広報・PR担当者がAI検索時代にLLMOを気にすべき理由と課題

広報PR活動をする中で、「LLMOやAEOという言葉は聞くけれど、何から始めればいいかわからない」「AI検索時代の広報PRの役割が見えない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、LLMO/AEO専門メディア「AEOラボ」を運営する株式会社bonに、AI検索時代における広報PRの情報発信戦略について執筆いただきました。

はじめに

最近、「LLMO」「AEO」という言葉を、耳にする機会が増えていませんか?

これらは、生成AIの回答に自社の情報を取り上げてもらうための考え方を指します。マーケティング領域の話だろうと思われがちですが、AI検索が普及した今、広報・PR担当者はもちろん、会社のブランド認知や信頼向上につなげたい経営者、採用強化を目指す人事担当者など、どのような業界・職種の方にとっても関係のあるテーマになってきています。

例えば、広報・PR担当者にとっては、日常的に発信しているプレスリリースがLLMO対策の有効な手段になりえます。しかし、弊社が2026年1月に実施した調査(※)では、広報・PR担当者のうち約40%が「LLMOとプレスリリースの関係を詳しく知らない」と回答しました。

AI検索という新たな検索体験が生まれているのに、プレスリリースをどう活かせばいいかわからない。そのような方が半数近く存在するのが現状です。

本記事では、LLMO/AEOの基本的な考え方と、プレスリリースを活用して「AIに届く情報発信」を実現する方法を解説します。

この記事の要点

広報・PR担当者向け

  1. 広報・PR担当者がLLMOを気にすべき理由
    ①AIの回答に出ないと露出を逃す②1次情報が少ないと誤情報リスク③AIの回答で社名露出することが、認知・信頼の起点になる
  2. 取り組みを阻む「3つの壁」
    一次情報不足/第三者(アーンドメディア)からの露出不足/受け皿(オウンドメディア)の不足
  3. プレスリリースをAI対策の起点とした情報発信戦略
    「①一次情報 → ②第三者からの言及 → ③オウンドメディア」への流入をつなぐ考え方と、実例。根拠となるデータ

※忙しい方向けに要点を先にまとめています。事例や詳細は本文で根拠とともに解説します。

AI検索で「情報の届き方」が変わった

検索の使われ方が、少しずつ変わってきています。

総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、日本における個人の生成AI利用率は現在約27%。諸外国と比べるとまだ低い水準ですが、共同通信の報道によると、政府が策定を進めるAI基本計画案では、この利用率をまず5割に引き上げ、将来的に8割とする目標が掲げられています(※1)。

実際に、若年層ではすでにAI利用が浸透してきています。マイナビが2025年4月に実施した調査によると、26年卒学生のAI利用率は82.7%に達し、2年前と比較して2倍以上に増加しました(※2)。企業でも、野村総合研究所の調査で2025年のAI導入率が57.7%に上っています(※3)。

こうした変化の中で起きているのが、「AIの回答だけで満足し、Webサイトをクリックしない」、いわゆるゼロクリック検索という行動の増加です。これまでのように検索結果を見比べるのではなく、AIの回答を読んで終わる人が増えています。
これは広報にとっても無視できない変化です。

従来、広報の「露出」とは、メディアに掲載され、検索結果に表示されることでした。しかし今、生活者との接点は検索結果だけでなく、AIの回答にも広がっています。つまり、これからの広報活動では、「AIが回答を生成するときに自社に関する情報が参照され、AIの回答を通してユーザーに情報を届ける」という点を新たに意識する必要性が高まっているのです。

LLMO / AEO とは?

ここで、本記事に出てくる用語を簡単に整理しておきます。LLMO、AEOといった用語が出てきますが、どちらも本質的には「AIに自社の情報を届ける」という同じ目的を持っています。

LLMO(Large Language Model Optimization:大規模言語モデル最適化)

ChatGPTやGeminiなどの生成AIに、自社の情報を正しく理解・参照してもらうための情報設計のこと。

AEO(Answer Engine Optimization:回答エンジン最適化) 

AIの回答に自社の情報が選ばれやすくするための工夫のこと。LLMOとほぼ同じ意味で使われることが多いです。

本記事では、以降「LLMO」で統一します。

広報・PR担当者がLLMOを気にすべき3つの理由

では、なぜ広報・PR担当者がLLMOを意識する必要があるのでしょうか。理由は大きく3つあります。

理由①:AIの回答に自社情報が表示されないと、露出の機会を逃す

前述したとおり、AIの回答だけで満足してWebサイトをクリックしない人が増えています。つまり、AIの回答に自社情報が出てこなければ、検索結果に表示されていても見てもらえない可能性が高まっているということです。もし競合がLLMOに注力していた場合、AIの回答には競合の情報ばかりが表示され、自社は生活者の目に触れる機会すら得られないという状況も起こりえます。自社情報が「メディアに掲載された」だけで安心するのではなく、その先の「AIの回答に届いているか」まで意識する必要が出てきています。

