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メディアリレーションズで大切なこととは?メディアとの関係構築に必要なポイント7選

握手する広報部女性

メディアリレーションズとは、広報担当者がさまざまなメディアと信頼関係を築くことです。
メディアとの関係を築く際に重要なポイントや、メディアリレーションズの注意点などについて解説します。

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メディアリレーションズとは

MEDIAと書かれたサイコロと新聞

広報担当者は、まずはメディアリレーションズの定義を知っておきましょう。
PR活動を行う際に良く聞く下記の言葉の意味もあわせて説明します。

メディアリレーションズとは

「メディアリレーションズ」とは、新聞やテレビ、雑誌、ラジオ、Webメディアなどの記者・担当者と、良好な関係を築くための活動全般を指します。
目的は、自社情報の社外発信です。メディアの持つ大きな影響力を通し情報発信を行うことで、自社や自社商品・サービスなどの知名度を上げることができます。

また株主や投資家、地域住民、官公庁、取引先などといったステークホルダーに対しても、メディアという第三者の視点で情報を伝えてもらうことで、世間からの信頼を得ることが可能になります。
つまり広報担当がメディアと友好関係を構築する「メディアリレーションズ」は、PR担当者の最も主要な任務と言えます。

「メディアリレーション」と「メディアリレーションズ」

よく耳にする言葉に「メディアリレーション」がありますが、「メディアリレーションズ」との違いはあるのでしょうか。
実はどちらも同じ意味で使われている言葉です。
正式名称は「メディアリレーションズ」になります。
広報担当者として間違いのないよう、気を付けましょう。

「メディアプロモート」「パブリシティ」との違いは?

「メディアリレーションズ」と似ている言葉に「メディアプロモート」があります。
メディアプロモートとは、プレスリリース等で配信した情報を記事や番組として取り上げてもらえるよう、メディアにアプローチすることです。
またPR活動において「パブリシティ」も頻出する言葉ですが、「パブリシティ」は、メディアに取材・報道してもらうことを指します。
どちらも「メディアを通してステークホルダーに情報提供すること」や「企業の活動を認知してもらうこと」を意図して行う活動で、メディアリレーションズの一つです。
広報担当者の重要なミッションとなるため、きちんと覚えておきましょう。

メディアプロモートについて詳しく知りたい方は、下記の記事が参考になります。ご確認ください。
「メディアプロモートとは?何から始めればいいかしっかり解説」の記事を見る

パブリシティについての詳しい内容は、下記の記事にまとめてあります。あわせてご参照ください。
「「パブリシティ」とは何?意味やプレスリリースとの関係を解説」の記事を見る

メディアリレーションズの活動内容

スマートフォンで検索する女性

メディアリレーションズの具体的な活動内容は、主に以下の5つです。詳しく解説していきます。

  1. プレスリリースの作成・配信
  2. メディアへのプロモートと取材対応
  3. 記者会見・記者発表
  4. プレスツアーなど記者向けイベント
  5. プレスキットの用意
  6. ファクトブック(報道用資料)の用意
  7. パブリシティ調査・PRイベントなどのネタ作り

1、プレスリリースの作成・配信

広報担当者がメディアリレーションズで最初に行う活動の一つに「プレスリリースの作成」があります。
プレスリリースとは「新商品の発売や新サービス、また新規事業の開始、人事異動などの企業情報を、メディアがニュース素材として利用しやすいようまとめた文書」です。
広報担当者は、このプレスリリースの発信を用いて、メディアへのアプローチを行います。そのため、配信するプレスリリースの作成が大変重要なものになってきます。
メディアには、毎日数多くのプレスリリースが届きます。その中から記者の目に留まり、取材してもらえるよう、広報担当者は活動しなければなりません。
まずはメディアに取り上げられやすいプレスリリースを作成するよう心掛けましょう。


メディアの目に留まるプレスリリースの作成には、コツがあります。詳しくは下記の記事にまとめてあります。ご参照ください。
「メディアに取り上げられやすいプレスリリースとは?プレスリリース配信会社が解説」の記事を見る

2、メディアプロモートと取材対応

プレスリリースを配信した後、メディアへのアプローチ(メディアプロモート)を行います。
アプローチの際は「メディアリスト」を用い順序立て行います。
メディアリストとは、プレスリリースの配信先メディアを一覧にしたリストで、プレスリリース配信の優先順位を決めたり、電話などアプローチをかける順番を決める際に使用します。またプロモーションのため、メディア訪問(メディアキャラバン)をする際にも使用します。
広報部の財産になるリストのため、所持していない場合はぜひ作成しておきましょう。

