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パブリックリレーションズとは?広報担当者が知っておくべき意味や定義を解説

パソコンにPRの文字Pr- Public Relations. Business concept

PRや広報とも言われる「パブリックリレーションズ」。
広報担当者としては知っておきたい用語ですが、正しい意味を理解できているでしょうか。
本記事ではパブリックリレーションズの定義から種類、課題、企業や自治体による事例まで詳しく解説していきます。

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パブリックリレーションズとは

PRイメージMale messages and marketing communication concept represented by megaphone and blue color. Marketing communication focused on man, 3D render.

パブリックリレーションズは英語で「public relations」。省略して「PR」とも言われます。パブリックリレーションズの意味や定義、各用語の違いを説明していきます。

パブリックリレーションズの定義

パブリックリレーションズとは、パブリック(公衆)とのリレーションズ(関係)。それは、組織とその組織を取り巻く個人や集団との望ましい関係を作り出すための考え方と活動のあり方です。19世紀末から20世紀にかけてアメリカで発展し、日本には戦後に導入されました。現在では、企業・団体・官公庁など、あらゆる組織の運営に欠くことのできない活動になっています。
2023年6月、日本広報学会では、次のように定義されました。

「組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である。」

つまりパブリックリレーションズとは、組織とステークホルダーとの双方向のコミュニケーションによって、良好な相互の関係性を構築し維持していくマネジメントである、ということです。

企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)には、消費者・顧客、従業員、株主・投資家、取引先、行政機関、金融機関、地域住民、メディアなどがあります。パブリックリレーションズには、それぞれの対象に対して、消費者には商品情報を提供し、従業員向けには社内広報、株主・投資家向けにはIR(Investor Relations)、メディアにはプレスリリースの提供や記者発表など、さまざまな活動を通して、より良い関係を構築・維持することが求められています。

パブリックリレーションズと広報の違いは

パブリックリレーションズと広報は、どちらも企業・組織がステークホルダーとの良好な関係を構築・維持することを目的としており、同じものだと言ってよいでしょう。

ただし、「広報・広聴」と対比して説明される場合は、広報は主に情報を発信し、伝える機能であり、広聴は人々の考えや意見などを広く聴いて社内にフィードバックする機能であるとして、使い分けられます。

パブリックリレーションズ(Public Relations)の略である「PR」は、本来はパブリックリレーションズと同じ意味ですが、例えば「自己PR」という場合には「アピール」という意味で使われています。また、雑誌などで記事体広告のページに「PR」と表示されるケースなどでは「広告・宣伝」という意味になります。
混乱しないよう、場面や文脈によって上手く使い分けるようにしましょう。

パブリシティと広告、プロモーションとの違い

パブリシティ(publicity)は、直訳すると「宣伝」ですが、広報業界では「報道」や「メディア露出」の意味で使われています。
例えばメディアにプレスリリースを配信したり記者発表会を行ったりした結果として、報道されたり記事として掲載された場合には、「パブリシティに繋がった」と言ったりします。

広告は、広告主がテレビCMや新聞などの広告枠を購入し、自社が発信したい内容を自らの表現で自由に掲載するものです。
パブリシティは、情報を伝えるという点では広告と同じですが、広告のように枠を購入するものではありません。メディアにプレスリリースなどの情報を提供し、メディアがニュース価値があると判断すれば、新聞やテレビなどで報道されます。
報道の内容はメディアに一任されるため、自社でコントロールすることはできません。しかし、メディアという客観的で中立的な第三者によって報道されるため、広告に比べて情報の信頼度は高くなります。

プロモーションとは、商品やサービスに関する「販売促進のための仕組み」づくりを意味します。
活動としては、広告宣伝、人的販売、セールスプロモーションなどですが、パブリックリレーションズの一部を含めて定義される場合もあります。含められるのは、主に商品やサービス関連のプレスリリースやホームページ掲載、SNSへの情報発信など、消費者・顧客への販売促進につながるケースです。

広報の現場では、マーケティングや販売促進に関連する部署と連携しながら、プレスリリースの作成やメディア対策をすることになります。これも広報担当者の重要な任務です。覚えておきましょう。

パブリシティについて、以下の記事にて詳しく説明しています。ご参照ください。
「「パブリシティ」とは何?意味やプレスリリースとの関係を解説」の記事を見る

パブリックリレーションズの種類

種類イメージ

パブリックリレーションズにはその活動目的や対象により分類があります。主要な6つの分類を一例を挙げながら説明していきます。

■メディア・リレーションズ

  • 新聞やテレビ、雑誌、ラジオ、Webメディアなどの記者・担当者と、良好な関係を築くための活動全般 
  • プレスリリースの配信、記者発表会、プレス向けイベントの開催、メディアキャラバンなど

