4大マスメディアの中でも雑誌は、セグメントが細分化され、コアなファン層が多いメディアです。そのため雑誌に紹介してもらう商品は、ヒット商品となる期待が高く持てます。
本記事では雑誌の特徴と、雑誌へのアプローチ方法を解説。雑誌へのPR活動を行いましょう。
目次
メディアとしての雑誌の特徴
雑誌メディアへアプローチを行う前に、雑誌の特徴を捉えておきましょう。
雑誌は下記の3つの特徴が挙げられます。それぞれ説明していきます。
ターゲットが明確な媒体
雑誌の最大の特徴は、幅広い種類が存在する点です。
雑誌ジャンル・カテゴリー区分では、2023年現在、60以上ものジャンルが存在しています。そのため、ターゲット分類がはっきりと分かれています。
年齢や性別、趣味嗜好、専門的分野など、それぞれ読者の求める内容が明確なため、新聞やテレビメディアと比べても、対象が分かりやすい点が雑誌の特徴の一つです。
特にコアなファン層が多い媒体
インターネットの普及に伴い、雑誌の発行部数は年々減少傾向に転じています。ここ数年を見ても、休刊や廃刊になった雑誌が数多くあります。それだけ競争の激しい業界だといえます。
一方で、競争を勝ち残り、発行部数を伸ばしている雑誌もあります。そのような雑誌には、必ずコアなファン層が存在しています。
コアなファンに支えられている雑誌には、情報感度の高い読者が多いという特徴が見られます。
Webマガジンの台頭
紙雑誌としては減少の傾向にありますが、近年は「Webマガジン」「オンラインマガジン」として生き残りをかけている編集部も多くあります。
Webマガジンは、タブレットやスマートフォンで読むことができる、いわゆる電子版の雑誌です。有料アプリから、多くは数百冊の雑誌を見ることができるため、若者を中心に購読が広がっています。
大多数の雑誌はWeb版と紙雑誌の併用を行っており、読者離れの防止に役立てています。
またWebマガジンのみの発行を行っている編集部もあり、雑誌は時代にあわせた変化の岐路に立っていると言えます。
Webマガジンは、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSとも連携し、より多くのファンの獲得に努めています。各雑誌はインターネットを上手に活用し、情報発信やブランド力をより強固にしています。
雑誌メディアの強み
雑誌の強みは、以下の3点があります。それぞれ詳しく説明していきます。
ターゲットへの訴求力が強い
雑誌は4大マスメディアの中でも、最も詳細にセグメントされている媒体です。
読者ニーズの数だけ、雑誌のジャンルが存在していると言っても過言ではありません。
メディアの強みとしては、特定の狙ったターゲット層に対し、ダイレクトに情報を伝えることができます。
読者側も情報感度やモチベーションを高く持ち合わせているため、読者に刺さる、ブレのないメッセージを享受することができます。
クオリティ・ブランド力が高い
雑誌は新聞やテレビに比べ、デザイン性の高いメディアです。また競合も多く存在するため、4大マスメディアの中でもクオリティの高さはもちろん、不随してブランド力も持っています。
読者も雑誌に愛着を持ち、コアなファン層も厚く存在します。ファッション誌では、掲載モデルが身に着けている衣類や小物がヒット商品になるなど、掲載情報は説得力を持ち、信頼性も高くなっています。
商品やサービスの販売促進につながるため、広報担当としては雑誌に紹介されることを視野に入れて活動を行いましょう。
読み返し、保存する
雑誌媒体は、読者の傾向として一定期間保存する、という特性があります。
雑誌は読者が有料で手に入れた情報です。そのため、保存し、折に触れて読み返すという行動が見られます。中には毎号購入し、コレクション化する人もいるほどで、積極的に閲覧する傾向があります。
また他メディアよりも接触回数が多いため、広告を露出した際はその効果が期待できます。
雑誌の構造を確認
雑誌の基礎知識として、発行頻度や構造を理解しておきましょう。
