ラジオは、ここ数年でユーザーを増やし続けている注目の音声メディアです。
ラジオ媒体の特徴や基礎知識の説明と、ラジオへのアプローチ方法を解説します。
目次
「ラジオ」メディアの特徴とメリット
メディアとしてのラジオの特徴は「速報性の高さ」「災害時のアイテム」、メリットは「ターゲットの明確性」などがあります。それぞれ詳しく解説していきます。
ラジオの特徴
ラジオは電波による音声のみで情報伝達をするメディアです。テレビと同じように生放送の番組もあり、情報の速報性が高く新鮮な情報が届けられます。
またラジオは、災害時にも強いという特徴があります。テレビやインターネットがつながらない状況下でも、ラジオ視聴はできることもよくあります。電池式ラジオなら停電時でも聴くことができ、携帯性も良いため、災害時の情報収集アイテムとして推奨されています。
一方で、戦前には700万世帯とも言われたラジオ聴取層ですが、新聞やテレビの台頭によりその数は減り、現在では4大メディアの中では最も訴求性の低い媒体となっています。近年ではインターネットラジオの登場で聴衆者が回復傾向にあります。
メディアとしてのラジオのメリット
ラジオには「リスナー」と呼ばれるラジオの聴取者層が存在します。
「ながら聴取」という言葉があるように、リスナーの多くは、車の運転や家事をしながら、あるいは通勤・通学途中、勉強中など、何らかの作業と並行してラジオを流し聴いています。
年齢や性別によって好みの局や番組がハッキリしていることも、ラジオリスナーの特徴です。よく聴かれているものとして、音楽番組やニュース・天気予報のほか、好きなDJやパーソナリティーの登場する番組などが挙げられます。
番組によってリスナー層が明確なため、ラジオはターゲティングの容易なメディアだと言えます。
パーソナリティーとリスナーの距離が近いのも、ラジオの特徴の一つです。また、リスナー同士も、お互いにコミュニティ感を共有できる人が多い傾向にあります。
インターネットラジオが若者に浸透し始めている中で、コミュニティ意識が高まりつつある時代の新たなアイコンへと、ラジオは進化し続けています。
ラジオの歴史と基礎知識
ラジオ媒体にアプローチする前に、ラジオの基礎知識を押さえておきましょう。ラジオにも関係が深い通信社の歴史にも軽く触れていきます。
ラジオの歴史
ラジオの登場は、世界で見ると20世紀初頭頃、日本では1925年、社団法人東京放送局(NHK東京ラジオ第1放送)により始まりました。当時はテレビもない時代。娯楽アイテムとして、一般大衆に広がりました。
その後テレビやインターネットの登場でラジオ離れが加速していましたが、2000年に入り、ラジオのデジタル化が開始。インターネットラジオが主流になると、徐々にその人気は回復傾向にあります。
通信社とラジオ
通信社とは「一般向けニュースの取材や収集、配信を行う組織」です。通信社は自社で媒体を持っていません。
そのため古くから新聞社やラジオ局などのメディアに、取材情報を提供しています。
この通信社の登場は、ラジオより少し早い19世紀半ば。ドイツから始まりました。
日本の主要な通信社には「共同通信社」「時事通信社」があります。
蛇足ですが、この記事を提供している「共同通信PRワイヤー」は、共同通信社のグループ会社となります。
インターネットラジオの普及
インターネットラジオ(インターネット音声サービス)の登場で、ラジオ機器本体がなくても聴取ができる時代になりました。
インターネットラジオの代表格は「radiko(ラジコ)」、インターネット音声サービスの代表格は「Podcast(ポッドキャスト)」があります。どちらもパソコンやスマートフォンから聞くことができ、一部サービスは無料で提供されています。
インターネットラジオ・音声サービスには、ニュースはもちろん、生活情報、英会話などの勉強系、ドラマなど多くの魅力的な番組があります。著名人やアイドル、芸人などが番組を担当していることもあり、Twitterでラジオ番組のハッシュタグがトレンド入りするなど、若者の聴衆促進につながっています。
ラジオや新聞、テレビなどメディアの歴史について、下記の記事に詳しくまとめてあります。ご参照ください。
「メディアの歴史とは?起源と現状を知って広報活動に役立てよう」の記事を見る
ラジオへのアプローチ方法
ラジオへの掲載アプローチ方法は、下記の3つがあります。それぞれ説明していきます。
プレスリリース配信をして番組に取り上げてもらう
ラジオへのアプローチ方法で一番のおすすめの手段は「プレスリリースの配信」です。
プレスリリースとは「新商品の発売や新サービス、新規事業の開始、人事異動などの企業情報を、メディアがニュース素材として利用しやすいようにまとめた文書」です。
プレスリリースを見た記者や担当者に「取材したい」「番組内のコーナーに取り上げたい」と判断されると、取材の依頼や放送のオファーへとつながります。
そのため配信するプレスリリースは、記者の目に留まり、さらに「リスナーに価値がある」と思われる情報内容でなければなりません。
プレスリリースの情報には「今、流行していてトレンド性がある」「季節性がある」「新しい・珍しい」のような、記者が求めている情報を配信するよう心掛けましょう。
またフジテレビとニッポン放送、TBSテレビとTBSラジオのように、ラジオ放送局とテレビ局は系列企業であることが多々あります(ラテ兼営)。ラジオで話題になった情報がテレビ側にも取り上げられる、というケースもゼロではありません。
