アンケート調査を実施する際に専門の調査会社を利用すると、クオリティの高い調査結果を得ることができます。本記事ではインターネット調査を実施している調査会社を10社比較しました。また調査会社を選択するポイントやメリットを分かりやすく解説していきます。
アンケートの作成手法や、作成時に知っておきたいコツを以下の記事にまとめています。あわせてご参照ください。
「アンケートの作り方のコツは?NGな質問を解説」の記事を見る
目次
アンケート調査とは
アンケート調査は、目的に沿ってあらかじめ作成した質問を提示し、対象者に回答をもらうことでデータを集める調査手法です。調査対象の意見や行動を把握することを目的に行います。
アンケート調査には、面接調査、郵送調査、電話調査、インターネット調査など、さまざまな手法があります。最近ではほとんどのアンケート調査がインターネットを介してオンラインで実施されています。
アンケートで収集したデータは、マーケティングや広告・宣伝、広報など、様々な分野で活用されます。
例えば広報・PR分野の代表的な調査に「パブリシティ調査」(PR調査)があります。パブリシティ調査は、メディアに記事として取り上げてもらえるような情報やネタづくりのために行います。調査結果は「調査リリース」としてプレスリリースを配信します。
調査リリースの作成について、以下の記事内に詳しくまとめています。ご参照ください。
「調査リリースの書き方とは?事例もご紹介【テンプレート付き】」の記事を見る
オーダーメイド方式の調査会社とは?
アンケートをインターネット調査で実施するには、Googleフォームのような「セルフ型アンケート・ツール」を利用する方法と、インターネット調査を手掛ける調査会社に全て依頼する「オーダーメイド方式」があります。
「セルフ型アンケート・ツール」は、文字通り自分でWebフォーム作成ツールを使って調査票を作ることのできるツールです。あらかじめ用意されている回答形式を選んだり、テンプレートを活用したりして、誰でも簡単に画面上で調査票を作成することができます。調査票が完成したら、調査対象者リストにURLを送り、回答してもらいます。回答結果は自動的に集計されます。
一方「オーダーメイド方式」は、調査の企画段階からアンケート実施、集計・分析、報告書作成までの一貫作業をフルサポートできる体制を有する専門の調査会社に依頼する方法です。依頼する内容により費用もかかりますが、安心してプロに任せることができます。
最近では、オーダーメイド方式の調査会社が、セルフ型アンケート・ツールを開発し提供しています。また逆に、セルフ型アンケート・ツールを提供している会社が調査の専門家を有してオーダーメイドを請け負うケースも出てきました。
アンケート調査を専門のインターネット調査会社に依頼するメリット
インターネット調査を実施する専門の調査会社に依頼するメリットとして、「時間と手間の短縮」「多大で良質な調査モニターによるクオリティの高い調査が可能」「調査のプロのノウハウや知見が活用できる」という点が挙げられます。
アンケート調査には、調査の企画設計、アンケート票の作成、調査モニター募集・管理、アンケートの実施、データ集計、分析・報告書作成といった様々な工程が必要になります。自社で全て実施するには多大な労力と専門性が必要となり、困難です。しかし専門の調査会社に依頼すれば、これら全ての作業を一貫して提供してくれるため、アンケート調査に割く時間を省き、本来業務に傾注することができます。
専門のインターネット調査会社は、良質な調査モニター(パネル)を数多く抱えています。主要なインターネット調査会社では、数百万人規模の調査モニターが登録されています。一企業ではこの膨大な規模のパネルを集めることはできません。調査会社はパネルの維持にも力を入れ、年齢層や職業を問わず幅広く用意しています。
調査会社は調査が依頼されると、パネル登録者の中からその調査に最適な標本を抽出します。多様な生活者の意見を効率的に集めることができるため、調査のクオリティも高く、求めていた調査結果が得られます。
専門の調査会社では、調査の企画・設計からアンケート票の作成、実査管理、データ解析・分析など、それぞれのプロフェッショナルを抱えています。彼らに依頼すれば、プロのノウハウや知見を活用し、自社で実施する以上の成果を得ることができます。
