プレスリリースをメールで送るときはどのように送付すれば良いのでしょうか。この記事では、具体的な送り方や注意点を解説していきます。
目次
プレスリリースをメールで受け取りたいメディアが9割
プレスリリースの配信方法にはメールやFAX、郵送などがありますが、主流なのはメールです。
メールは画像を添付しやすくネット上の参考資料にリンクを貼れたり、受け取った記者がパソコンで仕分けしやすいなどのメリットが挙げられます。
当社が行っているメディアに対するアンケートによると、プレスリリースの受信方法は「メールを希望する」が最も多くなっています。受信した記者が添付された画像データを利用したり、リンク先URLをクリックすることで詳細情報を確認できるなどのメリットもあります。最近ではテレワークで場所を選ばず情報を得やすいということもあるでしょう。
しかし、全てのメディアにメールで配信するのが良いわけではありません。 メディアによって受信方法が異なるため、要望に合わせて送るのがベストです。
主流の送付方法がメールであることについて、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
「プレスリリースの配信方法は?95%のメディアがメールを希望」の記事を見る
【例文あり】プレスリリースをメールで作成しよう
プレスリリースをメールで送る際の基本的な方法について説明します。
■プレスリリースをメールで送付する方法
それぞれ解説していきます。
件名に会社名と本文の内容を簡潔に記載する
件名には本文の内容をまとめて簡潔に記載し、会社名も忘れずに明記します。例えば、以下の例のように件名を見ただけで内容と送信者が分かるようにしましょう。
【例文】
消費電力を約40%削減したベルトコンベアを4月1日から販売開始/株式会社〇〇 広報部
このように記載すると、件名を見ただけで内容が把握できます。詳しい書き方については、「メールを送るときは件名が重要」にて後ほど解説します。
送信者が「〇〇@〇〇.jp」などのアドレスのままだと送信元が分からず、開封されない可能性もあります。件名にも会社名と担当者を忘れずに明記しましょう。
挨拶文はビジネスメールを意識する
メール冒頭はビジネスメールのような挨拶文から始めます。例としては、以下のように記載していきます。
【例文】
媒体名 〇〇部
〇〇様
お世話になっております。
〇〇株式会社〇〇事業部の〇〇です。
師走に入り寒さもひとしお身にしみる頃となりましたが、〇〇様もご繁忙のことと存じます。
さて、この度弊社では、かねてより開発を進めてまいりました〇〇を発売する運びとなりましたので、ご連絡差し上げました。
本文の前に、上記のような挨拶文を記載していきましょう。
記者の立場に立ち、読みやすくすることも重要です。改行や一行空白を入れるなどの工夫をしていきましょう。
本文は簡潔にまとめる
メール本文には、記者が必要とする情報を簡潔に書きましょう。
内容としては、「いつ」「誰が」「何をするか」が明確に分かるように記載します。
記者は一分一秒のロスもしたくないくらい忙しく、添付資料を開かなければ分からないものは敬遠するかもしれません。発表内容が分かるようにまとめることが重要です。
メールの一行は30字〜35字以内にしましょう。受信者の環境によって表示文字数が異なるため読みにくくなってしまうこともあるからです。
プレスリリースのPDFを添付する
プレスリリースはPDFにして添付すると良いでしょう。
PDFはWordファイルなどをPDFで保存したり、PDF作成ツールで変換することで簡単に作成できます。
添付ファイルを送るときには容量にも気をつけましょう。画像などがたくさん含まれているとダウンロードするのに時間がかかってしまうなどの手間がかかってしまいます。ファイルのサイズを小さくするなど調整が必要です。
連絡先を末尾に必ず記載する
メールで送付する際は、連絡先も忘れずに明記しましょう。
プレスリリースの内容に興味を持った記者は、記事にする前に、ほぼ必ず発信先に連絡して内容を確認します。電話番号やメールアドレスなどの記載がないと連絡できないため、記事化を見送られる可能性もあります。
このようなケースを防ぐためにも、文末には必ず明記しましょう。
問い合わせ先には、以下のように記載します。
【例文】
〇〇株式会社〇〇事業部
担当者〇〇
〒〇〇〇-〇〇〇〇
〇〇〇〇〇〇〇
TEL:〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇
FAX:〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇
メールアドレス:〇〇〇〇@〇〇〇
このように、記者の都合に合わせて手段が選べるよう、複数の連絡先を載せておきましょう。
メールで送るときは件名が重要
メールで送る際に重要になるのは「件名」です。
記者に内容を確認してもらうには、メールを開封してもらわなくてはなりません。記者の興味を引くような件名になるよう工夫を凝らし、開封率を高めていく必要があります。
