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KPI重視の広報提案にワイヤーサービスは不可欠、ユニークなアイディアで地方の魅力を形に【ウエストプラン様】

2022-07-05

株式会社ウエストプラン 企画推進室長・エグゼクティブプロデューサー 嶋田 武司 様

ライターを核とした編集プロダクションとして大阪を拠点に業務展開するウエストプラン。
各種メディアの記事や広報誌作成、ウェブサイト制作などを手掛けるほか、全国各地の自治体や企業にPR企画を提案している。今回、お話をうかがった企画推進室長・エグゼクティブプロデューサーの嶋田武司様は、前職の広告代理店時代から積極的にPRワイヤー活用を提案してきたそう。プレスリリース発表までの広報戦略について代理店視点でうかがいました。

クライアント案件がYahoo!ニュースに掲載
情報発信の起点にワイヤーサービスを活用

―ウエストプランはどのような会社ですか?

嶋田 業務の中心は編集プロダクションです。編集や取材の依頼をマスコミから受けることもありますし、コロナ禍で関西に来られない東京の出版社の取材を委託されることもあります。私は、関東の広告代理店からUターンで在籍しています。編集には関わらず、主に地方自治体のPR、プロモーション、広報、イベント、動画制作の仕事をしています。プランナー兼プロデューサー兼ディレクターという立場ですね。

ウエストプランが企画制作した阪神間北部のガイド誌「おでかげグルメガイド」の表紙画像
ウエストプランが企画制作した阪神間北部のガイド誌。女性ライター中心の編集プロダクションで生活文化・グルメ・観光・エンタメが得意分野。丁寧なリサーチとコンテンツ制作に定評がある。

-広報・広告業界の変化は感じていますか?

嶋田 昨年2021年の日本の広告費を見ると、「旧4マス」と言われる新聞、雑誌、テレビ、ラジオの総広告費の合計をインターネット広告費が抜きました。広告業界自体が、大きな体質転換を迫られています。そういう状況の中で、PRの業務をどうしていくか。その手足となるツールとして、プレスリリース配信が有効活用できていると感じています。別のリリース配信サービスも使ったことがありますが、あるきっかけで共同通信PRワイヤーに乗り換えたのです。

―そのきっかけについて、教えてください。

嶋田 前職の広告代理店時代に、東京で某自治体の農産物のイベントを大々的に開催したのですが、広報・プレスリリースについては自治体が投げ込みで行うということで、私たちは販売や宣伝などの運営をしていました。イベント当日、ウェブメディアのライターの方が取材されていたことには気付いていたのですが、翌日、イベントの記事がYahoo!ニュースに載りました。自治体の広報ご担当者に聞いてみたところ、「あの記事は、共同通信PRワイヤーから配信したプレスリリースをライターの方が見て書いたもので、Yahoo!ニュースに転載されたのです」とおっしゃるので、そんなことがあるのかとびっくりしました。そこで、すぐに共同通信PRワイヤーについて調べて契約しました。

―ウエストプランに在籍後のクライアントの反響はいかがでしょうか。

嶋田 ウエストプランのクライアント案件でも、なぜこんなに多くメディア掲載されたのかと驚いたケースがありました。コロナ禍で、アジアン・ポップス・フェスティバルというイベントがオンライン開催になったというニュースを、神戸にある韓国の慶尚北道観光事務所から聞いてリリース配信したところ、ウェブメディアだけでも記事化とリリース原文転載を含めて100件近い露出がありました。PRワイヤーの広告換算だと3240万円ぐらいになります。慶尚北道観光事務所にレポートを送ると、韓国人のご担当者も「こんな情報発信ツールがあるんですか。韓国にはありません」と驚かれていらっしゃいました。

-共同通信社が運営する「OVO」という情報サイトにも記事掲載され、その記事が転載されたそうですね。

嶋田 はい。その記事をきっかけに、「Kstyle」などの韓国系のニュースサイトも取り上げられましたし、SNSでも広くシェアされました。

リリースタイトルは50文字のキャッチフレーズ
成功するPRはネタづくりから始まる

―プレスリリースは、クライアントとウエストプランのどちらで作成されているんですか?

嶋田 ほとんど私たちがやっています。ウエストプランはライター集団ですから、ライターが書いて僕がリライトしています。

―プレスリリース作成で気を付けていることはありますか?

嶋田 トップの見出しとトップの写真ですね。印象の強い写真を1枚目にして「大サイズ」で表示されるよう入稿します。文章も冒頭の印象が強くなるよう、見出しが50字だとするとPRワイヤーのサイト画面では2行になるので、その1行目をいかにキャッチ―にするかにこだわっています。プレスリリース原文が転載されることも考えると広告のコピーライティングに近く、リリースタイトルも「50字のキャッチフレーズ」だと思っています。

―共同通信PRワイヤーのメリットを、どういうところに感じられますか?

