
総務省統計局が9月4日に公表した家計調査(家計収支編)によると、7月の二人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり30万1,245円で、前年同月比実質3.6%減った。実質での減少は8か月続いている。
消費者物価指数の2025年基準改定に伴い、2026年1〜6月分の実質増減率は遡及改定されている。8か月という数え方も、改定後の値による。

減少幅3.6%のうち2.3ポイントは3項目
二人以上の世帯の費目・品目別に、物価の影響を除いた実質でみる。
押し下げが大きいのは自動車等購入で、1世帯当たり8,363円、26.5%減、消費支出の実質増減率への寄与度はマイナス0.97ポイント。
外壁工事などの設備修繕・維持が9,623円、22.8%減、マイナス0.89ポイント。
電気代が9,591円、12.0%減、マイナス0.43ポイントで続く。
3項目の寄与度を合計するとマイナス2.29ポイントで、消費支出全体の実質3.6%減のうち2.3ポイント分にあたる。一方で、増えた支出もある。

出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」2026年7月分 作図:汐塾
住居・自動車等購入などを除いても実質1.4%減
住居、自動車等購入、贈与金、仕送り金を除いた「消費支出(除く住居等)」は1世帯当たり26万7,790円で、名目では0.8%増えたが、実質では1.4%減った。増えた項目もあり、宿泊料は実質24.5%増、外食は5.9%増、洗濯機やエアコンを含む家庭用耐久財は5.9%増。食料は9万5,681円で、名目2.2%増、実質1.3%減だった。
勤労者世帯の実収入は実質3.8%減
二人以上の世帯のうち勤労者世帯の実収入は1世帯当たり68万9,476円で、名目1.7%減、実質3.8%減だった。実質の値は、持家の帰属家賃を除く総合の消費者物価指数で物価の影響を除いたもので、総合の指数で計算すると3.5%減になる。
ネット利用世帯は55.6%、利用世帯の支出は5万74円
あわせて9月4日に公表された家計消費状況調査では、二人以上の世帯のうちネットショッピングを利用した世帯の割合は55.6%で、前年同月の58.0%から2.4ポイント下がった。利用した1世帯当たりの支出額は5万74円で、前年同月の4万8,383円から名目で3.5%増えた。
深読み — 消費が減った分は、貯蓄に回ったのでしょうか。同じ調査の勤労者世帯でみると、手取りにあたる可処分所得は1世帯当たり55万4,381円で名目1.0%減、消費支出は32万2,866円で名目4.7%減でした。消費の減り方のほうが大きいので、手取りに対する消費の割合(平均消費性向)は58.2%と、前年同月の60.5%から2.3ポイント下がっています。使わずに残る割合は増えました。ただし、その手取り自体が実質では3.1%減っています。預貯金への預け入れ(53万6,154円)も引き出し(32万2,297円)も前年同月より少なくなりました(いずれも名目)。割合としては残っていても、もとになる手取りは減っている構図です。
出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」(月次結果ページ、2026年9月4日)、総務省統計局「家計消費状況調査」(調査トップページ、2026年9月4日)

