ファーウェイがより環境に優しい未来に向けたスマートPVの10大トレンドを発表

ファーウェイ(Huawei)

 

 

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【深セン(中国)2022年12月26日PR Newswire=共同通信JBN】ファーウェイ(Huawei、華為技術)は、「主要電力源としての太陽光の推進」をテーマに「スマート太陽光発電(PV)の10大トレンド」会議を開催した。会議では、ファーウェイのChen GuoguangスマートPV+ESS事業プレジデントが、マルチシナリオ提携、デジタルトランスフォーメーション、安全性強化の観点から、スマートPVの10のトレンドについて、ファーウェイの知見を紹介した。

 

再生可能エネルギーの比率が高まるにつれ、PV産業は急成長を遂げたが、平準化電力コスト(LCOE)の継続的削減、運用・保守効率の向上、再生可能エネルギーの供給増に伴う電力網の安定性維持、エンドツーエンドのシステムの安全性確保をいかに進めるかなど、数多くの課題に直面している。

 

Chen Guoguang氏は「PV産業が急成長する中、これらの課題はチャンスでもある」と語った。未来志向の企業として、ファーウェイはパートナー企業や、環境に優しく持続可能な開発に関心のある企業や個人と、当社の知見や考えを積極的に共有していきたいと考えている。

 

▽トレンド 1:PV+ESS発電機

 

再生可能エネルギーの電力網への供給が増えるにつれ、システムの安定性、電力バランス、電力品質などの面でさまざまな複雑かつ技術的な問題が起きている。

 

そのため、有効・無効電力制御や対応機能を高め、周波数と電圧の変動を能動的に低減する新たな制御モードが必要になっている。PVと電力貯蔵システム(ESS)の統合およびグリッドフォーミング技術により、電流電源制御の代わりに電圧電源制御を使用し、強力な慣性サポート、過渡電圧の安定化、事故時運転継続機能を提供する「スマートPV+ESS発電機」をつくることができる。これにより、PVはグリッドフォローからグリッドフォーミングへと変化し、PVの供給を増やしやすくなる。

 

こうした技術の実用化における節目となったのがサウジアラビアの紅海プロジェクトで、ファーウェイは主要パートナーの1つとして、スマートPVコントローラー、リチウム電池電力貯蔵システム(BESS)を含むソリューション一式を提供した。同プロジェクトは、400MWのPVと1.3GWhのESSを使用して電力網をサポート、従来のディーゼル発電機に代わるクリーンで安定した電力を100万人に供給し、100%再生可能エネルギーを電力源とする世界初の都市を建設している。

 

▽トレンド 2: 高い密度と信頼性

 

太陽光発電所では、機器の高い出力と信頼性がトレンドになる。PVインバーターを例に取ると、インバーターの直流電圧は今や1100Vから1500Vに上がっている。炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)といった新材料の採用や、デジタル技術、パワーエレクトロニクス技術、熱管理技術の完全統合により、インバーターの電力密度は、信頼性の高さはそのままに、今後5年間で約50%上がると予測されている。

 

中国青海省の2.2GWの太陽光発電所は海抜3100mにあるが、この過酷な環境下で9216台のファーウェイ製スマートPVコントローラー(インバーター)を安定稼働させている。ファーウェイ製インバーターの総稼働時間は2000万時間を超え、稼働率は99.999%に達している。

 

▽トレンド 3:モジュールレベルのパワーエレクトロニクス (MLPE)

 

分散型PVは、業界の方針と技術の進歩に後押しされ、近年活発な発展を遂げている。一方で、屋根上面の利用率をいかに高めるか、高いエネルギー収量をいかに確保するか、PV+ESSシステムの安全性をいかに確保するかといった課題にも直面している。そのために欠かせないのが、より精緻な管理である。

 

PVシステムにおいて、モジュールレベルのパワーエレクトロニクス(MLPE)とは、マイクロインバーター、パワーオプティマイザー、断路器など、1つまたは複数のPVモジュールを精緻に制御できるパワーエレクトロニクス機器を指す。MLPEは、モジュールレベルの発電、監視、安全なシャットダウンなど、他にはない価値をもたらしてくれる。PVシステムの安全性とインテリジェント化が進む中、分散型PV市場におけるMLPEの普及率は2027年までに20%から30%に達すると予想されている。

 

▽トレンド 4:ストリング電力貯蔵

 

従来の集中型ESSソリューションと比較して、スマート・ストリングESSソリューションは、分散型アーキテクチャとモジュール設計を採用している。革新的な技術とデジタル・インテリジェント管理により、電池パックレベルで電力を最適化し、ラックレベルで電力を制御する。その結果、より多くの放電電力、最適な投資、シンプルな運用・保守、そしてESSのライフサイクルを通しての安全性、信頼性が実現する。

 

2022年、東南アジア最大のBESSプロジェクトであるシンガポールの周波数調整・瞬動予備力用の200MW/200MWhのESSプロジェクトに導入されたスマート・ストリングESSは、精緻な充放電管理機能を実装、より長時間にわたり一定の出力を実現し、周波数調整のメリットを確かなものにしている。また、電池パックレベルでのSOC自動校正機能により、人件費が削減され、運用・保守の効率が大幅に向上した。

 

▽トレンド 5:電池レベルの精緻な管理

 