理由②:自社情報の発信が少ないと、AIが誤った回答をする可能性が高くなる

自社が独自性のある信頼性の高い情報を発信していなければ、AIは別の情報を参照せざるを得ません。その結果、口コミや競合の情報など、限りなく近い情報を「それらしい回答」として取り上げてしまう可能性があります。場合によっては、誤った情報や古い情報がAIの回答として表示されてしまうリスクもあります。

正確な情報を生活者に届けるためにも、自社から信頼性の高い情報を発信しておくことが重要です。

理由③:AIの回答に社名・製品名が出ること自体が、認知と信頼の起点になる

「AIの回答に自社名が出たところで、本当に意味があるのか?」と思う方もいるかもしれません。この点について、弊社が2025年12月に実施した建材メーカーの認知度に関する調査結果(※)をご紹介します。

「AIの回答に製品名・メーカー名が出てきた場合、どのような印象を持つか」を聞いたところ、半数以上が前向きな印象を持っていました。特に注目したいのは、「根拠を確認したくなる」という層が約24%いることです。

この層は、AIの回答をきっかけに「本当にそうなのか?」「もっと詳しく知りたい」と、自ら情報を探しに行く人たちです。つまり、AIの回答はゴールではなく、興味を持った人が次のアクションを起こす「入口」になっているのです。

では、その人たちが確認したい「根拠」とは何でしょうか。たとえば、公式サイトの製品情報、導入実績、調査データ、第三者メディアでの紹介記事などが挙げられます。こうした情報が整っていれば、AIの回答で興味を持った人を自社の情報へと導くことができます。

そして、この「根拠となる情報」を効率的に整え、発信する手段の一つがプレスリリースです。プレスリリースは企業の公式発表として信頼性が高く、配信を通じてメディア掲載にもつながりやすいため、根拠を「作る」と「届ける」を同時に行える手段と言えます。

次章では、こうした情報発信に取り組む際に広報が直面しやすい課題を整理したうえで、プレスリリースの具体的な活用法を解説していきます。

広報が直面する「3つの壁」

LLMOの重要性は理解できても、いざ取り組もうとすると、いくつかの壁に直面することがあります。ここでは、広報・PR担当者が陥りやすい3つの課題を整理します。

壁①:一次情報が少ない

一次情報とは、自社独自の信頼性の高い情報であり、「AIの回答の根拠となる情報」のことです。たとえば、調査データ、導入実績、顧客の声、製品仕様、公式見解などが該当します。

この一次情報が少ない、あるいは整理されていない状態だと、AIにも記者にも「参照する価値がある情報」として認識されにくくなります。「伝えたいことはあるのに、根拠として出せる材料がない」、これは多くの広報担当者が抱える課題ではないでしょうか。

壁②:第三者からの露出(アーンドメディア)が増えない

アーンドメディアとは、自社ではなく第三者が発信する情報のことです。ニュースメディアへの掲載、SNSでの言及、口コミなどがこれにあたります。

AIは「複数の情報源で言及されているかどうか」を、参照の判断材料にしていると考えられています。自社サイトだけで発信していても、他に言及がなければAIに「信頼できる情報」として認識されにくいのです。つまり、AIに参照されるためには、第三者からの露出を増やすことが重要になります。しかし、広報担当者の多くが「メディアに取り上げてもらえない」「SNSで話題にならない」という課題を抱えているのが現状です。

壁③:受け皿(オウンドメディア)が充実していない

オウンドメディアとは、自社サイトやブログなど、自社が所有・運営するメディアのことです。

AIの回答を見て興味を持った人の中には、「もっと詳しく知りたい」「根拠を確認したい」と考える人が一定数います。しかし、その確認先となる受け皿がなければ、せっかくの関心を問い合わせにつなげられずに離脱につながってしまいます。AIの回答で興味を持った人を受け止める場所を用意しておくことも、広報の役割として重要になってきています。

これら3つの壁は、それぞれ独立した問題ではなく、つながっています。一次情報がなければ第三者に取り上げられにくく、第三者からの露出や言及がなければAIに認識されにくく、オウンドメディアがなければ興味を持った人を受け止められません。

