2社以上の企業・団体が連名で配信するプレスリリースはどのように書けば良いのでしょうか。具体的な書き方や配信前に決めることなどを詳しく解説します。
目次
どんな時に連名でプレスリリースを出す?よくあるパターン
プレスリリースを企業などの組織同士が共同で配信したい場合は、連名で送ります。例えば、以下のような場合です。
- 業務提携
- 資本提携
- 共同開発
- 共同商品・サービス
連名で配信する際は、各社の担当者同士で配信目的や内容などを確認し合い、足並みを揃えて配信しましょう。
連名でプレスリリースを配信するメリット
提携など他社と共同でプレスリリースを配信すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的には、以下の点が挙げられます。
- 相乗効果により、それぞれのブランド力が高まる
- 提携先の新しい顧客層や取引先などへの認知拡大を図ることができる
例えば、老舗企業と新興企業が提携する場合、老舗企業にとっては、ステークホルダーに対し新鮮なイメージを与えます。新興企業にとっては、老舗企業の信頼性を感じてもらいやすくなります。両社のブランド力を高めることで、新たな価値を創造することにつながります。
今までアプローチできなかった潜在顧客に認知してもらえることも、連名で配信するメリットです。以前よりも多くの生活者に知られることで、商品やサービスの利用者が増え、社会的な信頼を得ることが期待できます。
単独で連名プレスリリースを配信しても良い?
連名プレスリリースは、各社それぞれ別々に配信する場合もありますが、代表する企業・団体が単独で配信する場合もあります。どちらでも問題はありません。いずれにしても、提携の意義や今後の事業方針などが異なることがないよう注意しましょう。配信内容に誤りがあると、自社だけでなく連名企業にも迷惑が掛かってしまい、混乱を招く可能性があります。各社の合意形成を図りながら、内容を作成していきましょう。
連名で配信する際にあらかじめ決める項目については、「連名プレスリリースの配信前に決めること」にて詳しく解説します。
連名プレスリリースの例文
連名でプレスリリースを配信する際は、提携の背景や今後の事業方針などを中心に明記します。会社名の順序は、主導する会社を上に記載したり、五十音順やABC順などがあるので、各社で相談しながら決めましょう。
連名で送る場合は、配信元企業のことを「当社」「弊社」などと表現するのは避けます。読み手が理解しやすいよう、「◯◯◯株式会社」などと記載しましょう。企業名を何度も書く場合は、最初の企業名に「◯◯◯株式会社(以下◯◯◯)」と記載し、2回目以降は「◯◯◯」とすると分かりやすくなります。
連名で配信するプレスリリースの例文をテンプレートで用意しました。テンプレート書式なので文章、画像やロゴなどを施してご利用ください。
「提携・M&A・新会社・IPO(提携・連名)のテンプレート」をダウンロードする
連名でプレスリリースを配信する前に決めること
プレスリリースを連名で配信する前に、以下の点について、各社と相談し決めていく必要があります。スムーズに進められるよう、確認していきましょう。
■連名でプレスリリースを配信する前に決めること
それぞれ詳しく解説していきます。
配信目的を決める
まずは、両社でプレスリリースの配信目的をすり合わせましょう。「誰に」「何を」伝えたいのかを明確にすることで、認識相違を防ぐことができます。
どちらが作成・配信するかを決める
連名でプレスリリースを書く場合、どちらの企業が作成し発表するのか決めましょう。配信日なども話し合う必要があります。
表記ルールを決める
作成する前に、表記ルールを統一しましょう。例えば、「お客様」にするか「顧客」にするかなど、企業によって記載の仕方が異なります。言い回しなどのルールを確認しましょう。また、各社の商品名・製品名、事業名などの正式名称や略称表記についても、間違いのないよう、お互いに確認しておきましょう。
配信原稿の内容を決める
連名プレスリリースの原稿案は、多くの場合、主導する企業・団体の広報部門で作成され、各社に回覧されます。原稿の承認プロセスは、各社それぞれ異なります。何度か修正が入るケースもあります。調整に時間がかかることを想定して作業を進めましょう。
配信先メディアを決める
各社が所有している配信先やコンタクト先のメディアリストを相互に調整し、今回の連名プレスリリースの配信先を確定します。重複しないように注意しましょう。
プレスリリース配信サービスに依頼する場合は、配信サービス会社の所有するリストの中から選ぶことになります。
配信後のメディア対応担当を決める
メディアからの問い合わせに備え、あらかじめ対応担当者を決めておく必要があります。担当者が決まったらプレスリリースに記載し、迅速に対応できるよう準備しておきましょう。問い合わせ窓口を一社にする場合もあれば、内容によって窓口を分けることもあります。ケースバイケースで対応しましょう。また、事前に調整して想定問答を作成しておくと良いでしょう。
配信前に準備して連名プレスリリースをスムーズに配信しよう
連名でプレスリリースを配信するには、目的や表記ルールなどをすり合わせた上で作成する必要があります。内容に誤りがあると、連名企業にも迷惑がかかってしまいます。各社の意向に配慮しながら、合意を得ていきましょう。内容の調整や承認プロセスには、予想以上に時間がかかる場合もあります。できるだけ余裕を持ったスケジュールで進めていきましょう。
プレスリリースの書き方について、以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。