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「No.1」などの最上級表現に注意!プレスリリースで使うときに確認すること

ルールと書かれたメモを確認する女性

「1位」「最初」「日本一」「世界初」などの最上級表現をプレスリリースに使用する際は、条件が定められています。
最上級表現を使う場合の方法を使用例と共に解説していきます。

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最上級表現とは

メモをとる女性Hand, pen and writing in a notebook with a business woman sitting at a desk in her office for planning. Agenda, schedule and appointment with a female employee making a note in her journal or diary.

最上級表現とは、他と比べて優れていることを表す表現のことです。
例えば「一番」「日本初」「ランク1位」「人気No.1」などの用語が該当します。
最上級表現は注目を集めるとても魅力的な言葉ではありますが、広告やプレスリリースなどでこれらの表現を使用する際は、ルールを守る必要があります。

最上級表現の種類を一例で紹介

例と書くスーツ姿の男性

最上級表現の一例を種類別に分けて説明していきます。最上級表現は主に下記の3つに分類されます。

最大級表現

最大級表現とは、以下のような「最」の文字が入る表現や、他と比べた場合に優れていることを表す表現のことです。

例:最高、最大、最小、最強、最も、至高、最高峰、首位、ダントツなど
使用例:「業界内でも最高峰のサービスが登場」

これらは軽率に使うことがある表現ですが、プレスリリースなどで使用するには根拠の提示が必要です。最上級表現の根拠については「最上級表現の使用条件は」の章をご覧ください。

比較表現

比較表現とは、以下のように「一番」の状態であることを示す表現のことです。

例:日本一、世界初、唯一、No.1、第1位、ピカイチ
使用例:「地域ナンバー1の価格で提供」

比較表現は、最大級表現と同じく根拠を示すことで使用可能になる表現です。また「富士山は日本一の山です」といった明らかな客観的事実があるものにおいては使用可能です。

絶対的表現

絶対的表現とは、以下のような他と比べようのない確約を表す表現のことです。

例:絶対、必ず、100%、完璧、独占、これまでにない、当社だけ(のみ)
使用例:「業績アップを100パーセントお約束します」

特にサービスにおいては完全を保証するもの自体存在しないため、絶対的表現の使用が法律で禁止されています。
※全ての表現について、前後の文章によっては最上級表現に該当しない場合もあります。

最上級表現の使用条件は

最上級表現は、使用条件を満たしていれば使用しても問題ありません。
最上級表現を管理している公正取引委員会によると、「客観的な調査結果がある」「調査結果を正確かつ適正に引用している」場合は使用可能です。それぞれ説明していきます。

客観的な調査がある

最上級表現を使用する条件の一つは、「客観的な調査があること」です。
客観的な調査とは、マーケティング会社などの第三者機関でリサーチした、一般的に認められた方法で調査されたデータのことです。
例えば「日本一」「ランキング1位」などをうたう場合、特許権を取得していることや、マーケティング会社での調査結果があることで、客観的な調査として認められます。調査要件を満たしていれば、自社で調査したデータでも良いとされています。
また学術文献や、専門家や専門機関の見解なども客観的な調査となります。

調査結果を正確かつ適正に引用

もう一つの条件は、第三者機関でリサーチした客観的な調査や根拠を、正確・適正に引用することです。
いつ、どの機関で行われた調査なのか、記事や広告内に分かりやすく明記しましょう。Web上の表記である場合はリンクの設置が必要になります。
引用表記がない場合、景品表示法違反となる可能性があります。また企業としては社会的信用を失うことにもなりかねません。
景品表示法違反の罰則については、「最上級表現に違反するとどうなる?」の章で詳しく説明していきます。

引用について、下記の記事に詳しくまとめてあります。あわせてご確認ください。
「プレスリリースはどこまで引用OK?広報とメディアが知りたい引用と著作権のルール」の記事を見る

引用と似ている「転載」については下記の記事が参考になります。ご参照ください。
「「転載」と「引用」の違いとは。広報担当が持っておきたい知識を解説」の記事を見る

最上級表現使用のプレスリリース一例を紹介

最上級表現を使用している例を実際のプレスリリースで見てみましょう。
共同通信PRワイヤーの「プレスリリース配信サービス」をご利用いただいている企業の中には、客観的根拠を活かしたプレスリリースが多くあります。当社から配信しているプレスリリースの中から2社の事例をご紹介します。

■シュナイダーエレクトリックの次世代搬送システムを、オリオン機械工業が世界初導入企業の1社として採用
シュナイダーエレクトリック社では、次世代搬送システム「Lexium MC12」をオリオン機械工業株式会社が世界初導入の1社として採用した内容をプレスリリース配信しています。詳しくは下記をご覧ください。

シュナイダーエレクトリック「シュナイダーエレクトリックの次世代搬送システムを、オリオン機械工業が世界初導入企業の1社として採用」

■積水ハウス、「ディスクロージャー優良企業選定」で3年連続第1位を獲得
積水ハウス株式会社では、2023年度の公益社団法人日本証券アナリスト協会が実施する「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」にて「建設・住宅・不動産部門」3年連続第1位選定のプレスリリースを配信しています。詳しくは下記をご覧ください。

積水ハウス株式会社「積水ハウス、「ディスクロージャー優良企業選定」で3年連続第1位を獲得」

共同通信PRワイヤーでは、この他にもさまざまなプレスリリースを毎日配信しています。ぜひ参考にしてください。
プレスリリース配信サービスの共同通信PRワイヤー「新着プレスリリース」を見る

最上級表現に違反するとどうなる?

