ソーシャルメディアは、情報の共有や拡散を主とした、インターネット上の情報交流メディアです。
ソーシャルメディアの特徴や活用方法、他メディアとの違いなども含め、企業におけるソーシャルメディアとの付き合い方について解説します。
ソーシャルメディアとは
ソーシャルメディアについて、他のメディアと比較しながら、それぞれ説明していきます。
「ソーシャルメディア」とは
ソーシャルメディアとは、「個人や組織などのユーザーが情報を発信・共有・拡散し、情報交流することで形成されるインターネット上のメディアの総称」です。
2000年代以降世界的に普及し、インターネットの活用において重要な存在となってきました。
ソーシャルメディアの種類には、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ブログ、情報共有サイト、動画サイトなどがあります。
ソーシャルメディアとSNSの違いは?
SNS(Social Networking Service ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、「ユーザー同士が交流できる、Webサイト上のコミュニケーションツール」です。
一例を挙げると「Twitter(X)」「Instagram」「Facebook」などがSNSに該当します。
「ソーシャルメディアとは」で触れた通り、SNSはソーシャルメディアの中の一つに分類されます。
ただ現在ではSNSの利用者数が大幅に増え、SNSがソーシャルメディアの主流になっているため「ソーシャルメディア=SNS」と考える人が多い傾向にあります。
ソーシャルメディアとWebメディアの違い
「Webメディア」は、インターネットを利用して情報発信をしているメディア全般のことです。SNSをはじめ「Yahoo! JAPAN」や「まとめサイト」、企業のホームページなどもWebメディアに含まれます。
つまりソーシャルメディアは、Webメディアの分類の一つで、Webメディアに含まれます。
Webメディア(インターネットメディア)の種類の中に、ソーシャルメディアが存在しているというイメージです。
Webメディアやインターネットメディア全般について、下記の記事にて詳しくまとめてあります。こちらもご参照ください。
「インターネットメディアの特徴とは?マスメディアとの違いも解説」の記事を見る
ソーシャルメディアとマスメディアの違い
「マスメディア」とは、大衆向けの媒体のことです。具体的には新聞・テレビ・雑誌・ラジオを指して「マスメディア」と言います。
新聞・テレビ・雑誌・ラジオの4媒体は、社会に大きな影響力を及ぼすメディアとして認知され、「4大マスメディア」「4大メディア」「4マス」「マス」などと呼ばれています。
分類上では、ソーシャルメディアを含むWebメディアと4大マスメディアは、別のメディアとして考えられています。
一方でここ数年のWebメディアの台頭は著しく、Webメディアは「第5のマスメディア」と呼ばれるほど、大きな影響力や存在感を示すようになってきました。近い将来、Webメディアは4大メディアに追加され、5大メディアになる可能性があるかもしれません。
マスメディアについて、下記の記事に詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
「マスメディアとは?種類や役割について解説」の記事を見る
ソーシャルメディアの種類
ソーシャルメディアの種類は多岐に渡り、著名なサービスだけでも50種類以上あります。今現在もさまざまなサイトやアプリが誕生している中、ソーシャルメディアはそのサービスの特徴によって、さらに分類が増えています。
総務省「ソーシャルメディアの種類と代表的なサービス例の分類」によると、下記の5つに分類されています。
- ブログ:アメーバブログ、livedoor Blog、はてなブログなど
- SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス):Facebook、Twitter(X)、Instagram、Threads(スレッズ)など
- 画像・動画共有サイト:YouTube、TikTok、ニコニコ動画など
- メッセージングアプリ:LINE、Messenger、カカオトークなど
- 情報共有サイト:食べログ、価格.com、クックパッドなど