雑誌の種類と発行頻度
雑誌は発行頻度の違いにより、以下のように分類されます。
- 月刊誌……毎月1回、決まった日に発行する。2か月に1回発行の隔月刊雑誌もある。
- 週刊誌……毎週1回発行する雑誌。娯楽誌などに多い。隔週刊発行の場合もある。
- 季刊誌……3か月に1回、年4回発行する。春夏秋冬の季節ごとに発行する。
- ムック……別冊雑誌や臨時増刊号のこと。付録がついていることが多い。
また雑誌ジャンルの違いにより、下記のような呼称で呼ばれています。
- 一般誌……市販の雑誌全般を指す。一般誌の中に「総合誌」「専門雑誌」「情報誌」などが分類される。
- 専門誌・趣味娯楽誌……一般誌に属しさらに詳細に「経済誌」「ファッション雑誌」「スポーツ雑誌」「旅行雑誌」などに分類される。
- 企業誌……社内報やPR誌などがある。
- 官公庁誌……地方公共団体や中央官庁によって作成・刊行される雑誌。
- 学術雑誌……学術論文を発表する雑誌。
- 団体・協会誌……「機関誌」とも呼ばれる。市販はなく、会員に配布される。
編集(記事)ページと広告ページ
雑誌の構造は、主として「編集(記事)ページ」と「広告ページ」に分かれています。
編集ページは、雑誌の編集部が取材して作成した記事ページで、雑誌のメインページとなります。
広告ページでは、裏表紙(表四)や表紙の裏面(表二)など表まわりに配置される広告がメイン広告となり、掲載料金も高い傾向があります。
広報担当としては、フリーパブリシティの「新商品紹介コーナー」や「読者プレゼントコーナー」に取り上げてもらう機会を狙いたいところです。それぞれ覚えておきましょう。
雑誌へのアプローチ方法
雑誌へのアプローチ方法は「プレスリリースの配信」がメインとなります。配信時の注意事項もあわせて解説します。
プレスリリースを配信する
雑誌記事への掲載アプローチの第一歩として、「プレスリリースの配信」を行いましょう。
プレスリリースとは「新商品の発売や新サービス、新規事業の開始、人事異動などの企業情報を、メディアがニュース素材として利用しやすいようにまとめた文書」です。
雑誌記者が「読者に反響がありそう」「ニュースとして価値がある」と判断した場合に、取材の依頼や掲載のオファーがきます。
特に人気雑誌においては、毎日届く大量のプレスリリースの中から、雑誌記者の目に留まらなければ、掲載には至りません。
選ばれるポイントとしては、雑誌記者の求めるプレスリリースを配信すること。
例えば「流行りものやトレンド性」「季節性」「新しい・ここにしかない」といった、雑誌が取り上げたくなる情報を配信するようにしましょう。
プレスリリースの書き方や配信方法のコツを、下記の記事にまとめてあります。あわせてご確認ください。
「プレスリリースとは?配信の効果、メディア掲載のポイントを解説」の記事を見る
またプレスリリースは、送付先の選定が重要なポイントになってきます。
雑誌の種類は多岐に渡ります。闇雲に送付するのではなく、どの内容のプレスリリースをどこの雑誌編集部に送るのかをきちんと考え、お互いの利害が一致する送付先に配信することが大切です。
配信先の選定には、プレスリリース配信先メディアを整理した「メディアリスト」の活用が便利です。
メディアリストを用いて、プレスリリースの内容にあわせた配信先編集部をある程度決めておくと、送付時に役立つでしょう。
メディアリストの詳細については、下記の記事にまとめてあります。あわせてご確認ください。
「メディアリストの作り方とは?広報にとって大事なリストを使いこなそう」の記事を見る
プレスリリースの配信タイミングにも注目
プレスリリースを配信するタイミングも重要です。
雑誌の場合、「2ヶ月以上前」の配信タイミングを心掛けましょう。
専門誌の場合はさらに早く「半年〜2ヶ月以上前」がおすすめです。
雑誌は企画・編集会議前に情報を伝える必要があり、良いタイミングで編集部の目に留まることができると、特集を組んでもらえるチャンスも生まれます。