メディアリレーションズについては、以下の記事に詳しく説明しています。あわせてご確認ください。
「 メディアリレーションズで大切なこととは?メディアとの関係構築に必要なポイント7選」の記事を見る

■インベスター・リレーションズ

  • 株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績、今後の見通しなどを情報提供するための活動
  • ディスクロージャー資料の送付、決算説明会や各種説明会の開催、施設見学会など

■エンプロイー・リレーションズ

  • 企業と従業員の良好な関係構築、情報共有、満足度の向上、企業風土の醸成などの活動
  • 社内報、社長懇談会、社内イベント、社員アンケートなど

■カスタマー・リレーションズ

  • 生活者、消費者、取引先など顧客との良好な関係を築くための活動全般
  • プレスリリースの配信、SNSでの配信、PR誌の配布、施設見学会など

■コミュニティ・リレーションズ

  • 企業や行政が地域住民と良好な関係を築くために行う活動
  • プレスリリース、広報誌紙、施設見学会、公聴会、交流イベントなど

■ガバメント・リレーションズ  

  • 企業や団体が自分たちの活動目的を達成するために、政府・行政との関係を築いていく活動
  • 関係者からの情報収集、ロビー活動、セミナー・討論会の実施など

プレスリリースとは何か、その配信効果やメディア掲載のポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご確認ください。
「プレスリリースとは?配信の効果、メディア掲載のポイントを解説」の記事を見る
プレスリリースとニュースリリースの違いについては、以下の記事が参考になります。似た言葉の違いを理解したい方は、あわせてご参照ください。
「プレスリリースとニュースリリースの違いとは?似た言葉との違いを解説」の記事を見る

パブリックリレーションズの機能

機能イメージPR Public relations concept. Communication advertising marketing strategy

パブリックリレーションズには、ステークホルダーとの関係を構築するために下記の5機能があると言われてます。パブリックリレーションズの持つ5つの機能を説明していきます。

  1. 社内情報の収集
  2. 社内情報を社内へ発信する(社内広報)
  3. 社内情報を社外へ発信する(対外広報)
  4. 社外の情報収集をする(広聴機能)
  5. 社外情報を社内へ発信する

1、社内情報の収集

社内情報の収集はパブリックリレーションズの必須業務です。社内情報を発信する上でも、社内情報の正しい理解と収集は欠かせません。
自社のビジョンと共に自社で何が行われているのか、全部署において把握し、適切なタイミングでの発信業務を行うベース作りを行います。

2、社内情報を社内へ発信する(社内広報)

社内情報を社内発信する業務は、社内報の発行や社内情報の配信などを用いて行われます。
社長やトップの考えを正しく発信し、社員の認知に務める他、各部署の取り組みに光を当てて社内報を作成する社員表彰など、社内広報は社員同士のコミュニケーションを促進させる働きもあります。

3、社内情報を社外へ発信する(対外広報)

社内情報の社外発信は、パブリックリレーションズのメイン業務と言っても過言ではありません。
対外広報の業務では、社内情報を生活者やステークホルダーに発信します。プレスリリースの配信を中心としながら、自社サイト、SNSなどを用いた手法で行われます。
これらは情報をメディアに取り上げてもらうことや、広くステークホルダーに伝えることを目的としています。

4、社外の情報収集をする(広聴機能)

社外情報の収集も行います。社会の中でどんな変化が起き、どのような流れになっているのか、同業他社やステークホルダーからも情報を集め、全般を把握しておきます。時間がある際に情報をまとめておくと、社外情報を社内に発信する際に役立ちます。

5、社外情報を社内へ発信する

社外情報を社内へ発信する業務は、自社社員の情報収集を助ける役割があります。
社内の現場担当者など専門職の社員は、外部の情報収集まで手が回らないことも多々あります。社外情報にヒントを得て、思わぬアイディアが生まれたり、リスク回避ができることもあるかもしれません。

パブリックリレーションズの事例を紹介

事例、商談イメージ

実際のパブリック・リレーションズの事例を見てみましょう。
当社プレスリリース配信サービスをご利用いただいている企業・自治体の中で、パブリック・リレーションズに成功した3社の事例をご紹介します。

