ChatGPTを利用して、プレスリリースの作成を行うことができることをご存知でしょうか。
本記事では、ChatGPTを使ったプレスリリースの作成方法や手順、注意点を解説していきます。具体例として新商品のプレスリリースが作成できるプロンプトを用意しましたのでぜひご利用ください。
目次
ChatGPTとは
「ChatGPT」とは、OpenAI社が開発したAIのチャットサービスです。
AI(人工知能)にチャット形式で命令を入れることにより、文章の作成が可能になります。
基本的なChatGPTの使い方として、質問を投げかけたり指示を出すと、答えが返ってきます。このChatGPTに行う命令を「プロンプト」と言います。
ChatGPTは無料で利用できますが、無料版の場合、基本的に2021年9月までの学習しかされていません。そのため最新情報ではない、間違った情報を生成する恐れがあります。生成された文章は、必ず情報の真偽を確認したほうが良いでしょう。
有料プラン「ChatGPT Plus」を選択すると、最新モデルの「ChatGPT-4」を使用することができます。情報の整合性が心配な方は、こちらの使用をおすすめします。
ChatGPTを使ってプレスリリースを作成してみよう
ChatGPTを上手く使用することにより、プレスリリースを作成することができます。
例えば「新商品のプレスリリースを作って」と命令することで、ChatGPTは新商品のプレスリリースを作成します。ところがこの命令だけでは、実際に使用できるプレスリリースにはなりません。必要な情報を十分に提供しなければ、使用可能なプレスリリースには到達しないのです。ChatGPTに明確な命令(プロンプト)を行うことにより、作成されるリリースの精度が大きく変わってきます。
プレスリリースの作成をChatGPTを使用して行うメリットは、次の3点が挙げられます。
「文章作成の手間を軽減できる」「プレスリリースのたたき台が容易に作成できる」「命令文を考えながら情報が整理できる」などです。
ChatGPT使いこなすことができると、日々の忙しい広報活動の手助けになってくれるでしょう。
ChatGPTでプレスリリースを作成するプロンプト
ChatGPTを使用して新商品のプレスリリースが作成できる命令文(プロンプト)をご用意しました。
「商品カテゴリ」「商品特徴」「会社情報」を変更するだけで、新商品のプレスリリースとしてほぼそのまま使用することができます。
また新商品以外のプレスリリース作成にも応用が可能ですので、ぜひご利用ください。作成時のポイントは以下の3つです。それぞれ説明していきます。
ポイント1:前提条件の入力
まずは前提条件を入力します。例えば下記のような文章になります。
あなたはクライアント企業のPRを担当するPRプランナーです。
新商品発表のプレスリリースのドラフトを1000文字程度で作成してください。
タイトルは50文字程度で3案作成してください。
冒頭に「あなたはPRプランナーです」と入力することで、精度の高いプレスリリースを作成してもらうことができます。さらにプレスリリース全体の文字数を1000文字程度にするように指示を出します。
続いて必要事項を指示していきます。
##タイトル
50文字以内で、3案作成してください。
##リード文
代表者名と、本社所在地を含め、タイトルの内容を改めて5W1Hで整理する。
##本文
タイトルとリード文を補足する。特徴を再度強調するが、その特徴によって「誰に」「どんなメリットをもたらすのか」という「意義」まで踏み込んで記載する。
##製品概要
上記までに記載した内容を改めて箇条書きで整理する。「初年度売上目標」は、特にメディアの経済部記者が欲する情報のため、開示可能ならば記載する。その数字からその製品の「市場性」も感じ取ることができるため。
#商品カテゴリ
英語学習教材
#商品特徴
どうぶつキャラクターを使用、映像コンテンツ、3歳以上
#会社情報
株式会社ABC
東京都千代田区千代田 貿易センタービル8F
#代表者名
山田太郎
「タイトル」は、50文字以内に指定します。またタイトルはプレスリリース全体に目を通してもらえるかどうかの重要ポイントになるため、複数案の作成を指示しましょう。最も良いと思った案を選び、修正指示を重ね練り直す方法もあります。メディア記者の目に留まるような、パッと見て理解できる簡潔なタイトルを目指しましょう。
さらに会社毎に定めている文章のルール等があれば、あわせて追記しておきましょう。
タイトルのつけ方について詳しく知りたい方は、以下の記事にて解説しています。ご参照ください。
「記事になりやすいプレスリリースのタイトルのつけ方は?」の記事を見る
ポイント2:構成要素の指定
正しいプレスリリースの形に出力できるように、「プレスリリースの構成要素」を指定します。
さらに今回は新商品発表のプレスリリースのため、開発背景も追加します。
#構成要素
・タイトル
・リード文
・開発背景
・本文
・会社概要
・問い合わせ先
##開発背景
「なぜ今その製品が必要なのか」を、データを添えて解説する。その製品を取り巻く環境や市場の解説も記載する。
プレスリリースの構成について、以下の記事に詳しくまとめてあります。あわせてご参照ください。
「プレスリリースの構成とは?基本構成と注意するポイントも合わせて解説!」の記事を見る
ポイント3:各要素の補足
プレスリリースらしい文章に近づけるため、構成要素の補足を行います。