巻末の「新商品紹介コーナー」「読者プレゼントコーナー」では、1ヶ月前でも間に合うことも多いので、情報が整い次第プレスリリースを配信しておきましょう。
プレスリリースの配信タイミングについては、下記の記事にも詳しい説明があります。一度ご覧ください。
「メディアプロモートとは?何から始めればいいかしっかり解説」の記事を見る
雑誌へのアプローチで最重要なのは「媒体研究」
雑誌メディアで特に大切にしたいことは、「媒体研究」です。
媒体研究とは、各雑誌の読者層やコンセプトなどを理解し、各雑誌の特性を知ること。
相手を理解することは、コミュニケーションの基本です。
「この広報担当者は、読者のニーズをよく知ってくれている」と思われれば、企業からの声にも耳を傾けようとしてくれます。
できれば直近3ヶ月ほどの誌面を読み、特集は何が組まれているのかまでを理解しておくとより理解も深まるでしょう。
広告の種類と掲載メリット
雑誌掲載には、有料の広告を出稿するという方法もあります。
雑誌に有料広告を掲載する場合、「純広告」と「記事広告(タイアップ広告)」のどちらかを選択します。
純広告
「純広告」とは、広告主が制作したものをそのまま雑誌に掲載してもらう広告です。
制作の自由度が高いため、商品のブランディングや世界観の構築などに適しています。
記事広告(タイアップ広告)
「タイアップ広告」と呼ばれる記事広告は、雑誌の編集部が制作する広告です。
一定の編集ルールに基づき、特集記事の一部のような自然な流れで広告訴求を行います。
一般的に純広告よりも記事広告の方が、掲載料金が安価なことが多い傾向です。
雑誌以外のマスメディアは?
雑誌は「4大マスメディア」の一つです。4大マスメディアは他に、新聞、テレビ、ラジオがあります。
各メディアとの違いと、近年台頭が著しい「Webメディア」について説明します。
新聞・テレビ・ラジオ・Webメディアとの違い
新聞は、4大マスメディアの中でも最も信頼性の高い媒体です。性別年齢を見ても幅広い購読層を誇り、各新聞社が発表する社説やコラムなどは、時に世論をリードする存在でもあります。
テレビは社会への影響力が絶大です。映像と音声によるインパクトのある情報が、速報性高く伝えられます。
ラジオは音声のみで情報を伝えるその特性から、訴求力は低い傾向ですが、雑誌と同じくコアなファン層が厚く、固定聴衆層への働きかけに効果があります。
近年ではどのメディアも、インターネットを使用したサービスを取り入れています。スマートフォンやパソコンで、各メディアをそれぞれ楽しむことができます。
4大マスメディアやテレビ・雑誌・ラジオについての詳しい内容は、下記の記事にも説明しています。あわせてご確認ください。
「マスメディアとは?種類や役割について解説」の記事を見る
また「第5のマスメディア」と呼ばれる「Webメディア」も影響力を持つ時代になってきました。
「Webメディア」とは、インターネットを活用して情報発信をしているサイト全般のことです。
「ニュースサイト」や「ソーシャルメディア(Twitter・Instagram・TikTok・YouTubeなどSNS)」といったWebメディアからの情報が、テレビや新聞に取り上げられる現象も起きています。日々のPR活動においても注目しておきましょう。
プレスリリース配信で雑誌メディアへの掲載につなげよう
雑誌はセグメントが詳細で、届けたいターゲット層に情報がストレートに響くメディアです。
新聞やテレビ媒体のように大衆向けではありませんが、コアなファン層の存在は、広報担当者としても見逃せないポイントです。
雑誌自体のブランド力や信頼性などの力も得て、自社の商品・サービスの認知向上に努めましょう。
雑誌への掲載アプローチは、プレスリリースの配信が必要となります。
雑誌それぞれの特性を知り、各雑誌が求めている、情報が合致するプレスリリースを適切なタイミングで送るようにしましょう。
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