嶋田 母体の共同通信社のネットワークで、北海道から沖縄まで新聞社など信頼性の高いメディアに掲載される確率が高いということが第一だと思います。PRワイヤーの提携するウェブサイトに転載されると広告換算値も1000万円を超えてきます。近年ますますクライアントご担当者が数値や金額で結果を求めてきたり、仕様書に記載されたりする傾向があるので、KPIとしてクライアントに報告するうえで、そうした数値の意味は大きいです。

―KPI重視の傾向が強まっていることについては、どうお考えですか?

嶋田 プレスリリースを発表し、無料でパブリシティにつなげたい、高額な広告換算値を獲得したいという願望は、クライアントの皆様にもちろんあります。ただし、本来PRというのはパブリシティ獲得だけではなくて、自らがネタを作れるか、全国ニュースに匹敵する情報か、そこがポイントだと思うのです。どこでもやっているようなことを発表しても話題になりません。「ニュースのネタを作る企業活動をされた方がいいですよ」とご提案しています。話題づくりをすること自体が、PRだということです。

ワイヤーサービスからの発信をゴールに
地方の魅力をユニークなアイディアで伝えたい

―今後やっていきたいと考えていることはありますか?

嶋田 市町村レベルの広報ご担当者の「広報の基本スタンス改善」です。PRとは、「無料で記事に取り上げてもらうこと」と捉えているご担当者が9割以上だと感じています。自治体ご担当者から「メディアの記者に取り上げられるようにプレスリリース作成をスキルアップしたいと」というご相談もいただきますが、書くスキルだけでは不十分ではないかとお答えしています。

―自治体広報には、どのような視点や姿勢が必要だとお感じでしょうか?

嶋田 プレスリリース作成には、広報ご担当者自ら地域や役所内を取材して、独自性があるネタを吟味し、取捨選択することが不可欠です。独自性があるネタだと感じたら、自身で責任をもってリリースを作成し、お問い合わせ先と担当者氏名を記載して発信することが重要です。私たちの役割は、そうした情報を託していただきブラッシュアップすることですし、記者が取り上げたくなる「ネタづくり」こそご提案したい部分です。自治体広報には、メディアという公器に相応しい情報づくりをしているか、ひいては「社会にPR価値のある政策そのものを立案する能力」が求められているのではないかと考えています。

-自治体主催のイベントも企画されるのですか?

嶋田 都市部から観光に来てほしい、モノを買ってほしい、移住してほしい、人口減少改善のためUターンしてほしいという、地方自治体のニーズは全国共通です。そうしたテーマのイベントやプロモーションを多く手掛けています。コロナ禍で観光の性質も変わり、同じコースで同じ料理を味わう一泊二日コースといった従来の手法が通用しなくなってきました。アフター・コロナの観光は、地域のファンづくり、リピーター形成に舵を切らないといけないでしょう。観光は、旅行の一部分です。生活者は、ちょっと非日常な「たび」を求めていると感じます。

―物産展が盛んなのも、そうした理由があるのでしょうか。

嶋田 ウイズ・コロナで伸びたことの一つに、ECサイトでの取り寄せが挙げられます。4割程度の方が、まだ旅行を自粛すると言っているので、地域のプロモーションを進めるには、魅力的なネタづくりが必要だと思っています。プレスリリースのタイトルも発表した時に目を引くものにしようと考えています。

―プレスリリース発表を見据えて、逆算して企画するんですね。

嶋田 そうです。作ったものを配信するという「プロダクトアウト」ではなくて、共同通信PRワイヤーでリリースを配信するということを念頭に置いた上、イベント名称やコンセプトを提案しています。「マーケットイン」型の広報ですね。

―今後、PRワイヤーに期待したいことは何ですか?

嶋田 最近、オプションでTwitter広告配信サービスをローンチされたので、さっそく提案企画に盛り込みました。要するに、求められることは「拡散」をブーストするということです。今、ユーチューバーやインスタグラマーの方々が話題ですが、そうした方々は自身がいかに拡散力があるかということを全て数字で示してきます。「再生回数」はおカネで買えますし、すぐに200万回くらい再生されますが、その動画を見た方が、必ずしも物品購入や観光地訪問という具体的な行動を起こす訳ではありません。だからこそ、行動につながるような方法やサービスが求められています。一般生活者の行動をブーストできる、何か新しいサービスがあれば、ぜひ開発していただければと思います。

Webサイトhttps://west-plan.com/

「メディアに取り上げられたい」というお客様のためのプレスリリース配信サービスです。