■小さな町から全国へ継続的に魅力を発信。子育て世代や起業家の移住促進につなげ社会増を実現【豊後高田市様】

大分県北部の豊後高田市では、認知度向上と人口増加対策のためプレスリリースの配信などさまざまな施策を実施。
その結果「住みたい田舎ベストランキング」の人口10万人未満「小さなまち」カテゴリーで9年連続ベスト3入り。さらに3年連続総合1位になる成功例を残しています。
豊後高田市では、移住促進戦略がベースにあり、そこに向けて町の魅力を継続的に発信し続けています。

小さな町から全国へ継続的に魅力を発信。子育て世代や起業家の移住促進につなげ社会増を実現【豊後高田市様】のインタビューを見る

■海外リリース配信で製品紹介ページのPVも倍増、ソリューション力で半導体の新規顧客開拓を目指す【富士通セミコンダクターメモリソリューション様】

富士通セミコンダクターメモリソリューションでは、海外の新規開拓のため「海外のプレスリリース配信」を積極的に利用。
広報活動をマーケティングの中に位置付け、海外展開も含めた戦略的な広報活動を展開しています。

海外リリース配信で製品紹介ページのPVも倍増、ソリューション力で半導体の新規顧客開拓を目指す【富士通セミコンダクターメモリソリューション様】のインタビューを見る

■ラーメン漫画とのコラボなどユニークな施策を発信、記事化を通じ県外での知名度も向上中【南陽市様】

山形県南陽市では知名度向上の施策のため、ユニークな広報戦略を実施。
人気ラーメン漫画の「ラーメン大好き小泉さん」とコラボした「ラーメンカードラリー」イベントは大きな反響を呼び、同市外からの参加者は半数以上。
行政にありがちな「お知らせ広報」から抜け出し、戦略的かつ斬新なPR活動で、市内外からも注目される成果を収めました。

ラーメン漫画とのコラボなどユニークな施策を発信、記事化を通じ県外での知名度も向上中【南陽市様】のインタビューを見る

上記の他にも、パブリックリレーションズの成功事例は多々あります。当社インタビュー記事をぜひご一読ください。
共同通信PRワイヤー「導入事例」のページを見る

パブリックリレーションズと危機管理

チェックリストの確認Business performance monitoring concept, businessman using tablet and laptop Online survey filling out, digital form checklist, blue background.

近年、企業不祥事の報道が相次ぐ中で、コンプライアンス(法令等順守)企業倫理が強く求められるようになり、正確でスピーディな情報発信の重要性が高まっています。
また、インターネットの普及・浸透で情報の伝達スピードと伝達範囲が広がり、SNSの利用も急増する中、ネガティブな企業情報や誤情報が拡散したり炎上するなどの危険性も高まっています。
そのようなことから、パブリックリレーションズ分野では、「クライシスマネジメント」や「リスクマネジメント」の重要性が高まってきました
危機が発生してからの対応を「クライシスマネジメント」、危機が発生する前の対応を「リスクマネジメント」と言いますが、これらの事前準備も必要不可欠です。
こうした危機の際の取材窓口は広報・PR担当です。事前の対策を怠っていると、いざという時に思わぬ失敗をして、企業をさらなる危機に陥らせてしまうリスクもあります。発生してからでは遅すぎます。危機の重要性を再認識し、十分な対策を検討しておきましょう。

パブリックリレーションズを理解し日々の広報活動につなげよう

パブリック・リレーションズは解釈の難しい用語ですが、一般的な理解として「Public Relations=PR=広報」と覚えておくと良いでしょう。
パブリック・リレーションズは、社会と良い関係を構築し、継続していくことが重要です。そのために、有効な手段として「プレスリリースの配信」があります。


ステークホルダーに理解を促し、メディアに取り上げてもらえるような「パブリック・リレーションズにつながるプレスリリース」を作成するには、書き方のコツやポイントがあります。
以下の記事がお役立ていただけますので、ぜひご確認ください。
「 プレスリリースの書き方11のポイント!基本の5構成と記者に取り上げられるコツ」の記事を見る
「【図解付き】これを押さえればOK!プレスリリースを書く時の10のチェックポイント」の記事を見る

また共同通信PRワイヤーでは、広報初心者の方向けに無料セミナーを開催しています。プレスリリース作成の基本的な書き方やネタ作りのコツなど、分かりやすく丁寧にお伝えします。日々の広報活動にぜひお役立てください。

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