件名には「本文の要約」「会社名」を盛り込みます。本文の内容が最低限把握できるように分かりやすくまとめることが重要です。
本文の要約を考えるときは、以下の流れで考えていきましょう。
- When(いつ)
- Who(誰が)
- Where (どこで)
- What (何を)
- What benefits (どんなメリット)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
上記を参考に考えると発表内容が端的にまとめられます。
例としては以下のようになります。
- When(いつ)…6月15日から
- Who(誰が)…株式会社汐留システムが
- Where (どこで)…全国で
- What (何を)…物流向けベルトコンベアを開発
- What benefits (どんなメリット)…消費電力を約40%削減
- Why(なぜ)…東日本大震災以降の節電の重要性の高まり
- How(どのように)…〇〇商事を通じて販売
上記の内容を参考にすると、件名が作成しやすくなります。ぜひ試してみてください。
件名の重要性について、以下の記事にて詳しく解説しています。
「リリースタイトル(見出し)よりも「メール件名」が重要」の記事を見る
記者に興味を持ってもらうためにはタイトルも重要です。魅力的なタイトルにするためポイントを押さえた上で、作成していきましょう。
タイトルの付け方に関する詳しい内容を以下の記事にて解説しています。ぜひご活用ください。
「記事になりやすいプレスリリースのタイトルのつけ方は?」の記事を見る
プレスリリースの送り先を調べる
プレスリリースの送り先はどのように探したら良いのでしょうか。調べ方には以下の方法があります。
それぞれ解説していきます。
記事の署名を参考にコンタクトを取る
メディアの記事には、記者の名前を記載しているケースがあります。
記事を見るときは、名前が載っていないかも確認しましょう。
各メディアの「受付窓口」「お問い合わせ先」からコンタクトを取る
連絡先のわからないメディアの場合は「受付窓口」や「プレスリリース受付」からコンタクトをとり、送り先を確認しましょう。
送付先アドレスが見つからない場合は、電話で問合せをすると送付先を教えてもらえる場合もあります。
「PR手帳」「マスコミ電話帳」を利用する
日本パブリックリレーションズ協会が発行している 広報・マスコミハンドブック「PR手帳」や宣伝会議が毎年発行する「マスコミ電話帳」には、マスメディアに関する情報がまとめられています。新聞、テレビ、雑誌などの連絡先が記載されているため、 送付したいメディアを探すことが可能です。
「iタウンページ」を利用する
「iタウンページ」とは、NTTが提供している電話番号が無料で調べられるWebサイトです。「PR手帳」や「マスコミ電話帳」に記載されていない場合は「iタウンページ」で調べていきましょう。「iタウンページ」の検索窓に地域名や媒体名を入れて検索するだけで連絡先が表示されます。
プレスリリースをメールで送るときの注意点
プレスリリースをメールで送るときには以下の点に注意して送付ましょう。
一つずつ解説していきます。
情報に間違いがないか確認する
プレスリリースは情報の正確さが求められます。配信する前に記載した事実に間違いはないか、事実確認も必ず行いましょう。誤った情報が公開されてしまうと企業の信用を失うことにもなりかねません。法務の観点でも表現の問題がないかチェックしていく必要があります。
広告のような誇張表現や自社の商品やサービスを褒めるような表現を使うと、記者から敬遠されてしまいます。商品・サービスを素晴らしいかどうか判断するのは記者です。表現方法や記載内容に間違いや見落としがないか、必ずチェックしましょう。
問い合わせ先は日中繋がる連絡先を記載する
連絡先には、日中繋がる電話番号・メールアドレスなど、窓口となる連絡先を誤りなく記載しましょう。できれば担当者に直接繋がる連絡先が理想です。担当者の会社用携帯を記載するのも良いでしょう。
担当者は2名体制が理想です。記者から問い合わせがあった際に、担当者が1人だけだと不在の場合に対応できないこともあります。記者は「担当者に連絡が繋がらないなら、他を取り上げよう」と取材を見送り、せっかくのチャンスを失ってしまう可能性もあります。スムーズに対応できるよう2名体制にしておくと安心です。
一斉送信する場合は「BCC」で送る
他の受信者にアドレスが見えないように必ず「BCC」で送りましょう。CCで送信してしまうと、他のメディアにもアドレスが表示されて個人情報が流出してしまい、信用問題に発展してしまうこともあります。
「BCC」でメールを送信すると、受信者はメールの件名を見ればBCCで送られていることが分かります。そのため、メールに「一斉送信のためBCCで失礼します。」と記載するなど、BCCで送信している旨をマナーとして付け加えるよう配慮しましょう。
装飾的な枠線は使わないようにする
