最近では、プレスリリースに動画を使う事例が増えてきています。今回はプレスリリースに動画を活用する方法について詳しく解説します。
目次
プレスリリースに動画を使うメリット
プレスリリースに動画を使うとどのようなメリットがあるのでしょうか。以下のようなメリットが挙げられます。
- ストーリーが伝わりやすくなる
- 商品や現地の様子がダイレクトに伝わる(使い方、活用シーン、利用者の感想など)
- アニメや芸能人とのタイアップで注目を集めやすくなる
- SNSでもリーチしやすくなる
- テレビに取り上げられやすくなる
動画は、映像や音声、アニメーション、テキストなど、さまざまな表現方法を使って、短時間でより多くの情報を伝えることができます。動画を上手く活用して他のプレスリリースと差別化していきましょう。
プレスリリース向けの動画を作る方法
プレスリリース向けの動画を作成するにはどのようにしたら良いのでしょうか。CMやアニメなど制作会社に依頼するものではなく、自前で制作する場合の方法について、具体的な流れを解説していきます。
それぞれ詳しく解説していきます。
1.企画する
動画制作において最も重要なのは、「何を」「誰に」伝えるかを考えることです。映像は情報が多いので、テーマを絞らないと伝わりにくくなってしまいます。伝えたいテーマを決めることで、ブレることなく撮影を進められます。ターゲットを決める際は、性別や年齢、職業などを想定し、具体的にイメージします。
動画の尺はテーマや目的、動画公開先によって決めましょう。製品やサービスを丁寧にわかりやすく紹介しようとすると、つい長くなってしまいがちです。長すぎる動画は離脱の原因になってしまいます。InstagramなどのSNSでは、数十秒程度の長さが好まれます。最後まで視聴してもらうために、序盤でユーザーを惹きつけるような工夫が必要です。状況に合わせて最適解を考えていきましょう。
動画の構成は起承転結で作成します。例として、10秒の商品紹介動画の場合を考えてみましょう。
- 「起」…2秒で導入
- 「承」…3秒で商品の紹介
- 「転」…3秒でキャンペーン紹介
- 「結」…2秒で企業紹介
起承転結をあらかじめ決めきれていないと、追加の撮影が必要になる場合もあります。動画のテーマや目的に合わせて時間を調整し、どのようなシナリオにするか具体的に考えていきましょう。
2.撮影する
動画のテーマを考えてから撮影します。必要に応じて、撮影場所や照明などを準備します。撮影はカメラ以外にiPhoneなどのスマートフォンでも可能です。写真をスライドショー形式にすることもできるので、必ずしも動画である必要はありません。
3.編集する
編集は動画編集ソフトを使って自分で行うか、制作会社に依頼する方法があります。それぞれのケースを解説します。
自分で編集する場合
自分で編集する場合は、以下のような作業工程があります。
- カット編集
- 字幕、テロップ
- ナレーション、音量調整
- BGM、音楽
すべての音楽には著作権があります。BGMを動画に使用する場合は、著作権フリーかどうか必ず確認しましょう。
編集は無料と有料のソフトを使用します。例として以下のものが挙げられます。
<無料動画編集ソフト>
- Microsoftフォト(Windowsの場合)
- iMovie for Mac(Macの場合)
<有料動画編集ソフト>
- PowerDirector
- AdobePremire
- Filmora
- リチカ
動画編集ソフトには豊富なエフェクトやテンプレートがあるので、テーマが分かりやすく伝わるように編集していきましょう。
制作会社に依頼する場合
制作会社に依頼するメリットはテロップ付け、カット編集、音量調整などクオリティが高くなることです。プロならではの技術で引き付ける動画に編集することができます。コストはかかりますが、初めて動画制作する場合は心強い味方になります。
4.エンコードする
エンコードとは、作成した動画を公開するプラットフォームの形式に合わせて書き出すことです。コーデック形式やサイズなど、プラットフォームごとにアップロードできる設定が公開されているので、確認してエンコードします。方法は動画の公開先によって形式が異なりますが、基本的にはMP4でエンコードします。
動画の公開と効果測定