プレスリリース配信の際には、記者の立場に立ち、メディアの求めている情報を提供するようにしましょう。
プレスリリースの書き方や配信方法のコツを、下記の記事にまとめてあります。あわせてご確認ください。
「プレスリリースとは?配信の効果、メディア掲載のポイントを解説」の記事を見る
プレスリリースの配信タイミングについては、下記の記事にも詳しい説明があります。一度ご覧ください。
「メディアプロモートとは?何から始めればいいかしっかり解説」の記事を見る
プレスリリースを記者クラブに配布する(投げ込み)
プレスリリースを記者クラブへ直接配布するという方法もあります。これを「投げ込み」と言います。
投げ込みとは、作成したプレスリリースを、関係する記者団体(記者クラブ)へ直接持ち込み、アピールする方法です。
記者クラブは、「経済専門」「政治専門」など、それぞれ特化した情報を収集・取材しています。投げ込みをする際は、プレスリリースの内容にあわせて投げ込み先を選ぶように気を付けましょう。
プレスリリースの投げ込みの方法やポイントを、下記の記事にて詳しく解説しています。ぜひご確認ください。
「プレスリリースの投げ込みとは?記者クラブへ配布する方法と注意点を解説」の記事を見る
CMの依頼や番組のスポンサーになる
有料の方法になりますが、ラジオへの露出方法として「ラジオCM」「インフォマーシャル」「番組タイアップ」、そして「番組スポンサー」という方法があります。
テレビと同じようにラジオにもCM枠があります。また番組や番組内コーナーのスポンサーになると、CMだけでなく提供クレジットが放送されます。
広告費はかかるものの、ラジオはテレビ放送よりも安価な設定が多いため、ラジオCMやスポンサードのハードルは低いと言えます。
依頼の窓口としては、ラジオ局の営業部に直接問い合わせる方法と、広告代理店経由の方法があります。
ラジオ以外のマスメディアの特徴
ラジオ以外の主要メディアも押さえておきましょう。
「4大マスメディア」と言われるマスメディアには、ラジオのほか「新聞」「雑誌」「テレビ」があります。またネット時代の主要メディア「Webメディア」もあわせて説明していきます。
新聞・雑誌・テレビ媒体の違いと特徴
4大マスメディアの特徴を、ラジオと比較しながら見ていきましょう。
新聞は、これら4つのメディアの中でも最も信頼性の高い媒体です。
ラジオやテレビ媒体ほどの速報性には欠けますが、幅広い年代の読者に支持されています。
テレビは、ラジオと同じように速報性が高いメディアです。
ラジオとの違いは、世間への影響力が強い点。インパクトの大きな映像と音声で、人々の記憶に残る、強い影響を持つ情報を随時提供しています。
雑誌は種類が多く、ターゲット分類が明確な媒体です。ラジオのように大衆向けの雑誌もありますが、多くは狙った層に向けたコアな情報を展開しています。その分高リーチが狙えるという特徴があります。
近年ではどのメディアも、インターネットを使用したサービスを取り入れています。
ラジオのように、スマートフォンやパソコンなどからいつでも情報を取り入れることが可能になり、各社時代の変化にあわせ生き残りをかけています。
マスメディアやテレビ・雑誌・ラジオについてのより詳しい解説は、下記の記事が参考になります。あわせてご確認ください。
「マスメディアとは?種類や役割について解説」の記事を見る
Webメディアの特徴
スマートフォンやパソコンから、自らのタイミングで好みの情報を得ることができる「Webメディア」。
Webメディアとは、インターネットを利用して情報発信を行っているサイト全般のことを指します。例えば下記のものがあります。
■Webメディアの種類
- ニュースサイト
- ポータルサイト
- コーポレートサイト(ホームページ)
- キュレーションサイト(まとめサイト)
- ソーシャルメディア(Twitter・Instagram・TikTok・YouTubeなどのSNS、ブログ)など
近年Webメディアは、「第5のマスメディア」と呼ばれるほどの成長を遂げ、影響力を増し続けています。
例えば広告媒体費を見ても、テレビや新聞などの4大マスメディアを超えWebメディアが最も広告出稿を集める媒体になりました。
広報担当者は、Webメディアの動向や主要サイトのチェックをし、Webメディアにおいてもプレスリリースを取り上げてもらえるPR活動を行うようにしましょう。
Webサイトやソーシャルメディアの特徴や詳細について、下記の記事に詳しくまとめてあります。あわせてご覧ください。
「プレスリリースの配信先メディアを選ぶヒント!媒体の種類や特徴を解説」の記事を見る
プレスリリースを配信して、ラジオでPRを
ラジオ番組に情報を取り上げてもらうと、ファン層の厚い固定リスナーへ働きかけることができます。インターネットラジオで新たなリスナーを増やし続けているラジオ聴取層を取り込み、自社や自社商品・サービスをアピールしましょう。
そのためにも、まずはプレスリリース配信がポイントになってきます。
ラジオ記者や番組スタッフの目に留まるプレスリリースを作成し、自社のプロモート活動を広げましょう。
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