上記の他に、「ビデオ会議アプリ」「レビューサイト」「ウィキペディア」「Yahoo!掲示板」「ポッドキャスト」などもソーシャルメディアに含まれます。覚えておきましょう。
各ソーシャルメディアの特徴
ソーシャルメディアは、企業にとっても欠かせないWebアイテムです。
企業で使用される頻度が高い主要なSNSの特徴と、周囲に及ぼす影響範囲について説明していきます。
ブログ:アメーバブログなどの特徴
ブログは「ウェブログ」の略で、主に文章メインで情報発信をするメディアの一つです。いわゆる日記やエッセイ感覚で読むことができる媒体です。
日本で最も登録者数が多い「アメーバブログ」では、芸能人や著名人などの登録も多く、人気ブログは書籍化されることもあります。人気ブログの著者は「ブロガー」と呼ばれ、インフルエンサーの役割を果たしています。
SNS:Twitter(X)、Facebook、Instagramなどの特徴
「いいね!」や「フォロワー」「DM(ダイレクトメッセージ)」などでユーザー同士が交流できる、Webサイト上のコミュニケーションツールがSNSです。
主要SNSは下記の4種類があります。
SNSの先駆けツール。世界最大規模のSNSで、実名登録制が特徴。アクティブユーザー数では2022年1月時点で約29億人と、SNSの中でも最大数を誇る。「いいね!」の投稿共感ボタンの設置はFacebookから始まった。 | |
Twitter(X) | 140字までの短文と、画像・動画が投稿できるSNS。「リツイート」など独自の機能が好評。2022年にCEOが交代し、サービス名が「Twitter」から「X」になるなど今後もさまざまな変化が予想される。 |
写真・動画などの視覚コンテンツに特化した投稿サイト。Twitterなど他のSNSとあわせて使われることが多い。メインユーザーは10〜30代の女性。企業では女性向け商品やサービス告知で活用されることが多い。 | |
Threads(スレッズ) | 2023年リリースの最新SNS。最大500文字まで投稿できる文字メインのSNSで、写真・動画の投稿も可能。Twitter(X)の対抗としてMeta社が開発した。 |
Twitter(X)、Instagram、Facebookのターゲット層などについて、下記の記事に詳しくまとめてあります。ご参照ください。
「SNS広告とは?広報で活用するメリットや選び方を解説」の記事を見る
動画共有サイト:YouTubeなどの特徴
情報発信を映像で行うことができる映像情報発信メディアには、「YouTube」「ニコニコ動画」「TikTok」などが挙げられます。
主に企業で使用されているのはYouTubeです。商品やサービスの使い方を動画で説明する活用方法が、注目を集めています。
YouTube | 動画共有サイトの先駆けアプリ。ユーザー数約23億人を誇る世界最大の動画共有サービス。YouTubeの投稿だけで生活ができる「ユーチューバー」と呼ばれる職業が生まれるほど今現在も流行の先端を担っている。 |
ニコニコ動画 | 日本の企業ドワンゴが運営している動画配信サービス。ユーザーが発信したコメントが動画上にテロップで流れる機能が好評。 |
TikTok | YouTubeとの違いは、動画の長さが15〜60秒と短いこと。手軽に情報を得ることができる点が評価されユーザー数を伸ばし続けている。投稿者としては、収益化が難しいというデメリットがある。 |
メッセージングアプリ:LINEなどの特徴
主に個人間で、他者とのコミュニケーションをとるためのツール。
LINEではメッセージのやりとりのほか、通話、画像や動画の送信が可能。他アプリとの違いとして、スタンプと呼ばれるイラストが送信できる「スタンプ機能」、メッセージを見たことが送信者に伝わる「既読機能」、LINE内の複数人で同じスレッドを共有できる「グループ機能」で一躍人気アプリの一つになった経緯があります。
情報共有サイト:食べログなどの特徴
使用者が実際に食事や購入、体験したものの評価や感想を書き込むサイト。
「口コミサイト」「レビューサイト」とも呼ばれ、人気サイトに「食べログ」「クックパッド」「価格.com」「トリップアドバイザー」「アットコスメ」などが挙げられます。
書き込まれた内容や評価により、ユーザーの購買行動に影響が出ることが多々あるため、企業としては動向に注目しておきたいサイトです。
