エンバーゴとは
エンバーゴ(embargo)とは、報道関係者に対して「指定された日時までは発表内容を公表してはいけない」とする取り決めのことです。英語の embargo は「制限」や「禁止」を意味し、日本語では「報道解禁」や「情報解禁日」とも呼ばれます。企業や官公庁の発表、新商品の発売、決算情報など、複数のメディアが同時に報道する必要がある場面でよく使われます。広報担当者がプレスリリースに「報道解禁:○月○日○時」と記載し、各メディアに伝えるのが一般的な運用です。
エンバーゴの目的は、報道の公平性と正確性を保つことです。メディアごとに発表時刻がずれると、誤報や混乱が生じる恐れがあります。エンバーゴには、あらかじめ解禁時刻を統一することで、すべての報道機関が同時に正しい情報を発信できるようにする役割があります。
エンバーゴのメリット
エンバーゴは、メディアにとっても企業にとってもメリットがあります。記者は事前に内容を確認し、取材や記事作成の準備を整えることができるため、より正確で質の高い報道が可能になります。一方で、企業側にとっては、複数のメディアで同時に取り上げられることで発表の影響力を高めることができます。つまり、エンバーゴは「情報を遅らせるためのルール」ではなく、公平で信頼性のある報道を実現するための仕組みなのです。
エンバーゴの注意点とリスク
エンバーゴは、メディアとの信頼関係の上に成り立つルールです。もし解禁前に内容が外部へ漏れてしまうと、企業・メディア双方の信頼を損ねる重大なトラブルになりかねません。また、日時の誤表記や曖昧な伝え方も誤解を招く原因になります。そのため、プレスリリースやメールには必ず「報道解禁:○月○日○時」など明確に表記しましょう。海外案件の場合は、時差(JST/UTC)を添えて記載すると安心です。細かな配慮の積み重ねが、報道担当者からの信頼を高めることにつながります。
関連用語・知識
情報解禁日(報道解禁日)
企業や団体が正式に情報を公表する日時のこと。多くのプレスリリースや報道発表資料は、この解禁日に合わせて公開されます。報道機関では「黒板協定」という取り決めに基づき、指定時刻までは報道を控える習慣があります。
リフト(Lift)/報道解禁
エンバーゴが解除されることを指し、日本では「リフト日」や「解禁日」と呼ばれます。リリースや案内文に「報道解禁○月○日○時」と明記されるのが一般的です。
記者クラブでの資料配布
官公庁や企業の新製品発表では、記者クラブを通じてエンバーゴ付きの資料が事前に配布されることがあります。メディア各社が同一タイミングで報じることで、公平性が保たれます。
プレスリリース配信のスケジュール管理
広報担当者は、報道解禁日時に合わせて原稿や素材を準備し、発表のタイミングを調整します。共同通信PRワイヤーでも、報道解禁のタイミングに合わせた配信スケジュール管理を支援しており、全国のメディアに正確で公平な発表が行えるようサポートしています。
広報担当者が押さえておくべきポイント
エンバーゴを正しく運用するには、いくつかの基本を押さえておくことが大切です。
- 社内外(上司・代理店・メディア)で同一の日時を共有する
- すべての資料・メールに解禁日時を明記する
- 特定のメディアにだけ早く情報を渡さない
- 発表スケジュールをツールやカレンダーで管理する
こうしたルールを守ることで、発表の混乱を防ぎ、メディアとの信頼関係を築けます。
信頼される広報は、正確な情報管理から
エンバーゴは、報道の公平性と信頼性を守るための大切なルールです。広報担当者にとっては、単なる形式ではなく、「メディアと信頼を築く姿勢」そのものといえます。正確な情報管理と発表体制を整えたい方は、下記の資料をご覧ください。共同通信グループのネットワークを活かし、報道現場のルールに沿った発信をサポートしています。
