新規抗悪性腫瘍剤TAS-102(「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」) に関するライセンス契約締結のお知らせ

大鵬薬品

大鵬薬品工業株式会社とフランスのセルヴィエ社は、大鵬薬品が創製し、現在グローバルで開発中の抗悪性腫瘍剤TAS-102について、欧州・その他地域(北米・アジア以外)における開発・販売権に関するライセンス契約を、6月12日に締結したことをお知らせいたします。

2015年6月15日

大鵬薬品工業株式会社

新規抗悪性腫瘍剤TAS-102(「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」) に関するライセンス契約締結のお知らせ

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、代表取締役社長:小林 将之)とフランスのセルヴィエ社(本社:シュレーヌ、代表取締役社長: オリヴィエ・ローロ)は、大鵬薬品が創製し、現在グローバルで開発中の抗悪性腫瘍剤TAS-102(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩、日本での製品名:「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」)について、欧州・その他地域(北米・アジア以外)における開発・販売権に関するライセンス契約を、6月12日に締結したことをお知らせいたします。

本契約に基づき、セルヴィエ社は欧州・その他地域において、TAS-102を独占的に開発・販売する権利を獲得します。大鵬薬品はセルヴィエ社より契約一時金および欧州における販売承認取得時のマイルストーンとして計1億3,000万米ドルに加え、開発の進捗に応じたマイルストーン、販売開始後は売上に応じたロイヤルティとマイルストーンを受領します。また、今後、両社が共同でTAS-102の適応拡大のためのグローバル開発を実施し、そのための費用は両社で折半いたします。

TAS-102は、米国と欧州において、標準化学療法に不応・不耐となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんでの適応症取得を目指して現在申請中です。米国においては、大鵬薬品の子会社である、Taiho Oncology, Inc.を通じて販売する予定です。

大鵬薬品とセルヴィエ社は、本剤が結腸・直腸がん治療の新たな選択肢として、両社のパートナーシップを通じて世界の患者さんに貢献する薬剤となることを期待しています。

大鵬薬品工業株式会社 代表取締役社長 小林将之のコメント

「私どもは、欧州の製薬企業として世界中に確固たるプレゼンスを築き、がん領域において長期に亘るコミットメントを表明しているセルヴィエ社と契約を締結できたことを大変嬉しく思います。両社の提携により、欧州・その他地域における開発と商業化を加速し、1日でも早く、より多くの患者さんに本剤をお届けできるよう尽力してまいります。」

セルヴィエ社 代表取締役社長 オリヴィエ・ローロのコメント

「今回の大鵬薬品との提携は、ヨーロッパ・その他の国々において、進行・再発性の結腸・直腸がんに苦しむ患者様に、当社が新たな治療の選択肢を迅速にお届けすることができるものと期待しております。私どもは、抗がん剤の開発において高い専門性を持つ大鵬薬品に敬意を表するとともに高く評価しており、この提携により当社のがん領域における可能性がさらに発展するものと考えております。今回の重要な契約締結は、当社のがん領域における強い熱意と、現在開発中であるがん領域の新規開発品目を通じて、がん患者様に新たな治療の選択肢を提供したいという私どもの願いを裏付けるものであり、患者様のために治療の進歩に貢献するという私どもの責務と合致するものです。」

【TAS-102について】

本剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤です。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されています。TPI はFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持します。日本では国内第Ⅱ相臨床試験結果に基づき、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果として、「ロンサーフ(R)配合錠T15・T20」の製品名で、世界に先駆けて2014年3月に承認、5月に発売されました。承認時の条件として、有効性と安全性を検証する国際共同第Ⅲ相臨床試験(試験名:RECOURSE)の終了後、速やかにその結果を提出することが求められていました。2015年3月に、本試験で示された有効性と安全性に基づき、「標準的な治療が困難な場合に限る」との投与対象患者を限定した条件が解除され、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果とする一部変更承認を取得しました。

【セルヴィエ社について】

セルヴィエ社は、フランスに本社を置く研究開発型の非上場製薬会社であり、がん領域の他、循環器領域、代謝領域、中枢神経領域、骨・筋肉・関節疾患領域におけるイノベーションを追求しています。

2014年の売上高は約40億ユーロで、セルヴィエ社の医薬品の92%がフランス国外で処方されています。また、医薬品売上高の28%が研究開発に投資されました。

世界146カ国で積極的に事業を展開しており、従業員数は21,400名を超えています。

がん領域は、セルヴィエ社の研究開発における重点領域の一つであり、現在、乳がん、肺がん、その他固形がん、種々のリンパ腫、白血病等の革新的ながん治療薬を対象に8つの新規化合物の開発を世界中の複数のパートナーとともに進めています。これら化合物は、細胞毒性や、プロアポトーシス、分子標的、免疫・細胞治療といった、がんの様々な異なる治療法をカバーしています。

セルヴィエ社は、我々の活動を通してがん患者様がより良い生活を送れるよう貢献することを目指しています。

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