PVシステムがMLPEに移行しつつあるのと同様に、リチウムBESSも管理レベルの小型化に向け発展していこうとしている。電池レベルの精緻な管理だけが、効率や安全性の問題により上手に対処できる。現在,従来のバッテリー・マネジメント・システム(BMS)は限られたデータの要約、分析しかできず、故障を検知して早期に警告を発することはほとんど不可能である。そのため、BMSはより高感度でインテリジェント、さらに予測できる必要がある。これは、大量のデータの収集、コンピューティング、処理、そして最適な運転モードの発見や予測を行うAI技術にかかっている。

 

▽トレンド 6:PV+ESS+電力網の統合

 

発電面では、PV+ESSのクリーンエネルギー拠点を構築し、超高圧送電線を通じて負荷センターに電力を供給する事例が増えている。電力消費面では、多くの国で仮想発電所(VPP)の普及が進んでいる。VPPは、大規模な分散型PVシステム、ESS、制御可能な負荷を組み合わせ、発電ユニットや蓄電ユニットに柔軟なスケジューリングを行い、ピークシェービングなどを実現する。

 

従って、PV+ESS+電力網を統合し、PVの電力供給と電力網への供給をサポートする安定したエネルギーシステムを構築することが、エネルギー安全保障確保の重要手段となる。当社は、デジタル技術、パワーエレクトロニクス技術、電力貯蔵技術を統合し、マルチエネルギー相補を実現できる。仮想発電所(VPP)は、5G、AI、クラウド技術など複数の技術を通じて、大規模分散型PV+ESSシステムの電力をインテリジェントに管理、運用、取引できる。これは、より多くの国々で実行に移されていくだろう。

 

▽トレンド 7:安全性の向上

 

安全性は、PV・ESS産業発展の基礎となる。そのためには、全てのシナリオとリンクを体系的に検討し、パワーエレクトロニクス、電気化学、熱管理、デジタル技術を完全に統合して、システムの安全性をアップグレードする必要がある。太陽光発電所では、直流側に起因する故障が全体の70%以上を占める。そのため、インバーターはスマート・ストリング切断と自動コネクター検出をサポートしている必要がある。分散型PVシナリオでは、アーク故障回路遮断器(AFCI)機能が標準構成となり、モジュールレベルの迅速シャットダウン機能により、保守要員や消防士の安全が確保されるようになる。ESSシナリオでは、パワーエレクトロニクス、クラウド、AIなど複数の技術を駆使して、電池からシステム全体までESSの精緻な管理を実現する必要がある。受動的対応と物理的隔離をベースとする従来の保護モードを能動的、自動的な保護に変え、ハードウエアからソフトウエア、構造からアルゴリズムに至るまで多次元の安全設計が実装される。

 

▽トレンド 8:セキュリティーと信頼性

 

PVシステムには、メリットだけでなく、機器の安全性や情報セキュリティーなどさまざまなリスクもある。機器の安全性リスクとは、主に故障による停止を指す。情報セキュリティーリスクとは、外部からのネットワーク攻撃のことである。これらの課題や脅威に対処するため、企業や組織はシステムや機器の信頼性、可用性、安全性、回復力を含めた、完璧な「セキュリティーと信頼性」管理メカニズムを確立する必要がある。データのプライバシーだけでなく、個人や環境の安全性確保も実施する必要がある。

 

▽トレンド 9:デジタル化

 

従来の太陽光発電所には大量の機器があるにもかかわらず、情報の収集や報告経路が不足していた。また、ほとんどの機器は互いに「通信」できないため、精緻な管理を行うことが非常に困難である。

 

5G、インターネット・オブ・シングス(IoT)、クラウドコンピューティング、センシング技術、ビッグデータといった高度なデジタル技術の導入により、太陽光発電所は情報を送受信し、「ビット」(情報の流れ)を使って「ワット」(電力の流れ)を管理できる。発電-送電-蓄電-配電-消費という一連の流れを可視化し、管理、制御できる。

 

▽トレンド 10:AIの活用

 

エネルギー産業がデータの時代へと向かう中、データをいかにうまく収集、活用し、その価値を最大化するかが、業界全体の最大の関心事の1つとなっている。

 

AI技術は再生可能エネルギー分野に幅広く活用でき、製造、建設、運用・保守、最適化、業務などPV+ESSのライフサイクル全体で欠くことのできない役割を果たしている。AIとクラウドコンピューティングやビッグデータなどの技術の融合は深化し、データ処理、モデル学習、導入・運用、安全監視などに焦点を当てたツールチェーンが充実していくだろう。再生可能エネルギー分野では、パワーエレクトロニクスやデジタル技術と同様に、AIが業界の広範囲な変革を推進していくだろう。

 

Chen Guoguang氏は最後に、5G、クラウド、AIを集中的に活用することで、あらゆるものが感知でき、あらゆるものがつながり、あらゆるものがインテリジェント化する世界が形づくられつつあると語った。それは、われわれの考える以上に速くやってきている。ファーウェイは、PV業界の10大トレンドを明らかにし、近未来の環境に優しくインテリジェントな世界を描き出した。当社は、あらゆる職業・社会的地位の人々が手を携えてカーボンニュートラル目標を達成し、より環境に優しく、より良い未来を築くことができるよう願っている。

 

ソース:Huawei

 

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