EY、医療機器業界に関する年次レポート「Pulse of the industry」(2017年版)を発表

EY Japan

2017/10/05

EY Japan

EY、医療機器業界に関する年次レポート「Pulse of the industry」(2017年版)を発表

世界の医療機器企業の売上は回復基調、ただし持続的成長に向けた継続的な取り組みは不可欠

・M&Aの業績押し上げ効果により売上高は5%増の3,644億米ドルに達し、研究開発(以下、R&D)専業企業も5%の売上増加

・アジアからの投資熱の継続により資金調達は100%超の増加

・価値重視のケアへとシフトする中、引き続き、新技術の活用、各国法規制の不透明性、顧客からの増大する期待への対応が長期的課題 

グローバルベースでの医療機器業界は、2016年5%の成長を遂げ、金融危機前のペースに回復しました。医療機器業界に関するEYの年次レポート「Pulse of the industry」(2017年版)では、この好調な業績は資本効率およびR&D投資への継続的な注力に加えて、M&Aおよびポートフォリオ最適化戦略によって支えられたとしています。

全体としては、米国・欧州に拠点を置く医療機器企業の売上高は、2015年は前期比3%減に終わったものの、翌2016年には5%増の3,644億米ドルに増加しました。 一方、純利益は前期比17%増の160億米ドルに急増し、2015年の前期比20%減137億米ドルから飛躍的に伸びました。さらに、2016年医療機器専業企業のR&D投資総額は、前期比5%増の160億米ドルに増加しました。

EYグローバル・ライフ・サイエンス リーダー、Pamela Spenceは次のように述べています。

「医療機器企業は、不確実な状況の中、上手く舵取りしていくために、M&A、新規参入企業との協働、新技術への投資を継続している。しかし、持続的成長を実現するためには、業界の全ステークホルダーにとって価値を創出できるような、よりデータ重視の戦略を取り入れると共に、高度にパーソナライズされた、健康上の成果こそが主要指標であるとする、医療サービスを提供する新たなプラットフォームを構築していかなければならない。また、医療機器企業は、持続的で競争力を強化するようなR&D投資を行うために、社内のR&D投資と、AR(拡張現実)、AM(付加製造)、AI(人工知能)といった、相互につながった新しい経済におけるイノベーションとのバランスを取っていく必要がある。フィジカル、デジタル、そしてバイオロジカルが融合した『第4次産業革命』を受け入れることが、未来ではなく、まさに今、不可欠となっている。」

本レポートでは、アーリーステージの企業を含む医療機器企業の資金調達が可能であることが示されています。全体では、米国・欧州の医療機器企業の資金調達は、2016年前期比101%増の439億米ドルに達し、過去10年で2番目の規模となっています。 ベンチャーキャピタルからの投資は前年比23 %増の77億米ドルで、将来の医療機器分野へのイノベーションに対し、大きな期待があることがうかがえます。

加えて、資本の流れは一層グローバル化しています。 2016年から2017年にかけて、中国の医療機器企業が16の案件で10億米ドル超を資金調達したことにより、同国は資本の総額で世界有数の地域の一つに躍進しました。 また、アジアを拠点とする投資家も、年間で最大規模とされるベンチャーラウンドのうちの三つに参加し、米国・欧州の医療機器企業を積極的に支援しています。

EYトランザクション・アドバイザリー・サービス ライフサイエンスセクターのパートナーJohn Babittは、次のように述べています。

「医療機器企業の中でも特に、バイオ医薬品業界向けに機器を開発中の企業の資金調達が活発だ。バイオ医薬品業界は、新薬開発を強化し差別化された治療法の提供を可能にする、今までにない技術を切望している。同時に、 企業は新しい技術やパートナーシップを基盤とした長期的戦略を実施し続けながら、将来の成長軌道を維持し向上させていくために、資本の効率的運用に引き続き取り組んでいかなくてはならない。」

本レポートでのその他主要な調査結果は以下の通りです。

・ディール環境は依然として堅調 :米国・欧州の医療機器業界では、過去12ヶ月のディールが46%増の約1,004億米ドルに達し、業界の過去最高を更新したと発表。

・IPO熱は一段落 : 昨年行われた業界最大級のIPOを除けば、2016年から2017年にかけて米国・欧州の医療機器企業がIPOで調達した額は5億4,700万米ドルにとどまり、前年から8%減少。

・業界の時価総額は増加 : 堅調な決算と活発なディール環境が後押しし、1月1日から8月31日までの期間において業界の時価総額は26%増加。

以上

※本プレスリリースは、2017年9月25日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

http://www.ey.com/gl/en/newsroom/news-releases/news-ey-global-medtech-revenue-bounces-back-though-focus-on-sustainable-growth-must-continue

〈EYについて〉

EYは、アシュアランス、税務、トランザクションおよびアドバイザリーなどの分野における世界的なリーダーです。私たちの深い洞察と高品質なサービスは、世界中の資本市場や経済活動に信頼をもたらします。私たちはさまざまなステークホルダーの期待に応えるチームを率いるリーダーを生み出していきます。そうすることで、構成員、クライアント、そして地域社会のために、より良い社会の構築に貢献します。

EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバル・ネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。詳しくは、ey.com をご覧ください。

本ニュースリリースは、EYのグローバル組織のメンバーファームであるアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッド(EYGM)によって発行されています。EYGMは顧客サービスを提供していません。

〈Pulse of the industryレポートについて〉

「Pulse of the industry」第11版の主要な調査結果は、医療技術の商業化を主な事業目的とする米国または欧州に本社を置く企業に対してEYが行った分析を基にしています。本レポートでは、イスラエルのデータおよび分析は欧州市場に含めました。またグローバルデータは、米国・欧州の医療機器企業の情報をまとめたものです。EYは医療機器を、治療、医療診断、薬剤提供、そして分析/ライフサイエンスに関連する機器を取り扱う企業と定義しています。この定義には、ディストリビューターおよびCRO(開発業務受託機関)、CMO(製造受託機関)等のサービスプロバイダーは含まれません。

〈EYのグローバル・ライフサイエンス・セクターが提供するサービスについて〉

人口の高齢化や慢性疾患がますます身近になるにつれ、GDPに占めるヘルスケアの割合はさらに増えていくでしょう。科学の進歩、AI(人工知能)、患者の持つ力が医療提供にますます変化をもたらし、健康上の成果が重要な測定基準だとする、パーソナライズされた経験へと変わりつつあります。これは、従来のステークホルダーの間にパワーシフトを引き起こし、新規参入者(利益追求だけを目的としていない場合が多い)が、多くの業界の既存企業に混乱をもたらしています。 イノベーション、生産性、患者へのアクセスは依然として業界最大の課題となっています。こうしたトレンドは、R&Dや製品供給から、製品発売や患者中心のビジネスモデルに至る、ライフサイエンスのバリューチェーンのあらゆる段階で、資本戦略に大きな影響を与えています。

私たちのグローバル・ライフサイエンス・セクターは、セクターに特化した15,000人のプロフェッショナルによる世界規模のネットワークを結集し、トレンド予測や影響の特定、クライアントの競争力創造をサポートしています。私たちは、健康上の成果をベースにした新しい生態系の中で、医療機器企業の皆さまがビジネスを舵取りし、持続的成功を達成するようサポートいたします。

詳しくはこちらをご覧ください。

ey.com/lifesciences.

《本件に関するお問い合わせ先》

EY Japan BMC (Brand, Marketing and Communications)

Tel 03-3503-1037  Fax 03-3503-1041

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