次章では、この課題を解決するための考え方と、具体的な手段としてのプレスリリースの活用法を解説します。

プレスリリースを活用した情報発信戦略

それでは、3つの壁を突破するには、どうすればよいのでしょうか。ポイントは、単発の施策ではなく「導線」を意識することです。

基本の考え方

LLMOに強い広報体制を作るには、以下の導線を意識することが重要です。

① 一次情報を整える 

調査データ、実績数値、FAQ、公式見解など、「根拠として出せる情報」を揃えます。

② プレスリリースで発信する 

整理した一次情報を、企業の公式発表として届けます。

③ 第三者からの言及を増やす 

メディア掲載や転載を通じて、自社以外の場所での言及を増やします。 AIは複数の情報源で言及されている情報を信頼性の高い情報と認識し、参照しやすい傾向があります。

④ オウンドメディアで受け止める

 AIの回答を見て「根拠を確認したい」と思った人の受け皿を用意し、情報を資産として蓄積します。

この導線がうまくつながると、AIに参照されやすい情報基盤が整い、興味を持った人を自社サイトへ導くことができます。

なぜプレスリリースが有効なのか

この導線をつなぐ起点として有効なのが、プレスリリースです。プレスリリースには、以下の特性があります。

一次情報を公式に発信できる

調査結果や新サービスの情報などを、信頼性の高い企業の公式発表として届けられる

第三者メディアへの掲載につながる

配信先メディアでの掲載・転載を通じて、第三者からの言及を増やせる可能性がある

オウンドメディアの資産になる

掲載実績を自社サイトにまとめることで、継続的な情報資産として活用できる

つまり、プレスリリースは「一次情報 → 第三者からの言及 → オウンドメディア」の導線を一度に動かせる手段なのです。

プレスリリースを配信した実例

実際に、弊社がプレスリリース配信の効果を検証した背景と結果をご紹介します。

検証の背景

 弊社は「AEOラボ」というLLMO/AEO専門メディアを運営しています。AEOの知見を蓄積するため、AEOラボ自体も実験・検証の対象として運営しており、今回「プレスリリース配信がAIの回答にどう影響するか」を検証しました。

配信前の時点では、AIの回答にbonは出てきていない状態でした。この「メンションされていない状態」を起点として、プレスリリース配信後の変化を観測しました。

検証内容 

PRワイヤーを通じてプレスリリースを配信。ただし、単にリリースを出したわけではありません。AEOラボで発信してきた調査結果や検証データをリリース内容に含め、「AEOの知見がある」という主張に根拠を持たせました。

結果

  • 配信後、ニュースサイト等に55件の転載を確認
  • 配信翌日から、Google系AI(AI Overviews / Gemini / AIモード)で変化が現れた
  • 単に社名が出るようになっただけでなく、「AEOに特化した調査・分析・戦略提案を行っている会社」という文脈で紹介された
  • これまで一度も引用されていなかったオウンドメディア(AEOラボ)のページが、AIの回答の根拠として引用されるようになった

この結果から見えてくるのは、第三者からの言及が増えたことで、AIが信頼性の高い情報だと認識し、「この会社の公式サイトも確認しよう」と判断された可能性です。まさに「一次情報 → 第三者からの言及 → オウンド」の導線が機能した例と言えます。

予算のハードルは高くない

「LLMO対策には高額な予算が必要なのでは?」と思う方もいるかもしれません。

弊社の調査では、LLMO/AIO/AEO対策に満足している人の予算帯は「100万円以上〜5,000万円未満」が約7割を占めていました。

出典:共同通信PRwire「AI検索時代のLLMO/AIO/AEO対策実態:成果に『満足』は約6割、一方で24.3%は『対策を知らない』」(https://kyodonewsprwire.jp/release/202512030267)※画像は同記事より引用

この金額には、Webサイト改修やコンテンツ制作など複合的な施策が含まれていると考えられます。LLMO対策を本格的に進めるには、それなりの投資が必要になるのが実情です。

一方、プレスリリース配信は数万円から始められるため、まずは小さく試してみる手段として、取り組みやすい選択肢と言えます。

配信サービス選びのポイント

プレスリリースでLLMO効果を狙う場合、配信サービスの選び方も重要です。意識したいのは、「第三者からの言及を増やしやすい仕組みがあるかどうか」という点です。配信先の数だけでなく、メディアへの記事化・転載につながりやすいかどうかを確認しておくとよいでしょう。

今回、弊社ではPRワイヤーを利用しました。PRワイヤーは業界No.1の記事化率70%(※)の配信サービスであり、配信後、短期間で複数メディアへの転載を確認できました。また、結果として、AIからの言及にもつながっています。

「AI検索時代に広報の露出導線を増やしたい」「まずはプレスリリースから始めてみたい」という方は、こうした観点で配信サービスを検討してみることをおすすめします。

LLMOは広報の「届け方」を再設計すること

AI検索の普及により、広報の役割は「メディアに届ける」から「AIにも届ける」へと広がりつつあります。これまで広報の成果は、メディア掲載や検索順位で測られてきました。しかし今、生活者がAIの回答を見て行動を起こす時代になりつつあります。広報が届けた情報がAIに参照され、そこから興味を持った人が自社サイトを訪れるという、新しい導線が生まれています。

本記事でお伝えしたかったのは、この変化に対応するきっかけとして、特別な予算や難しい専門知識が必要なわけではない、ということです。一次情報を整理し、プレスリリースとして発信し、オウンドメディアで受け止める。この導線を意識するだけで、AIに参照されやすい情報基盤を作ることができます。そして、プレスリリースは数万円から始められる、最も取り組みやすい第一歩です。

AI検索時代におけるLLMOは、広報の「届け方」そのものを見直すことが大切です。まずはプレスリリースを活用して、AIに届けることを意識してみてはいかがでしょうか。

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この記事の筆者

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