メディアリストの作り方などの詳しい説明は、下記の記事にまとめてあります。ぜひご確認ください。
「メディアリストの作り方とは?広報にとって大事なリストを使いこなそう」の記事を見る

またプレスリリースを目にした記者から質問や、取材の申し込みがあった場合、取材対応を行います。
記者会見や記者発表を行う場合は、日程や会場の準備、資料の用意、関係各所への連絡などしっかりと準備を行い、自社や自社商品に良い印象を持って取材をしてもらえるよう行動しましょう。

3、記者会見・記者発表など

メディアリレーションズの活動内容には、記者会見や記者発表もあります。
「記者会見」はメディアや世間からの要望に応じて開く受動的なもので、「記者発表」はメディアや世間に向けて発表したいことがある場合に自主的に開くものです。
例えば記者会見では「不祥事の謝罪会見」などが、記者発表では「新商品・新サービス〇〇の発表」が挙げられます。
記者会見・記者発表は自社として説明責任を果たす公式の場として、重要な役割を担います。
広報担当として責任を持ち、企画からプレスリリースの配信、当日の会見・発表まで、しっかりと行うようにしましょう。

4、プレスツアーなど記者向けイベント

PR担当者が仕掛けるメディア記者向けのイベントとして「プレスツアー」があります。
プレスツアーとは、実際の商品やサービスを見て取材してもらうための企画です。似たものに、「プレスセミナー」や「新製品発表イベント」「記者懇談会」などもあります。
どれもメディアへの露出を狙って行うもので、記事にしてもらうことを目的としています。
自社として情報が最も効果的に伝わる方法でPR活動を行い、良好なメディアリレーションズを行いましょう。

5、プレスキットの用意

広報担当として、準備しておくと良いアイテムをご紹介しましょう。
一つは「プレスキット」です。プレスキットとは、プレスリリースや、製品・ロゴなどの高解像度の画像、動画など、メディアに提供するプロモーション素材をまとめたものです。
プレスキットを用意しておくと、メディアに情報提供をするやり取りがスムーズになります。
メディアとはデータでのやり取りがメインとなるため、パソコン内のデータファイルを用意しておき、必要があればいつでもデータ転送ができる状態にしておきましょう。
企業によっては「社長のプロフィールや画像」「企業ロゴ」「ブランドロゴ」「商品画像」などを自社ホームページ上に用意し、報道関係者向けにいつでもダウンロードできるよう準備している企業もあります。

6、ファクトブック(報道用資料)の用意

もう一つは、「ファクトブック(報道用資料)」です。ファクトブックとは、商品やサービスに関する専門的なデータをまとめた資料です。
商品であれば、商品の説明が書かれた文書や、データがあれば売上高、シェア、販売数といった数値事実に基づいた専門家の意見をまとめた資料などが挙げられます。
業界の構造や社会のトレンドを押さえた内容にまとめられていると、よりメディアに伝わりやすい内容になります。
仕事に追われ忙しくしている記者にとって、上記2点の資料の準備をしておくと重宝されます。時間を見つけて用意しておくと良いでしょう。


またその他、企業や業界、商品やサービスのトレンドに関連する情報やデータを幅広くまとめた「ニュースレター」、業界の関連情報をまとめた「データリリース」、企業が特定のテーマに関してまとめた報告書「ホワイトペーパー」、自社で用意した素材映像「ビデオリリース」などもあります。必要に応じて用意し、使い分けましょう。

7、パブリシティ調査・PRイベントなどのネタ作り

メディアとのコミュニケーションを増やしたいのに、その素となる「プレスリリースのネタがない」というケースに直面することがあります。
その際に役立つのが「PRイベント」や「パブリシティ調査」です。
PRイベントは、その名の通り商品やサービスをPRするイベントです。またパブリシティ調査も同様に、商品やサービスをPRするための、パブリシティを目的としたアンケート調査です。

例えば産業能率大学では、「新入社員の理想の上司」を毎年調査し、発表。各メディアにも取り上げられ話題になっています。
パブリシティ調査は、アンケート調査を実施した結果に評論家など第三者の客観的なコメントや解説を加えてリリース作成するとより効果的です。
自社の商品やサービスに関係するイベントやアンケートを企画し、プレスリリースを作成・配信しましょう。

「2023年度新入社員の理想の上司」のプレスリリースは、下記よりご覧ください。
【第31回】『2023年度新入社員の理想の上司』を発表 2023年度のトップは、男性上司は大谷翔平さん、女性上司は水卜麻美さん:産業能率大学