どちらに進むか迷うイメージDelays and disruptions. An insurmountable problem needs to be solved as soon as possible. Stopping the process, the impossibility of work and the collapse of progress. Critical error

最上級表現において違反をしてしまうと、さまざまな罰則が課されます。もし根拠がないまま最上級表現を記載してしまった場合、「景品表示法」の「優良誤認表示」「有利誤認表示」に該当する可能性があります。

優良誤認表示は、商品・サービスの品質や規格について、実際よりも著しく優れたものであると誤解させたり、競合他社よりも著しく優れたものであると誤認させるような表示のこと。有利誤認表示は、商品・サービスの価格や取引条件などが、実際のものや競合事業者よりも著しく有利であると誤解させる表示のことです。
根拠のない最上級表現の使用により、不当表示や不当景品を規制する法律「景品表示法」に触れてしまうと、措置命令と課徴金納付命令が下されます。
また企業においては最大のダメージとして「社会的信用の損失」が挙げられます。
一度失った信用の回復は容易ではありません。プレスリリース作成の際には今一度よく見直し、安易な表現を使用していないか注意して作成するようにしましょう。

Yahoo!の最上級表現ガイドライン

参考までに、日本最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」の最上級表現におけるガイドラインをチェックしておきましょう。

最大級・絶対的表現のあるクリエイティブは、以下を満たす必要があります。
(1) クリエイティブ内の表示が省略されない箇所に第三者によるデータ出典・調査機関名および調査年が明記されていること
(2) 調査データが最新の1 年以内のデータであること

出典:Yahoo! JAPAN「最上級表示、No.1 表示【第3章3.関連】

Yahoo! JAPANでは、「1年以内のデータ」で「第三者のデータ出典・調査機関名・調査年の明記」が必要になります。これらに該当しないデータでは違反となります。
Yahoo! JAPANにおける最大級・絶対的表現の例も同ページ内に挙げられているので、参考にしましょう。

その他の違反表現

注意マークを虫眼鏡で拡大するSystem warning error caution sign and maintenance showing. cyber attack on online network error system. Cybersecurity vulnerability, data breach, illegal connection, compromised information.

最上級表現の他に気を付けたい違反表現に「医療法」「薬事法」があります。特に医薬品や化粧品などの商品やサービスに関わることがある場合は覚えておきましょう。

医療法と薬機法

医療関係や医薬品、化粧品などの商品やサービスにおいて、原則として最上級表現は使用することができません。
なぜなら医療・医薬品などの適正な価格や品質が保たれなくなってしまう恐れがあるからです。
根拠なく最上級表現を使用した場合は「医療法」と「薬機法」に抵触する可能性があります。
ただし化粧品においては、「客観的事実に基づく具体的な数値」および「根拠」を示すことで最大級表現を使用することができる場合があります。
使用の際はデータや根拠を明確に提示できる場合のみ使用し、事実に基づいた表記を心掛けるようにしましょう。

誇大表現など、プレスリリースにおける違反表現について、以下の記事も参考になります。ご参照ください。
「誇大表現に注意!プレスリリースを書くときに気をつけたい注意点」の記事を見る

最上級表現に頼らずインパクトを出す方法

インパクトひらめきイメージ

最上級表現を使わなくとも視線を集めるプレスリリースの作成は可能です。
メディアに取り上げられやすいプレスリリース「ニュースバリューのあるプレスリリース」のテクニックをご紹介します。

ニュースバリューのあるプレスリリースを作成しよう

ニュースバリューとは、報道に値すると認められるようなニュースの重要性・価値のことです。
例えば、画期的な商品・サービスなどを発表する「新規性」や、ギャップや驚きのある「意外性」、世の中のトレンドなどをおさえる「時事性」など、メディアが報道する価値のある情報のことを指します。一例を見てみましょう。

  • 新サービスや新商品の発表
  • キャンペーンや新CM の発表
  • イベント開催前後の報告
  • 商品やサービスの売れ行きが好調というお知らせ
  • 会社の経営計画や決算、社名変更等の発表
  • 他社との業務提携、新会社設立
  • 人事の発表 など

これらの情報をタイトルに取り入れ、インパクトのある見出しを作成しましょう。最上級表現を使用しなくても、話題性のあるプレスリリースを作成することができます。
タイトルを作成する際は30文字前後になるように、簡潔にまとめて作りましょう。情報が多く文字数が収まりきらない場合は、サブタイトルを添えてタイトルを補足してもかまいません。

タイトルのつけ方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
「記事になりやすいプレスリリースのタイトルのつけ方は?」の記事を見る

メディアが求めるプレスリリースのネタについては、下記の記事にて詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
「プレスリリースのネタ10選!ネタ探しの方法や取り上げられやすいポイント」の記事を見る

最上級表現はポイントを守り注意して使用を

最上級表現において、根拠のない表現や誇張表現を使用すると、法律に抵触してしまうだけでなく、自社の社会的信頼を損なってしまう可能性があります。
一方でリスクを負う最上級表現よりも、法令に則り、事実を正確に伝えている、社会的インパクトのある情報の方が重要視されているという社会の流れもあります。メディアや生活者に求められている情報を的確にキャッチし、ルールを守りながら記事化されるプレスリリースの作成を行いましょう。

プレスリリース配信サービスを利用すると、自社のプレスリリースを効率よくメディアに届けることができます。
プレスリリースの配信サービスのご利用をご検討の方は、下記のページをご覧ください。
共同通信PRワイヤー「国内プレスリリース配信サービスのご案内」

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