アンケート調査会社を選ぶポイント
アンケート調査会社を選ぶポイントとして、以下の3点が挙げられます。それぞれ説明していきます。
どんな調査モニターを用意しているか
インターネット調査を請け負う調査会社では、事前に調査協力者を募集し登録した集団を用意しています。「調査モニター」「パネル」「アクセスパネル」などと呼ばれています。調査対象者となる標本(サンプル)は、この調査モニター(パネル)の中から抽出されます。
したがってインターネット調査の信頼性は、パネルの質と量によるところが大きく、調査結果の精度を左右することになります。
インターネット調査会社では、さまざまな方法で調査モニター(パネル)を集め、維持することに多大な労力と費用を費やしています。インターネット調査会社に依頼検討する場合、パネルの質と量が大きな選定基準の一つになります。
得意分野は何か
マーケティング調査が得意、官公庁などの住民意識調査や社会調査が得意、企業イメージ調査が得意、パブリシティ調査(PR調査)が得意など、調査会社によってそれぞれ特徴があります。またマーケティング調査の中でも、ファッション系が得意、流通系が得意、IT業界に強いなど、業種別に得意分野の傾向が表れることもあります。
アンケート調査を依頼する際には、自社の調査目的を踏まえながら、依頼先の得意分野やその分野での過去実績などを比較検討してみましょう。
信頼性があるかどうか
調査会社の信頼性もチェックしておきましょう。調査会社の信頼性は、例えば公式サイトの取引実績を比較することで可能です。取引実績が豊富であることや、長年にわたって同一企業との取引が継続しているような調査会社は信頼性が高いと考えて良いでしょう。
調査会社の信頼性は、調査モニターの質にも影響を与えます。調査モニターの質は、すなわち調査結果の質に結び付きます。よく検討して選定しましょう。
オーダーメイドでインターネット調査を行っている調査会社10選
オーダーメイド方式でインターネット調査を実施している調査会社10社をご紹介します。
インターネット調査会社には、2000年以降に創業したインターネット調査を専門に行う会社と、それ以前から行っていた市場調査等の実績を活かしてインターネット調査にも取り組み始めた会社があります。
マクロミルhttps://www.macromill.com/
国内インターネットリサーチ会社の草分け的存在。年間調査実績30,000件、取引社数4,000社を超える。東証プライムに上場。消費者購買履歴データQPRTMやMHSなど独自の購買データ・ライフスタイルデータを構築。
社名:株式会社マクロミル
設立:2000年1月
所在地:東京都港区港南2-16-1品川イーストワンタワー11F
従業員数:単体1,179人、連結2,155人
パネル数:国内3,600万人、グローバル90以上の国と地域1.3億人
クロス・マーケティング https://www.cross-m.co.jp/
2003年にインターネットリサーチに参入した調査会社。親会社のクロス・マーケティンググループは東証プライムに上場。年間10,000件以上の調査実績。民間からの受注のほか、産学官領域や海外リサーチへなど広範囲なリサーチに対応。世界10か国、20拠点以上で事業展開。
社名:株式会社クロス・マーケティング
設立:2003年4月
所在地:東京都新宿区3-20-2 東京オペラシティタワー24F
従業員数:1, 478名
パネル数:1,000万人超
GMOリサーチ https://gmo-research.ai/
インターネットインフラ事業を手掛けるGMOインターネットのグループ企業。東証グロースに上場。インターネット調査に特化したサービスを提供。国内累計取引企業700社以上、年間調査実績187,000件以上。
社名:GMOリサーチ株式会社
設立:2002年4月
所在地:東京都渋谷区桜丘町26-1セルリアンタワー11F
従業員数:187人
パネル数:国内2,500万人、世界130カ国の延べ4億人以上
楽天インサイト https://insight.rakuten.co.jp/
楽天グループの100%子会社。年間取引先約1,100社、学校法人・公的機関。官公庁年間取引先約250社。アクセスパネルは楽天会員から募集。楽天会員のユーザーIDと紐づけることで楽天経済圏内におけるユーザー行動をマーケティング視点から分析できる。
