プレスリリースを英語で配信するにはどのような方法があるのでしょうか。この記事では、英語プレスリリースの配信方法について詳しく解説します。
目次
海外PRの基本は英語のプレスリリース
共同通信PRワイヤーの海外リリース配信を利用し、国内から海外に向けてプレスリリースを配信する場合には、英語で作成する必要があります。英語プレスリリースで配信され、各国の現地語に翻訳された後に現地のメディアに届けられます。そこで、英語プレスリリース作成の方法をマスターすることが海外PRの第一歩になります。
英語プレスリリースの基本ルール
まずは、英語プレスリリースの基本ルールを確認していきましょう。
構造
構造は日本語のプレスリリースと同様に、結論から先に書く「Inverted pyramid」(逆三角形)です。
まずは5W1Hで重要なことを簡潔に述べます。次に結論の詳細を書き、読者を納得させる具体的な材料や背景を書きましょう。抜けや漏れがないように情報をしっかり伝えることが重要です。
構成
英語プレスリリースの構成は以下の通りです。
- タイトル(ヘッドライン、サブヘッド) = 見出し
- デートライン = 配信日
- リード = リード文
- ボディ = 本文
- ボイラープレート = 会社概要
- ソース = 配信元企業・団体名
- コンタクト = お問合せ先
日本語のプレスリリースの構成と必要な要素は共通していますが、注意すべき点はやや異なります。
構成に関する内容は以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
「【例文あり】英語プレスリリースの書き方は?構成や注意点も解説」の記事を見る
文字数
英語の場合はワード数で数えます。例えば、「This is a pen」で4ワードになります。
日本語のプレスリリース同様、長い文章は好まれません。共同通信PRワイヤーでは400〜500ワード程度を推奨しています。A4サイズ1枚にまとめるのが理想です。
英語プレスリリースを配信するには?
ここでは、海外メディアと直接つながりがなくても配信できる方法を2つ解説します。
海外のワイヤーサービスで配信する
海外のワイヤーサービスと連携しているPR会社やプレスリリース配信サービスを通じて海外メディアに配信することができます。
PRワイヤーは、株式会社共同通信社と連携して海外プレスリリース配信サービスを提供しています。「AsiaNet」というアジア太平洋の国と地域にある13の国営通信社・主要通信社で構成されるニュースリリース配信ネットワークに加盟しており、AsiaNetから全世界のメディア網を持つワイヤーサービス「PRNewswire」に配信されます。英文原稿で各国の通信社に配信され、各通信社にて現地語に翻訳された後に各国のメディアに送られます。
日本国内にいる海外メディアの特派員に配信する
日本国内には、海外メディアから派遣された特派員が駐在しています。日本国内で取材した情報を派遣元のメディアに伝えるなどの活動をしているため、日本企業のプレスリリースも受け取ってもらえる可能性があります。例えば、海外進出や海外企業との協業などに関する情報も、特派員を経由して海外メディアに届けることが可能です。 日本国内のイベントに海外メディアを招待したい場合にも、まず当該メディアの特派員にアプローチすることをおすすめします。
海外にプレスリリースを配信するときの5つの注意点
ここでは、海外にプレスリリースを配信する際の注意点を5つ解説します。
■海外にプレスリリースを配信するときの注意点
それぞれ詳しく解説していきます。
配信国の国情を理解する
配信先の国情を理解した上でプレスリリースを作成しましょう。国や地域によって文化や宗教、慣習や薬機法、広告法などの法令が異なります。中国では医療品や化粧品などの広告規制が厳しく、新広告法に定められている「一位」や「最高」などの禁止キーワードにも注意を払う必要があります。イスラム圏では、豚肉やアルコールを連想させる文言を含むプレスリリースの大半が、配信を拒否されます。アルコール類の年齢制限も国によって異なるので、しっかり調べて対応しましょう。
配信国の祝日をチェックして配信日を決める
配信国の祝日や休日、社会情勢が安定してない状況では、メディアの業務が稼働していない可能性があります。PRワイヤーの海外配信でも、配信先国の要人が逝去したり、日本との関係性が悪化したりといった状況では、サービスが提供できない場合があります。日本と同様、プレスリリースは鮮度が重要です。祝日前のニュースを祝日明けに配信すると情報が古くなり、取り上げられにくくなってしまいます。春節(旧正月)の時期などは2週間ほど連休となるので、事前にチェックして早めに配信日を決めましょう。
PRワイヤーでは毎月海外の祝日を掲載しています。詳しくは以下のページをご覧ください。
海外メディアからの問い合わせに対応できるようにしておく
海外メディアからの問い合わせに対応できる体制を作りましょう。メールでの対応は必須です。英語で電話対応できるスタッフがいるとなお良いでしょう。
情報ソースを明確にする
米国の取材には以下の「ソースについての4つの基本原則」があります。
1.On the Record
情報ソースが個人の発言の場合、その所属組織・肩書・氏名が特定できる。
2.On Background
個人名は特定できないが、例えば「政府関係者によると・・・」のような表現でコメントの背景を示す。場合によっては、“on condition of anonymity”(匿名であることを前提に)や “who declined to be identified”(身元を特定されるのを拒否した)という文言の補足つきで、背景が記載される。
3.On Deep Background
発言者の特定や発言そのものを記事にすることはできないが、記載される背景説明などに盛り込む。
4.Off the Record
いわゆる「オフレコ」。米国の政府取材などでは、記者団がオフレコに同意した場合、記者全員のICレコーダーがオフにならないと会見が始まらないというように、情報ソースを明示できない取材方法。
自社の取り組みを発表するプレスリリースでは「On the Record」の原則に沿って書く必要があります。根拠となる数値や統計データなど、背景説明に必要な情報があるとより良いでしょう。
引用(Quote)しやすい内容にする
原則、日本語のプレスリリースでは企業・団体として、その取り組みに関する記述をしますが、組織内の個人の発言を大きく記載することはあまりありません。しかし、英語の記事やニュースでは、好んで引用が掲載されたり利用されたりします。プレスリリースでも同様に、CEOやCOOの見解が、見出しや本文に多用されています。英語プレスリリースを書く際には、社長や担当役員、現場責任者などのコメントを、積極的に挿入すると良いでしょう。
ルールを押さえて効果的な英語プレスリリースを作成しよう
英語プレスリリースを配信するには、国情を理解した上で作成するなど様々な注意点があります。必要な要素や文章構成、文字数なども確認し、正確に書いていきましょう。
不安がある場合は配信サービスを利用するのもおすすめです。PRワイヤーでは、原稿の入稿から配信まで、英文記事に精通した経験豊富な専任スタッフが対応します。お預かりした英語プレスリリースをチェックし、海外通信社との調整、入稿から配信、レポート入手まで、すべて専任スタッフが対応します。海外サービスについて以下のページから資料をダウンロードできます。ぜひご活用ください。