動画の公開方法は、以下のようなものがあります。
- YouTube
- 自社サイト
- プレスリリース配信サービス
- SNS
公開方法により、リーチするユーザーが異なります。拡散効果を期待するならSNSで公開するなど、目的に合わせて選んでいきましょう。
動画公開後には効果測定として、再生数(視聴回数)やエンゲージメント(「Good」や「いいね」などの高評価率)などを確認する必要があります。YouTubeなどのSNSにアップすると細かいデータが確認できます。結果を分析し、次回の制作に役立てていきましょう。
動画を使ったプレスリリースのパターン事例
ここでは、動画を使った以下の事例を4つ紹介します。
■動画を使ったプレスリリースの事例
それぞれ詳しく紹介していきます。
事例1. CM公開
川崎重工業
トラウデン直美さんと、水素エネルギーについて楽しく学ぶショートムービー最新作 「カワサキ水素大学篇」
参考:https://kyodonewsprwire.jp/release/202209307513
こちらは、ショートムービー公開のプレスリリースです。動画の内容だけでなく、動画制作の背景や企画概要に関してもキャプチャを用いて説明されています。公開した動画について、より理解してもらいやすい構成になっています。
ソフトバンク
吉沢亮さん&杉咲花さんが19分で100%充電になる“神ジューデン”スマホに驚がく!新CM「神ジューデン登場」篇
参考:https://kyodonewsprwire.jp/release/202212070922
こちらはCM公開のプレスリリースです。タレントのインタビューや制作秘話を掲載の上、公開しているCMをプレスリリースにも添付しています。
事例2. アニメなどのコラボプロモーション
厚生労働省
厚生労働省 × 鉄腕アトム 労働保険の「電子申請」を啓発するweb動画公開
参考:https://kyodonewsprwire.jp/release/202204280621
「鉄腕アトム」とコラボレーションしたWeb動画公開のプレスリリースです。認知向上のために有名作品とコラボレーションする際は、その理由もキャラクターに合ったものがあると良いでしょう。
事例3. 商品・サービスの説明やプレスリリースの内容説明
レスポン
教育機関向け 出席・リアルタイムアンケートシステム respon(レスポン) に チャット機能「ルーム」が追加
参考:https://kyodonewsprwire.jp/release/202207264352
こちらは、サービスの機能追加に関するプレスリリースです。有形無形問わずサービスの利用シーンを分かりやすく動画で伝えることで、サービスに関する理解がより深まります。
製品評価技術基盤機構(NITE)
冬の火災は『ゼロ距離』と『ほったらかし』に注意!
参考:https://kyodonewsprwire.jp/release/202211179937
こちらは調査プレスリリースの補足として、実験の様子を動画でも公開しています。
事例4. イベント等現地の様子
MADE BY
【MADE BY TOUR 2022】ファッションデザイナーらが福井の繊維産業を巡るツアーを開催
参考:https://kyodonewsprwire.jp/release/202212060840
こちらはイベント開催のプレスリリースです。過去に開催したときの様子を掲載するとイベントの雰囲気が分かります。イベントが終わった後に、現地の様子をレポートしてプレスリリースにするのも効果的です。
共同通信PRワイヤーには、動画を活用したプレスリリースをまとめたページがあります。もっと動画を利用したプレスリリースを参考にしたいときは、下記を参照しましょう。
プレスリリースに動画を入れて記事化を目指そう
プレスリリースに動画を入れる企業が増えてきたとはいえ、その数はまだそう多くありません。最近では、無料の編集動画ソフトが増えたことで個人でも動画制作がしやすい時代になりました。動画制作に慣れない方でも、この記事で紹介した流れを参考にすれば、決して難しいものではありません。ぜひチャレンジしてみましょう。
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