クオリティー・ペーパーの解説
「クオリティー・ペーパー」(quality paper)とは、高級紙(質の高い新聞)のこと。クオリティ・プレス(quality press)ともいう。対義語は、ポピュラー・ペーパー(popular paper=大衆紙)。
大衆紙のようにスキャンダルやゴシップ記事を主観的かつセンセーショナルに取り上げるのではなく、政治・経済や国際問題などを客観的な論評を行った上で掲載する。米「ワシントン・ポスト」や「ニューヨーク・タイムズ」、仏「ル・モンド」、英「ザ・タイムズ」や「ガーディアン」などが代表例。
高級紙と大衆紙の二極化は、19世紀末のイギリスから始まった。工業化と教育の普及にともない、新聞は労働者階層向けの大衆紙と、知識層向けの高級紙に分かれていった。大衆紙は判のサイズから「タブロイド紙」と呼ばれている。
高級紙は大衆紙に比べると発行部数ははるかに少ないが、社会の指導者層に大きな影響力を持っている。日本には高級紙は存在しないとされている。米国でも高級紙の購読者は少数派と言われている。