本文にはメールマガジンのような装飾線は不要です。例えば、以下のものが挙げられます。
【NG例】
☆◯☆◯☆◯☆◯☆◯☆◯☆◯☆◯☆◯☆◯☆◯☆
◇◆-------------------◆◇
━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━…━━
プレスリリースは広告やメールマガジンではないので、上記のような装飾は避けましょう。読みやすくしたいときは行間を空けるなどの工夫をすることが大切です。
送付するタイミングに気を付ける
メールで送付する際はタイミングも重要です。完成し次第送付するのではなく、目に留めてもらいやすい曜日や時間帯に送りましょう。プレスリリースを見てもらうためには、相手が忙しいと予想される曜日や時間帯は避けて送ることが重要です。
過去に当社が行った調査によると、プレスリリースは平日のビジネスアワーに送信することが望ましく、時間帯としては10時台〜11時台、14時台〜15時台が狙い目であることが明らかになっています。
多くのメディアが暦通りに稼働していることと、月曜日は祝日になる場合が多かったり休日明けでメディアが忙しかったりすることを考慮し、火曜日から金曜日のビジネスアワーに配信するのが良いでしょう。
送付するタイミングに関する詳しい内容は、以下の記事にて解説しています。ぜひ参考にしてください。
「プレスリリースの配信タイミングはいつ?最適な曜日と時間を決めて効果的に配信しよう」の記事を見る
プレスリリースをメールで送るときはプレスリリース配信サービスが便利
プレスリリース配信サービスとは希望するメディアにプレスリリースを一括で配信できるサービスのことです。専門の配信会社によって運営されています。
連絡先のわからないメディアの送付先や配信方法を一件一件調べて送るのは大変な労力がかかります。 しかし、配信サービス会社は独自のメディアリストを多く持っているため、メディアとの繋がりがなくても希望するメディアに一斉送信が可能です。
PRワイヤーでは、弊社が所有するメディアリストだけでなく、自社で所有するメディアリストにも一斉配信できます。複数のメディアに一斉に配信できるので、大幅に手間を減らし作業効率を高めることができます。
プレスリリース配信サービスの特徴
プレスリリース配信サービスはどのような特徴があるのでしょうか。主な特徴は以下のものがあります。
■プレスリリース配信サービスの特徴
それぞれ解説していきます。
接点がないメディアにも配信できる
配信サービスを使うことで、連絡先が分からなかったり接点がないメディアにも配信できます。配信先メディアの新規開拓は難しい場合が少なくありません。このようなケースも配信サービスを活用することで新しいメディアにも配信できるようになります。
提携メディアに転載できる
配信サービス各社にはそれぞれ提携しているメディアがあり、そのサイトには配信したプレスリリースを自動的に転載することができます。提携メディアに掲載されることにより、多くのメディア担当者や一般消費者の目に留まる機会も多くなります。
SNSへの投稿ができる
配信サービスの中には、TwitterなどのSNSへの投稿ができるものもあります。新聞、テレビ、雑誌などのマスメディアは不特定多数の人に一方的に情報を発信しますが、ソーシャルメディアであるSNSは個人間での双方向コミュニケーションが可能なため、拡散力が非常に高いのが特徴です。
SNSには配信サービス会社のアカウントから投稿します。そのため、自社のSNSアカウントを持っていなくても利用できます。配信された情報は「いいね」や「リツイート」されることで拡散される可能性が高くなります。
クリッピングや広告換算などの効果測定ができる
配信後はどのメディアにどのような内容の記事が掲載されたのかを探し出し、確認しておく必要があります。プレスリリース配信サービスを利用することで、メディアに記事掲載されるなどの波及効果が期待できます。
配信サービス各社には、掲載記事クリッピングや、広告換算などの効果測定(※2)、あるいはサイトに掲載したプレスリリースの閲覧数などを自動で集計し確認できるサービスがあります。
※2…新聞、テレビ、雑誌、Webメディアで掲載された記事を広告掲載料金に置き換えて算出する方法。統一された計算式やルールはないため、各社独自の計算方法で算出している。
プレスリリースの送付方法を知って好印象なメールを送ろう
メールが読まれるかどうかは件名で決まると言っても過言ではありません。件名には本文の要約と会社名を忘れずに記載し、どこの会社のどんな内容なのかが分かるようにしましょう。
効率良く送りたい方は、プレスリリース配信サービスを利用するのもおすすめです。自社ではコンタクトしにくいメディアに送れたり、数多くのメディアに一斉送信することもできます。自社の状況に合わせて、最適な配信方法を選んでいきましょう。
PRワイヤーの配信サービスに関して、詳しい情報を以下からダウンロードが可能です。ぜひご活用ください。