社名:楽天インサイト株式会社
設立:2000年2月
所在地:東京都世田谷区玉川1-14-1楽天クリムゾンハウス
従業員数:269名
パネル数:250万人
ネオマーケティング https://corp.neo-m.jp/
インターネット調査をはじめ定量調査・定性調査を問わず幅広い種類のリサーチを取り扱う。累計40,000以上のプロジェクト支援実績、3,000社以上の取引実績。東証スタンダードに上場。
社名:株式会社ネオマーケティング
設立:2000年10月
所在地:東京都渋谷区南平台町16-25 養命酒ビル11F
従業員数:165名
パネル数:国内2,889万人、世界150か国以上3億人以上
アスマーク https://www.asmarq.co.jp/
ISO(国際標準化機構)が発行したマーケットリサーチのサービスに関する国際規格ISO20252を2006年に取得。年間市場調査実績6,600 件以上、取引企業数:1,100社以上。東証スタンダードに上場。
社名:株式会社アスマーク
所在地:東京都渋谷区東1-32-12 渋谷プロパティータワー4F
設立:2001年12月
従業員数:295名
パネル数:提携パネル1,800万人以上(内:自社パネル100万人以上)
日本能率協会総合研究所(JMAR) https://www.jmar.co.jp/
一般社団法人日本能率協会(JMA)のシンクタンク部門。日本能率協会は高度成長期の製造業をコンサルティングによって支えてきたと言われている。民間企業だけでなく、官公庁や学術研究機関、医療・福祉関係のリサーチも多い。オフラインのモニター88,000名、26,000世帯。
社名:株式会社日本能率協会総合研究所
設立:1984年4月
所在地:東京都港区芝公園3-1-22日本能率協会ビル7F
従業員数:127名
パネル数:88,000人(オフラインモニター)
サーベイリサーチセンター https://www.surece.co.jp/
マーケティングリサーチの他、世論調査、都市計画分野に実績のある調査会社。専門統計調査士、専門社会調査士の資格者が100名近く在籍し、公共分野の調査プロジェクトにも多く関わっている。
社名:株式会社サーベイリサーチセンター
設立:1975年2月
所在地:東京都荒川区日暮里2-40-10
従業員数:334名 契約スタッフ497名
パネル数:220万人
日本リサーチセンター https://www.nrc.co.jp/index.html
産業界の国内大手企業が株主となりマーケティングの研究機関として設立された。政府の政策調査に多く参画し訪問調査に実績がある。独自の郵送調査パネルを組織するなど幅広い調査手法に対応。
社名:株式会社日本リサーチセンター
設立:1960年12月
所在地:東京都墨田区江東橋4-26-5東京トラフィック錦糸町ビル6F
従業員数:130名
パネル数:350万人(アクセスパネル)/7万人(郵送調査パネル)
インテージ https://www.intage.co.jp/
社会調査研究所として1960年に創業。創業当初から消費者パネルの組織化に取り組む。小売店パネルやPOSデータの活用など多数のマーケティングプラットフォームを構築。
社名:株式会社インテージ
設立:1960年
所在地:東京都千代田区神田練塀町3インテージ秋葉原ビル
従業員数:1,340名
パネル数:365万人
アンケートの目的に合致したインターネット調査会社を選ぼう
アンケート調査は、アンケート調査の目的に応じて最適な方法で実施することが大切です。調査目的に合致した方法で行わなければ、正しい結果を得ることができません。調査会社の選択も同じです。よく比較検討して、調査目的に沿った調査会社を選定するようにしましょう。
アンケート調査の実施方法、調査票の作り方やポイント、またインターネット調査のおすすめツールと依頼先について、以下の記事内でまとめています。ご参照ください。
「アンケートの作り方とは?質問のポイントと回収率アップの方法まで徹底解説」の記事を見る
また調査結果はアンケート調査を発表するプレスリリース「調査リリース」を配信して、メディアの記事化を狙いましょう。
調査リリースの作成について、以下の記事内に詳しくまとめています。ご参照ください。
「調査リリースの書き方とは?事例もご紹介【テンプレート付き】」の記事を見る