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アーンドメディア

アーンドメディアとは

アーンドメディア(Earned Media)とは、生活者や報道機関など、企業と直接の利害関係がない第三者が発信するメディアのことです。

企業と情報発信者のあいだで広告料などの金銭のやり取りがないため、「お金を払って載せた情報」ではなく、評価や信頼を“得て(Earn)”生まれた情報として受け取られやすい特徴があります。

代表的なものは、次のようなメディアや場です。

  • 全国紙・地方紙・業界紙などの新聞
  • 一般誌・専門誌などの雑誌
  • テレビ・ラジオのニュース・情報番組
  • 総合ニュースサイトやポータルに掲載される記事
  • 業界特化型のオンラインメディア・専門ニュースサイト
  • 個人のSNS投稿や口コミサイトのレビュー
  • インフルエンサーによる自発的な紹介投稿

このうち、新聞・テレビ・業界紙・ニュースサイトといった報道機関による記事・特集は、企業の信頼性や実績を示す材料として、広報の現場で特に重視されます。

一方で、SNSや口コミは、生活者の率直な声が集まりやすく、評価の広がりや反応を把握するうえで重要です。広告とは異なる角度から企業像が形づくられるため、どちらもアーンドメディアの一種として意識しておくことが大切です。

トリプルメディア・PESOモデルとの関係

アーンドメディアは、広報・マーケティングでよく使われるトリプルメディア(POEMモデル)やPESOモデルの中でも重要な要素です。

トリプルメディア(POEMモデル)

トリプルメディアでは、企業と生活者が接触するメディアを次の3つに分けます。

  • Paid: 企業がお金を払って掲載する広告メディア
  • Owned: 自社サイト、オウンドメディア、会員誌など自社が管理するメディア
  • Earned: 報道や口コミなど第三者による自発的な発信、ソーシャルメディア

この考え方では、マスメディアだけでなく、SNSやレビューサイトなどのソーシャルメディアもアーンドメディアに含まれます。

PESOモデル

PESOモデルでは、メディアを次の4つに分けて整理します。

  • Paid: 企業がお金を払って掲載する広告メディア
  • Earned: 報道や口コミなど、第三者による自発的な発信
  • Shared: XやInstagramなどSNS上のシェア・コメント・拡散
  • Owned: 自社サイト、オウンドメディア、会員誌など自社が管理するメディア

ここでは、SNSでのシェアやクチコミは「Shared(共有されたメディア)」として切り分けられ、アーンドメディアは主に、マスメディアやWebメディアを通じたパブリシティや第三者による紹介を指すことが多くなります。

どちらのモデルでも、アーンドメディアは第三者の視点で語られる情報であり、信頼やブランドイメージに影響を与える存在だ、という点は共通しています。

アーンドメディアに取り上げられるためのポイント

アーンドメディアは「運よく取り上げられるもの」というイメージを持たれがちですが、広報の設計次第で増やしていくことも可能です。主なポイントは次の3つです。

1. ニュース価値のある一次情報を用意する

アーンドメディアの起点となるのは、企業が発信する一次情報(プレスリリースや発表資料)です。新商品・サービスだけでなく、調査結果、業務提携、地域との取り組み、サステナビリティへの対応など、「誰にとって、どんな意味があるニュースなのか」を意識して企画・構成することが重要です。

2. 記者・編集部・インフルエンサーに届くルートを整える

内容がよくても、記者や編集部に届かなければ記事化はされません。自社でメディアリストを管理する方法もありますが、実務では、配信サービスや記者向けサイトなど複数のルートを組み合わせるケースが多くあります。共同通信PRワイヤーのようなプレスリリース配信サービスを活用すると、新聞社や通信社、業界紙、Webメディアなど、報道の現場に情報を届けるための基盤を整えやすくなります。

3. 掲載後はオウンド・シェアードと連動させる

記事や番組で取り上げられた後は、下記のような二次活用を行うことで、オウンドメディアやシェアードメディアと連動した導線を作れます。

  • 自社サイトの「メディア掲載情報」ページに一覧化する
  • SNSやメールマガジンで紹介する

効果測定とAI検索時代のアーンドメディア

アーンドメディアによる露出効果を振り返るときは、「掲載件数」だけで判断せず、次のような観点もあわせて見ると全体像がつかみやすくなります。

  • 掲載された媒体の種類(全国紙/地方紙/業界紙/Webメディア など)
  • 想定される読者層・エリア・部数やPV
  • 掲載前後の指名検索数や自社サイトへの流入の変化
  • 資料請求・問い合わせ・採用応募などの増減

どの媒体で、どんな文脈で取り上げられたのかを整理すると、「自社のどんな情報が第三者から評価されやすいのか」を学ぶ材料にもなります。

近年は、検索エンジンや生成AIが回答を作成する際に、ニュースメディアやレビューサイト、SNS投稿などのアーンドメディアを参照していると指摘されています。生成AIとアーンドメディアの関係については、下記の記事をご覧ください。

関連記事:生成AIの回答はアーンドメディアを引用!?アーンドメディアに強い、プレスリリース配信サービスとは? 

このような背景もあり、正確な一次情報と、信頼できるアーンドメディアでの露出をそろえておくことは、人だけでなくAIからの評価という観点でも、今後ますます重要になっていくと考えられます。

アーンドメディア戦略の次の一歩

ここまで見てきたように、アーンドメディアは、第三者による発信(報道・クチコミなど)を通じて、信頼やブランドイメージを積み上げていくメディアです。一方で、「ニュース性のある一次情報を用意すること」と「記者や編集部にきちんと届けること」が揃わないと、成果につながりにくい側面もあります。

こうした課題に対しては、新聞社・通信社・業界紙・Webメディアなどへの配信ネットワークや、広報・PRの実務に沿った機能を備えたプレスリリース配信サービスを活用することで、アーンドメディアを狙って獲得していくための土台づくりがしやすくなります。アーンドメディアを中長期で積み上げていきたいと感じたら、まずは 共同通信PRワイヤーのサービス案内資料で、配信先や機能、活用事例、運用の流れを確認してみてください。
戦略的に自社のニュースを設計し、どのメディアに届けていくかを考えるための、次の一歩としてご活用いただけます。

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