ソーシャルメディアの注意点
ソーシャルメディアは手軽で便利なサービスですが、その分リスクも存在します。
企業において注意が必要なのは「炎上リスク」です。
炎上とは、コメント欄などにおいて、批判、誹謗中傷などの書き込みが殺到し、収集がつかなくなってしまう状態を言います。
炎上してしまうポイントはいくつかありますが、「誰かの批判や非難」「法やマナーに欠ける発言」「不誠実・不公平な態度」「不謹慎な発言」などが挙げられます。
企業Twitter(X)、Instagramなどを扱う方は、これらの状況を常に意識し、ポジティブな発言や活用を心がけるようにしましょう。
ソーシャルメディアの注意点については、当社下記サイトもお役立ていただけます。ご参照ください。
共同通信PRワイヤー「ソーシャルメディアガイドライン・ポリシー」を見る
ソーシャルメディアの活用方法
ソーシャルメディアは、Webマーケティングに役立つメディアです。
企業において広く使われる下記のWebマーケティング手法についてそれぞれ説明していきます。
「クロスメディア」とは
「クロスメディア」とは、多様なメディアを用いて商品やサービスの告知をし、行動をうながすマーケティング戦略です。
例えば、テレビCMや折り込み広告などで「続きはWebで検索を」のように、詳細はホームページを見るように呼びかける告知がありますが、実はこれがクロスメディア展開です。
テレビCMのほか、新聞、雑誌、SNSなどさまざまな入り口を設け興味喚起をし、商品・サービスの詳細はホームページで見てもらいユーザーの行動を誘導する方法となります。
当社の「プレスリリース一覧」には、クロスメディア展開の参考になる、ソーシャルメディアを活用したプレスリリースを配信している企業が数多くあります。ぜひ一度ご覧ください。
共同通信PRワイヤー「ソーシャルメディアがテーマのプレスリリース一覧 」を見る
「ULSSASモデル」とは
「ULSSAS(ウルサス)モデル」とは、ソーシャルメディアを使用した購買行動モデルのことです。具体的には下記の行動になります。
■ULSSAS(ウルサス)モデル
- UGC:認知。ユーザー投稿の口コミなどをソーシャルメディアで見る
- Like:「いいね!」やリツイートなど、ソーシャルメディア上でのアクション
- Search1:SNS検索。より詳しい内容を求めて、SNSで検索する
- Search2:Google/Yahoo!検索。さらに検索エンジンで情報を指名検索する
- Action:行動。商品の購入やサービスの契約などの行動をおこす
- Spread:拡散。商品やサービスを実際に使ってみた感想・評価をSNSで発信する。一番上のUGCサイクルに戻る、の繰り返し。
「RsEsPsモデル」とは
「RsEsPs(レップス)モデル」とは、同じくソーシャルメディアを活用した購買行動モデルです。一般社団法人日本プロモーショナル・マーケティング協会が提唱しています。
具体的には下記の行動になります。
■RsEsPs(レップス)モデル
認識(Recognition):検索(Search)・共有(Share)・拡散(Spread)
↓
体験(Experiense):検索(Search)・共有(Share)・拡散(Spread)
↓
購買(Purchase):検索(Search)・共有(Share)・拡散(Spread)
全ての戦略に言えることは、ソーシャルメディアが主軸として使用されていることです。
「いいね!」「シェア」「拡散」などの口コミがポイントとなり、ユーザーは行動を起こしていきます。商品やサービスを販売している企業はぜひ覚えておきましょう。
ソーシャルメディアの活用は企業のマスト業務に
企業においてソーシャルメディアは、認知度の向上だけでなく、マーケティングやブランディングにも活用できるサービスです。
特に10代〜30代のターゲットをメインとしたサービスや商品を展開している企業は、ソーシャルメディア発信を活用しなければマイナスイメージにもつながりかねません。
炎上リスクや、数年サイクルでの変化が激しいというデメリットもありますが、上手に利用すれば企業のイメージ向上に役立ちます。各ソーシャルメディアの特徴を理解し、活用していきましょう。
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