調査やアンケートのプレスリリースのテンプレート、イベント開催・イベント取材のプレスリリースのテンプレートを、下記の記事より無料でダウンロードいただくことができます。ぜひご活用ください。
「【解説付き】プレスリリーステンプレート集」の記事を見る

メディアリレーションズのメリット

虫眼鏡でプラスを拡大して見る

メディアリレーションズを行う最大のメリットは「自社や自社商品の認知度向上」です。
特に絶大な認知度アップにつながる新聞やテレビに取り上げられることの効果は、大きなものとなるでしょう。ヒット商品の誕生につながる可能性もあります。また企業に良い印象が持たれた場合には、就職人気が高まり、優秀な人材の確保にもつながるでしょう。

さらに自社の認知度向上が実現した先には「従業員のモチベーションアップ」というメリットも考えられます。
自社や自社商品がメディアに取り上げられ有名になると、従業員は誇らしい気持ちで仕事に向き合うことができます。従業員のモチベーションが向上した結果、さらに仕事効率が上がり、売上が上がるなど理想のサイクルが生まれることも考えられます。
広報部の働きが会社に良い風をもたらすきっかけになれるよう、活動を行っていきましょう。

メディアリレーションズを行う際のポイント

多くの付箋を見ながら会議する会社員

広報担当者がメディアリレーションズで大切にしたいポイントは、下記の7項目が挙げられます。それぞれ流れに沿って説明していきます。

  1. 媒体研究を大切に
  2. 媒体にあわせた「社会性・話題性」のある情報提供を
  3. プレスリリースが全ての入り口
  4. 情報発信を定期的に
  5. 個別アプローチによる継続的な関係づくり
  6. 取材体制を整えておく
  7. 会社の顔は自分、誠意のある対応を

ポイント1:媒体研究を大切に

まずは媒体研究を行いましょう。
媒体研究とは、各メディアの記事特性やターゲットなどを知り、媒体の傾向を見極めることです。メディアの求めている情報を提供することで、記事化へとつながります。
例えばテレビ東京の番組「ワールドビジネスサテライト」のコーナー「トレンドたまご」では、新商品・新サービスに特化した紹介が得意で、社会への影響面も持ち合わせています。
各社の得意分野や特集の組み方に注目し、「このネタはこのメディアに取り上げてもらえそう」「あの雑誌なら特集を組んでもらえるかもしれない」といったような、メディア感覚を磨きましょう。

ポイント2:媒体にあわせた「社会性・話題性」のある情報提供を

メディアは社会的価値のある情報や、ユーザーニーズのある情報のみ報道を行います。つまり社会的に意義がない情報では、記事にしてもらえないということです。
情報が自社の宣伝に偏りすぎていたり、社会にとって有益ではないと判断される内容は、いくらアプローチしても取り上げてもらうことは難しいでしょう。
社会的に価値のある情報を的確に付与できるよう、世間の話題や流行にアンテナをたて、情報提供をするようにしましょう。メディア側に直接、今欲している情報を聞きに行くことも有効な方法です。

ポイント3:プレスリリースが全ての入り口

メディアが企業の新情報を知るきっかけは、主にプレスリリースです。取材されるかされないかの判断は、プレスリリースが担っていると言えます
メディアが記事化したいネタであることはもちろん、読みやすい構成やタイトル、書き方などに注意を払い、記者の目に留まりやすいプレスリリースを発信しましょう。
また媒体にあわせ、情報ごと切り口を変えるプレスリリースの内容にあわせてアプローチメディアを変えて配信することが、プレスリリース配信の基本であり、もっとも効果的な方法です。
媒体特性を研究し、メディアに読んでもらえるプレスリリースの作成と配信を心掛けましょう。

プレスリリースの書き方の基本を、下記の記事にまとめてあります。一度ご参照ください。
「プレスリリースの書き方11のポイント!基本の5構成と記者に取り上げられるコツ」の記事を見る

プレスリリースの送付先メディアについて知りたい方は、下記の記事がお役立ていただけます。ご確認ください。
「プレスリリースはどこに送る?送付先の探し方」の記事を見る

ポイント4:情報発信を定期的に

プレスリリースやニュースリリースの配信は、定期的に行うようにしましょう。できれば月に1回以上の配信がおすすめです。
アプローチ頻度を高めることで、必然的にメディアの目に留まる確率を上げることができます。
プロジェクトの進捗状況報告や、プロモーション活動の報告など、同じ情報でも、視点を変えれば何度でもプレスリリース配信することができます。
メディアとの接点を増やすためにも、さまざまな角度でプレスリリースの配信を行いましょう。

