化していきます。直接話したことがあれば人柄や取材履歴なども必要に応じて記載しておくのも良いでしょう。会話の内容などもメモをしておくことで、メディアとの関係性を築く時に役立ちます。
メディアリストは継続的に利用するものなので、後から見返した時にもわかるように整理しておく必要があります。きちんと整理しておけば、広報担当者が異動で後任に引き継ぐときにも便利です。
メディアリストは見直しが必要
メディアリストは一度作成したら終わりではありません。いつでも最新な状態になるよう見直しが必要です。記者は数年で部署異動があったり、担当者の異動や退職がある場合もあります。その都度更新しないと使えないリストになってしまうため、定期的にブラッシュアップしメンテナンスしましょう。
また、メディアリストの情報には個人情報が多く含まれます。流出しないようにロックするなど、管理する上でルールを決めて取り扱いには十分に注意しましょう。
プレスリリースを送付する際の注意点
プレスリリースを送付する時にはどのようなことに注意したら良いのでしょうか。送付する際には、次のことに気をつけましょう。
■プレスリリースを送付する際の注意点
一つずつ、解説していきます。
宛先に部署名や担当者名を明記する
プレスリリースを送付する際は、「〇〇新聞社 御中」のような媒体名だけを宛名にするのは避けましょう。
例えば、新聞社であれば文化面、経済面、社会面など担当部署や担当者を記し、「〇〇新聞社 〇〇部 〇〇ご担当者様」と記載しましょう。FAXや郵送で送る場合、送付状は必要ありませんが、プレスリリース一枚目の上部には宛先を明記する必要があります。
担当の記者と面識があり、名刺交換をしたことがある場合は、記者の名前まで書くのがベストです。
メールで一斉送信する場合は「BCC」で送る
メールの「BCC」機能で送ることで、他の受信者にアドレスが見えないように一斉送信することができます。プレスリリースをメールで一斉送信する場合は、必ず「BCC」で送りましょう。CCで送信してしまうと、他のメディアにもアドレスが表示されてしまい、個人情報が流出してしまいます。送信前に必ず確認しましょう。
「BCC」でメールを送信すると、受信者はメールの件名を見ればBCCで送られていることが分かります。そのため、メールに「一斉送信のためBCCで失礼します。」と記載するなど、BCCで送信している旨をマナーとして付け加えるよう配慮しましょう。
媒体別にベストなタイミングで送付する
プレスリリースは目に留めてもらいやすい曜日や時間帯に送ることも非常に重要です。完成し次第送付するのではなく、タイミングを見てから送付しましょう。
過去に当社が行った調査を集計したところ、プレスリリースを送るならプレスリリースは平日のビジネスアワーに送信することが望ましいということが分かりました。そして、時間帯としては、2つのピーク(10時台〜11時台、14時台〜15時台)が狙い目です。
多くのメディアが暦通りに稼働していることと、月曜日は祝日になる場合が多かったり休日明けでメディアが忙しかったりすることを考慮し、火曜日から金曜日のビジネスアワーに配信するのが良いでしょう。プレスリリースを見てもらうためには、相手が忙しいと予想される曜日や時間帯は避けて送ることが重要です。
プレスリリースを送るタイミングは、メディアの動きのほかに、送付先媒体の種類にも配慮する必要があります。媒体によって記事化までのスケジュールが異なるためです。
媒体別の目安は以下の通りです。
- 新聞…一週間〜前日
- テレビ…2ヶ月前〜当日
- 雑誌…2ヶ月以上前
- Webメディア…一週間前〜前日
上記の送付タイミングを参考に、掲載を目指すメディアの稼働日かつ業務が落ち着いた曜日を狙って送付していきましょう。
メディアリストを作ってメディアリレーションの第一歩を踏み出そう
送付先メディアリストは、親和性の高いメディアを選ぶことが非常に重要です。プレスリリースの配信内容と配信先メディアがマッチしなければ、記事化につながるなどの効果が期待できません。「届けるべき相手はどこなのか」を考え、送付先を選んでいきましょう。
広報部門にとってメディアリストは財産です。作成したらそのままにせず、変更などがないかメディアに確認し、いつでも最新版のメディアリストにしておく必要があります。
しかし、送付先の連絡先を探したり見直すのも時間と手間がかかってしまいます。メディアリストを作成、管理するのが大変な場合は「プレスリリース一括配信サービス」を検討してみてはいかがでしょうか。
PRワイヤーの登録メディアは 約2,600媒体・約4,050カ所、定期的にメディアリストのメンテナンスをしているため、いつでも最新のリストを利用できます。また、1回の配信で平均1,500件に送信可能です。
どのような送付先があるか気になる方は、ぜひ以下のページを参考にしてみてください。