INOVIOのCOVID-19 DNAワクチンINO-4800が前臨床モデルで強力な中和抗体とT細胞免疫反応示す

INOVIO Pharmaceuticals, Inc.

AsiaNet 84094 (0799)

 

【プリマスミーティング(米ペンシルベニア州)2020年5月20日PR Newswire=共同通信JBN】

*SARS-CoV-2に対する強力な中和抗体の生成とT細胞反応を示したとネイチャー・コミュニケーションズ誌で発表

 

*第1相臨床試験の安全性と免疫反応の予備データは6月に出る予定

 

*複数の動物負荷試験データが数週間以内に出る予定

 

*第2/3相有効性試験は7月/8月に開始予定で、規制当局の承認待ち

 

INOVIO(NASDAQ:INO)は20日、同社のCOVID-19 DNAワクチン、IN0-4800がコロナウイルスSARS-CoV-2に対し強力な中和抗体とT細胞免疫反応を示したとする前臨床試験データの掲載を発表した。同研究は、INOVIOの科学者とウィスター研究所、テキサス大学、英公衆衛生庁、復旦大学、Advaccineの共同研究者により、「Immunogenicity of a DNA vaccine candidate for COVID-19(COVID-19 DNAワクチン候補の免疫原性)」と題して査読付き専門誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載された。

 

INOVIOのR&D担当上級副社長で、COVID-19ワクチン開発のチームリーダーであるケイト・ブロデリック博士は、次のように語った。

「当社のCOVID-19 DNAワクチン(INO-4800)の良好な前臨床結果は、当社のDNA医薬品プラットフォームの有効性を際立たせただけではない。好結果の基礎には、同様に設計された当社のワクチンINO-4700が、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こすコロナウイルスに対しほぼ100%の抗体陽転と中和を示したという、既に報告済みの良好な第1/2a相試験データがあった。強力な中和抗体とT細胞免疫反応が複数の動物モデルで生成されたことは、現在進行中のINO-4800臨床試験の支援材料だ」

 

INO-4800の標的は、COVID-19疾患を引き起こす、SARS-CoV-2ウイルスの主要な表面抗原スパイクタンパク質である。臨床試験では、INO-4800をワクチン接種したマウスとモルモットに強力な結合抗体と中和抗体の生成とT細胞反応が表れた。重要なのは、著者らが、ウイルスの感染を阻止できる抗体を生成するワクチンの能力を以下の3つの別々の中和アッセイを使用してテストし、ウイルスの中和活性を実証したことである。(1)生きているSARS-CoV-2ウイルスを使用するアッセイ(2)別のウイルスでSARS-CoV-2スパイクタンパク質が表れる、疑似ウイルスアッセイを使用したアッセイ(3)SARS-CoV-2スパイクのホストACE2受容体との結合を阻止するINO-4800誘導抗体の能力を測定する新たな高スループット代理中和アッセイ。研究著者らはまた、ワクチン接種後の動物の肺でこれらの抗体を検出したが、これはSARS-CoV-2に対する防御の提供に重要な役割を果たした可能性がある。さらに、INO-4800ワクチン接種で高レベルのスパイク特異的T細胞反応が観察されたが、これもウイルスの感染防御の媒介に重要な役割を果たした可能性がある。以上のことから、この前臨床データセットは、INO-4800がこの新たな疾患の脅威に対する有望なCOVID-19ワクチン候補であることを示している。

 

INOVIOの社長兼最高経営責任者(CEO)、J・ジョセフ・キム博士は「INOVIOと当社の共同研究者は、現下のパンデミックとの闘いを支援するINO-4800の開発を前に進めるため、たゆまぬ努力を続けている。今回の良好な前臨床結果を次の動物負荷試験データや第1相試験の安全性、免疫反応データと合わせて活用し、今夏の大規模・無作為化第2/3相臨床試験への迅速な移行につなげていく予定だ」と語った。

 

INOVIOがCOVID-19ワクチン開発を迅速に進められるのは、パンデミックの可能性がある新型ウイルスのワクチンの迅速な開発に最適なDNA医薬品プラットフォームをベースにしているからである。INOVIOは、GeneOne Life Scienceおよびウォルター・リード陸軍研究所と共同で、関連コロナウイルスであるMERS-CoVのDNAワクチン、INO-4700の開発をヒトでの評価段階にまで進めた最初の企業である。INO-4700は、第1/2a相臨床試験で良好なデータが得られた唯一のMERS-CoVワクチンで、INOVIOは現在、MERSウイルスの大流行が集中的に起きている中東で、より規模の大きなINO-4700第2相試験を開始する準備を進めている。こうした取り組みは、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)の資金援助を受けている。

 

▽INO-4800について

INO-4800は、COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスSARS-CoV-2に効果を発揮するようつくられたINOVIOのDNAワクチン候補である。INO-4800は、COVID-19を引き起こすコロナウイルスの遺伝子配列の発表後、INOVIO独自のDNA医薬品プラットフォームを使用し、迅速に設計された。INOVIOはコロナウイルス関連業務の経験が豊富で、中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こす関連コロナウイルス用の第2a相ワクチンを有する唯一の企業である。

 