プレスリリースの配信タイミングやネタについて、下記の記事にまとめてあります。ご参照ください。
「1回だけではもったいない! 同じネタでもっと出せるプレスリリースのタイミング」の記事を見る

ポイント5:個別アプローチによる継続的な関係づくり

自社が関わる業界によっては、戦略的にメディアをピックアップして、関係を構築することもおすすめです。
例えば食品製造業界であれば、食産業に強い新聞や雑誌、テレビ番組やコーナー、ラジオ番組、Webメディアなどをメインメディアとして抽出し、重点的に各担当者にアプローチをかけます。特定のメディアと継続してコミュニケーションを図ることで、お互いにより深い関係を構築することが可能になります。
記者懇談会やセミナー、勉強会などを開催し、個別コミュニケーションを築くことも良いでしょう。

ポイント6:取材体制を整えておく

メディアから取材の申し込みを受けた際は、すぐに対応できるよう、あらかじめ準備を整えておきましょう。
具体的には、社内の関係各部署と連携し、いつ取材依頼が入っても現場に受け入れてもらえるよう体制を整えるなど、社内コミュニケーションをとっておくことが挙げられます。
また広報部としては、プレスリリース配信後に、メディアからの連絡が入ることが予想されます。スケジュールを空けておき、メディア対応に備えておきましょう。すぐに送付できる資料をそろえておく社長のコメントを用意しておく、といった準備もおすすめです。

ポイント7:会社の顔は自分・誠意のある対応を

最後に「広報部の対応一つで会社の印象を左右してしまうことがある」ことを覚えておきましょう。これは社会人としてのマナーとして当然ですが、大切なことです。
例えば大手メディアと中小メディアで記者対応に対する態度が違う、といったことは慎まなければなりません。
会社の顔は自分であることを忘れず、どのメディアにも誠意を持って対応するようにしましょう。
また記事として取り上げられた際には、お礼を伝えることも忘れずに。今後の良好なコミュニケーション構築につながります。

メディアリレーションズでの注意点

cautionと注意マーク

メディアリレーションズを行うにあたり、PR担当者が注意したいポイントが2点あります。詳しく説明していきます。

記事掲載の強要や掲載内容の無理な要求をしない

メディアに対して、記事の掲載や、掲載内容の扱い希望を迫るような行為は止めましょう。
取材内容の編集・掲載権限は、メディア側にあります。そのため掲載内容に対して、注文をつけたり、宣伝を強要することもおすすめしません。
広報部が伝えたい内容と違う切り取られ方をすることもあるかもしれませんが、明らかな間違い以外、修正することは避け、編集サイドの意思を尊重するようにしましょう。
メディアの立場を理解することは、巡り巡ってメディアとの良好な関係構築の一つになります。

画像提供や権利関係への配慮

特に雑誌や新聞媒体では、掲載する画像の解像度(サイズ)が規程の解像度に達していないと、掲載する写真が粗く、見栄えが悪くなります。画像の解像度が足りないため、誌面での扱いを小さくせざるを得ない、あるいは掲載が見送られるなど、せっかくの告知チャンスをふいにしてしまうことがあるかもしれません。
できれば事前に各媒体の推奨する画像サイズを把握しておくと、掲載時のやりとりもスムーズになるためおすすめです。

掲載画像の許諾の確認も重要です。
個人情報保護が叫ばれている昨今、芸能関係者だけではなく一般人も、掲載の際には注意が必要です。
トラブルに発展しかねない事案も考えられるため、映像や写真に人物が映っている場合は、細心の注意を払って対応しましょう。

各メディアと良好なメディアリレーションズを

メディアリレーションズで最も大切なことは、お互いに価値のあるパートナーとして、Win-Winの関係を築いていくことです。
「メディアリレーションズを行う際のポイント」で挙げた下記の7点を忘れずに、日々のPR活動を心掛けましょう。

  • 媒体研究をする
  • 「社会性・話題性」のある情報提供をする
  • プレスリリースを大切にする
  • 情報発信を定期的にする
  • 個別アプローチによる継続的な関係づくりをする
  • 取材体制を整えておく
  • 会社の顔は自分であることを忘れずに、誠意のある対応を

上記7点の中でも、特に「媒体研究をし、相手のことを良く知ること」を心掛け、「社会的に価値や話題性のある情報提供をする」ことがポイントです。
「この会社の広報担当者と友好的な関係を続けていきたい」と思ってもらえるような関係を目指して、メディアとのコミュニケーション活動を行いましょう。

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