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インバウンド需要の拡大と海外配信
訪日外国人客の増大とインバウンド市場の拡大
インバウンド=日本に観光で訪れる外国人観光客が右肩上がりに増加しています。 日本政府観光局の資料によると、2017年は2,869万人と過去最高を記録しました。 国を挙げてのインバウンド対策は、2003年の「ビジット・ジャパン」から始まりました。ビジット・ジャパンは、訪日外国人客を増やし経済効果を高めることを目的に、国土交通省を中心に官民一体となって進められました。 その後インバウンドは、リーマンショック(2009年)と東日本大震災(2011年)を乗り越えて順調に増加し、さらに急増しています。 政府では2020年の訪日外国人数の目標数値を4,000万人としています。
観光局の資料によると、2017年の訪日外国人による経済効果は約4兆4,162億円と推計されています。 そして、2020年のインバウンド消費額を8兆円とする目標を定めています。 インバウンド市場のポテンシャルは大きく、新たなビジネスチャンスをもたらしているようです。
海外向けプレスリリース配信の増加
共同通信PRワイヤーでは、日本国内の企業・団体が海外メディアに向けてプレスリリースを配信する、海外配信サービスをご提供しています。
海外配信サービスを利用していただいている会員数は、全体の約10分の1の490社(累計)で、配信数は年276本となっています(いずれも2016年度実績)。
海外向けプレスリリースの内容を見ると、やはりインバウンド向けの商品・サービスに関連するものが大半を占めるようになってきました。 また、2014年以降は地方創生政策の影響もあり、地方自治体が発信元の海外向けプレスリリースが増加傾向にあります。しかも、都道府県から市区町村へと拡大しているようです。
インバウンド対策のプレスリリース事例
それでは、インバウンド向けの海外向けプレスリリース事例を、2つご紹介します。
パークホテル東京の「アーティストルーム」リリース
東京都の三ツ星ラグジュアリーホテルとして国内外に知られる株式会社芝パークホテルでは、インバウンド向けの海外プレスリリース配信を定期的にご利用いただいています。
今回ご紹介するのは、姉妹ホテルであるパークホテル東京が取り組んでいる「アーティスト・イン・ホテル プロジェクト」が、第3回「ジャパン・ツーリズム・アワード」を受賞したという内容のプレスリリースです。 パークホテル東京では「作家が作る部屋」というコンセプトのもとに、客室の壁紙にアーティストが直接絵を描いたり原画やオブジェを壁に設置して独自の世界観を表す「アーティスト・イン・ホテル プロジェクト」を展開しています。 現在アーティストフロア(31階)のすべての客室(31部屋)が「アーティストルーム」として利用されています。豊後高田市の “映画と町” のPRリリース
前述のように、最近では地方自治体のインバウンド向け海外プレスリリースが増えています。 しかも、都道府県レベルから市区町村へと拡大しているようです。 多くの自治体が、インバウンドを呼び込むことで、地元での消費の拡大を期待しています。 大分県北部 国東半島の北西部に位置する豊後高田市は、「千年のロマンと癒しの旅」をキャッチフレーズに、観光振興に力を入れています。また、同市の名所の一つ、昭和30年台の街並みを再現した「昭和の町」は、数々の映画やテレビドラマのロケ地として有名になりました。
今回ご紹介するのは、豊後高田市で撮影された映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」の中国公開開始と町のPRリリースです。 豊後高田市は、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」のロケ地になりました。リリースの中では、作品の中にも登場する「恋叶ロード」などの名所が案内されています。 また、中国語の撮影場所ガイド、「昭和の町」中国語ガイド、そして中国語にも対応した豊後高田市の観光公式サイトへのリンクも紹介されています。 プレスリリースを配信した後の、レスポンスに対する体制がきちんと整備されているようです。グローバルPRの第一歩
共同通信PRワイヤーの海外プレスリリース配信サービス
インバウンド対策以外の分野でも、海外向けのプレスリリース配信数は伸びています。 例えば、政府が推進するクールジャパン関連の日本の食・文化の海外PR、製造業の輸出拡大に伴う製造業の海外向けの製品PRや国際展示会への出展リリース、ダウンロード数アップを狙いとするゲームアプリなどのITサービスも、海外プレスリリース配信を利用しています。 このように、今や「海外配信は当たり前」の時代になりつつあります。 かつては、海外メディアへのアプローチは、大変敷居の高いPR活動でした。海外広報のスキルやマンパワー不足、予算などの壁・・・。 しかし現在、海外配信サービスを利用すれば、比較的簡単に海外広報、グローバルPRに取り組むことができます。 英文で完成原稿を作成していただければ、あとは共同通信PRワイヤーの専門スタッフにご相談ください。 世界35,000媒体・150万カ所、配信先パッケージ約450回線の中から、最適な配信先をアドバイスさせていただきます。 また、各国事情や文化的背景を考慮した上でのリリース内容のチェック、最適な配信日時の検討なども行います。 英文でのリリース原稿作成が難しい場合には、弊社でも翻訳を有料で承ります。 安心してお任せください。
グローバルPRのための体制づくり
プレスリリースは配信して終わりではありません。そこからがスタートです。 メディアからレスポンスがあった場合に、応えていく必要があります。 海外メディアの場合には、電話よりもメールで問い合わせがくることがほとんどです。 プレスリリースには発信元、問い合わせ先、担当などを記載しますが、その際は英語か現地語で対応できるスタッフのメールアドレスを記載しておくのが理想です。 転送するという手段もありますが、たとえば「info@」など多くのメールが届くメールアドレスではせっかくの問い合わせメールを見落としかねません。 記者は少しでも早く記事化したいはずですから、問い合わせに返信できないとせっかくのチャンスが水の泡です。 また、配信先メディアや読者がより詳しい情報にアクセスできるよう、リリース配信前に英文やターゲット国の現地語に対応したホームページやPDF資料の用意、FAQなどを用意しておくことも大切です。 グローバルPRの、初めの一歩を踏み出しましょう。 共同通信PRワイヤーがお手伝いいたします。