開発背景や本文にある「なぜ今その製品が必要なのか」や「誰にどんなメリットをもたらすのか」は、自らプレスリリースを書く際にも注視する内容になります。そのため、自分で作成する際もこれらの項目を意識するようにしましょう。
#各要素の補足
##開発背景
「なぜ今その製品が必要なのか」を、データを添えて解説する。その製品を取り巻く環境や市場の解説も記載する。
##本文
タイトルとリード文を補足する。特徴を再度強調するが、その特徴によって「誰に」「どんなメリットをもたらすのか」という「意義」まで踏み込んで記載する。
このプロンプトを使用してChatGPTが作成したプレスリリースが以下になります。長くなるため「リード文」「開発背景」「本文」をご紹介します。
■ChatGPTが作成したプレスリリース
リード文
株式会社ABC(代表:山田太郎、所在地:東京都千代田区)は、どうぶつキャラクターを活用した革新的な英語学習教材「Magic English」を新たに発売します。この教材は、3歳以上の子供を対象に、楽しく英語を学べる映像コンテンツを提供します。
開発背景
近年の国際化の進展と共に、幼少期からの英語教育の重要性が高まっています。統計によると、英語を早期から学ぶことが語学習得の効率を大幅に高めることが示されています。また、エンターテインメント要素を取り入れた教育ツールの市場は年々拡大しており、当社はこのニーズに応えるため「Magic English」を開発しました。この教材は、どうぶつキャラクターとの親しみやすさと、映像を通じたインタラクティブな学習が可能です。
本文
「Magic English」は、どうぶつキャラクターたちが登場するストーリーを通じて、英語が自然と耳に残る設計となっています。キャラクターたちと一緒に歌ったり、ゲームをしたりすることで、楽しみながら英語の四技能(聞く、話す、読む、書く)が身につきます。この教材は特に、英語を初めて学ぶ幼児や小学生にとって、英語学習の初期段階でのモチベーション向上に大いに役立つでしょう。
提示のプロンプトで、このような文章が生成されました。この文章をたたき台にし修正を加えると、プレスリリースが完成となります。
ChatGPTを使ってプレスリリースを作成する手順
ChatGPTを使用してプレスリリースを作成するには、以下のように行います。それぞれ説明していきます。
1.ChatGPTに命令する前に発表する内容を整理する
まずはプレスリリースの内容を整理しておきます。どのような内容のプレスリリースを、どのような目的で作成するのか、概要や構成案を考えておくと後の作業をスムーズに行うことができます。
またプロンプトに会社情報は必須です。この段階で書き出し準備しておくのも良いでしょう。新商品のプレスリリースの場合、商品概要も必要になります。こちらも書き出しておきましょう。
2.ChatGPTでプレスリリースを作成
前章「ChatGPTでプレスリリースを作成するプロンプト」を参考に、プロンプトを入力します。
初めからChatGPTに長文を依頼すると、上手く仕上がらないこともあります。一気に仕上げようとせず、段階的に作成するイメージでプロンプトを書くと、後々修正もしやすくなります。
3.ChatGPTで出力されたものを修正する
ChatGPTから出力されたプレスリリースを確認し、修正を行います。
基本的に、ChatGPTの回答は完璧なものではありません。情報に齟齬が無いか、構成や文章は問題ないかなど、きちんと確認しましょう。間違いがあれば修正指示を出し、必要に応じて追加情報を提供するプロンプトを入力することにより、ChatGPTのプレスリリースはより完成に近づきます。
修正の命令を行って完成する状態まで近づいたら、自ら加筆修正し、プレスリリースを仕上げていきましょう。
余談ですが、担当者情報は修正時に命令を出す方法をとるとスムーズに進みます。担当者情報などは修正の段階で追記することをおすすめします。
ChatGPTでプレスリリースを作成する時の注意点
ChatGPTを使用してプレスリリースを作成する時に気を付けたい項目は、次の3点があります。
- 個人情報は入れない
- 機密性の高い情報には使わない
- 出力した内容は必ず確認し、根拠の裏付けを行う
まずは「個人情報は入れない」「機密性の高い情報には使わない」ようにしましょう。ChatGPTは外部サービスのため、セキュリティ上、何かあった際に自社で責任を負うことができません。情報漏洩や契約違反の危険性がないとは言えないので、自社及び他社の機密情報、個人情報などの訴訟リスクのある内容は入力しないようにしましょう。
また「出力した内容は必ず確認し、根拠の裏付けを行う」ことも大切です。
ChatGPTはあくまでチャットサービスであり、完璧な回答ではありません。場合によっては虚偽の内容が含まれていることもあります。必ず回答の整合性を確認し、根拠の裏付けを行うようにしましょう。
ChatGPTを活用してプレスリリース作成を時短しよう
ChatGPTを上手く利用することで、プレスリリースの作成にかける時間が短縮でき、リリースの作成がより容易になります。上手に利用し、日々のPR活動に役立てましょう。
プレスリリースの作成後、プレスリリースの配信を行う際には「プレスリリース配信サービス」がおすすめです。
プレスリリース配信サービスを利用すると、自社のプレスリリースを確実に、効率よくメディアに届けることができます。
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