▽INNOVIOのINO-4800開発促進国際協調体制について

INOVIOは、INO-4800の開発を急ぐため、共同研究者、パートナー、資金提供者の国際協調体制をつくり上げた。現在までのR&D共同研究者は、ウィスター研究所、ペンシルベニア大学、テキサス大学、復旦大学、ラバル大学などである。INOVIOは、Advaccine、国際ワクチン研究所と提携、それぞれ中国および韓国でINO-4800の臨床試験を進めている。INOVIOは、英公衆衛生庁(PHE)、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)と共に、いくつかの動物負荷モデルでINO-4800の前臨床効果の評価もしている。INOVIOはまた、INO-4800の生産でVGXI, Inc.、Richter-Helm BioLogics、Ology Bioservicesなどの受託製造業者チームと協力しており、安全で効果的なワクチンに対する世界的需要の急迫を満たすべく、生産能力拡大のための追加の外部資金とパートナーシップを求めている。これまでに感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、米国防総省(DOD)が、INO-4800の開発と製造に多額の資金を提供してくれた。

 

▽INOVIOのDNA医薬品プラットフォームについて

INOVIOには現在、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連疾患、がん、さらにMERS関連コロナウイルス、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)の助成金を得ているCOVID-19疾患を含む感染症に焦点を当てた15のDNA医薬品臨床プログラムがある。DNA医薬品は、コンピューターシーケンス技術によって合成または再編成され、体内で特定の免疫反応を発現させるよう設計された小さな環状の2本鎖構造である、最適化されたDNAプラスミドから成る。

 

INOVIOのDNA医薬品は、CELLECTRA(R)と呼ばれるINOVIO独自の携帯スマートデバイスを使用して、最適化されたプラスミドを筋肉注射または皮内注射で細胞に直接送達する。CELLECTRAは、短い電気パルスを使い、細胞内に小さな孔を可逆的に開けてプラスミドの侵入を可能にしており、他のDNAや、mRNAといった他の核酸法の大きな制約を克服した。細胞内に入ったDNAプラスミドは、細胞が目的とする抗原を生成できるようにする。抗原は細胞内で自然に処理され、望ましいT細胞と抗体を介した免疫反応を引き起こす。CELLECTRAデバイスを使用した投与により、DNA医薬品が体の細胞に直接送達され、そこで直ちに免疫反応を引き起こしにかかることが可能になる。INOVIOのDNA医薬品は、個人のDNAをいかなる方法でも妨害したり、改変したりすることはない。INOVIOのDNA医薬品プラットフォームの利点は、DNA医薬品の生成と生産の速さ、保管、輸送中の凍結を必要としない製品の安定性、臨床試験で実証されてきた持続性のある免疫反応、安全性プロファイル、忍容性である。

 

2000人以上の患者が様々な臨床試験において6000以上の適用でINOVIOのDNA治験薬を投与されており、INOVIOには世界中の差し迫った健康ニーズを満たすDNA医薬品候補を迅速に生み出してきた優れた実績がある。

 

▽INOVIOについて

INOVIOは、感染症、がん、HPV関連疾患を患う人々を守り、治療する精密設計DNA医薬品の迅速な市場投入に重点的に取り組むバイオテクノロジー企業である。INOVIOは、独自のスマートデバイスを介して体内の細胞にDNA医薬品を直接送達し、強力かつ忍容性の高い免疫反応を発現させられることを臨床的に実証した最初で唯一の企業である。具体的には、前がん性子宮頚部異形成に対する第3相試験が現在行われているINOVIOの主力候補薬VGX-3100は、第2b相臨床試験で高リスクのHPV16型、18型を死滅させ、除去した。高リスクHPVは、子宮頸がんの70%、肛門がんの91%、外陰がんの69%の原因となっている。HPV関連がん、希少HPV関連疾患である再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)、非HPV関連がんである多形膠芽腫(GBM)や前立腺がんを対象とするプログラムも開発中で、外部資金によるジカ、ラッサ熱、エボラ、HIV、MERS関連コロナウイルスおよびCOVID-19疾患の感染症DNAワクチン開発プログラムもある。パートナーおよび共同研究者には、Advaccine、ApolloBio Corporation、アストラゼネカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)、米国防高等研究計画局(DARPA)/米国防総省(DOD)、GeneOne Life Science/VGXI、HIV Vaccines Trial Network、国際ワクチン研究所(IVI)、Medical CBRN Defense Consortium(MCDC)、国立がん研究所、国立衛生研究所、国立アレルギー・感染症研究所、Ology Bioservices、パーカーがん免疫療法研究所、Plumbline Life Sciences、Regeneron(リジェネロン)、Richter-Helm BioLogics、Roche/Genentech(ロシュ/ジェネンテック)、ペンシルベニア大学、ウォルター・リード陸軍研究所、ウィスター研究所が含まれている。INOVIOは、取締役会に20%以上の女性がいる企業を顕彰する「2020 Women on Boards」の 「W」称号も授与されている。詳細については、www.inovio.com を参照。

 

▽問い合わせ先

メディア向け:

Jeff Richardson

+1-267-440-4211

jrichardson@inovio.com

 

投資家向け:

Ben Matone

+1-484-362-0076

ben.matone@inovio.com

 

ソース:INOVIO Pharmaceuticals, Inc.

 

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