コロナ禍における企業の産業保健活動を調査

~予定通りの産業保健活動ができていない実態が浮き彫りに~

2020年12月22日

株式会社ドクタートラスト

https://doctor-trust.co.jp/

コロナ禍における、企業の産業保健活動を調査しました ~予定通りの産業保健活動ができていない実態が浮き彫りに~

国内最大級の産業医紹介サービスを行っている株式会社ドクタートラスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高橋雅彦、以下「ドクタートラスト」)では、コロナ禍における企業の産業保健活動についてアンケート調査を行いました。

新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い、感染予防対策を含めた企業での産業保健活動の重要性は高まりを見せています。その一方で、産業保健活動の要でもある衛生委員会については、在宅勤務の導入などに伴い、従前どおりの開催ができない状況が続いています。

今回のアンケートは、企業で産業保健活動を担う衛生管理者や人事総務部門などを対象とし、コロナ禍における産業保健活動の実態、また課題などについて183人から回答を得られました。

 

結果概要

全体の4分の1が衛生委員会をオンラインで開催。衛生委員会が開催できていない企業も見られた

新型コロナウイルスの影響で、本来行うべき産業保健活動にしわ寄せが生じている、また健康診断の実施が延期されるなどスケジュール通りの活動が困難など、産業保健が抱えている課題は、多数かつ多岐にわたる

6割を超える企業が、今後何らかのかたちで衛生委員会のオンラインの利用を考えている

 

アンケート結果

在宅勤務の実施状況


最初に、企業としての働き方の状況を伺うべく「在宅勤務の実施状況」を尋ねました。従業員の割合、また在宅勤務の日数などに差があるものの、回答された方のおよそ半数の企業で、在宅勤務が実施されていることがわかりました。

 

その他の回答内容(一部抜粋)
・ 交替で月に数日在宅勤務をしている

・ 希望者には週2回を上限に在宅勤務を許可しているが、実施者は少ない

・ 在宅勤務は、在宅勤務可能な部署はすべての社員が対象だが、現在は週1日となっている

 

衛生委員会の開催状況

2つ目の設問では、「衛生委員会の開催状況」を尋ねました。衛生委員会とは、労働安全衛生法に定められている制度で、従業員数50名以上の事業場では毎月の開催が義務づけられています(業種などによっては「安全衛生委員会」)。

その結果、25%の企業では、衛生委員会をオンラインシステムの利用に切り替えていることがわかりました。また、5%の企業では、そもそも衛生委員会の開催ができていないことが判明しました。

 

その他の回答内容(一部抜粋)
・ 対面とオンラインを併用している(複数者から同じ回答あり)
・ 今までよりも一回り大きな会議室で開催している

・ 座席ごとにパーテーションを設けて開催している

・ 産業医の先生だけオンラインシステムで出席

 

 

現在の衛生委員会で話し合っている内容

3つ目の設問では、衛生委員会で何を話し合っているか尋ねました。

衛生委員会の議題としては、健康診断結果やストレスチェック、残業時間などに加えて、インフルエンザや熱中症など、季節に合ったテーマが一般的ですが、現在はこれらに加えて新型コロナウイルスについても、話し合っている企業が大半であるとわかりました。

また、「その他」には、「毎回ではないが、新型コロナウイルスに関する新しい情報があれば話し合っている」旨も寄せられていました。

企業における新型コロナウイルス対策において、衛生委員会が重要な場に位置付けられていることが議題からもうかがえます。

 

現在の衛生委員会で困っていること(複数選択可)

4つ目の設問では、コロナ禍での衛生委員会で困っていることを尋ねました。

その結果、定期健康診断実施の延長などに伴ってスケジュール通りの産業保健活動ができていないこと、産業医の出席が少ない、できていないといったことに対する悩みが浮き彫りになりました。

また、オンラインシステムの利用に伴うコミュニケーションへの不安が衛生委員会でも見られるようです。

 

その他の回答内容(一部抜粋)
・ 産業医による職場巡視ができていない

・ 職場によっては出入りの制限があるため、巡視がしにくい
・ ほぼ全社員が在宅勤務になっているので、職場巡視が本当の意味での"職場"でなくなって、それで良いのか疑問であり不安に感じている

・ 感染対策委員会と衛生委員会の内容が重複することがある

・ オンラインシステムを利用した衛生委員会は、顔を突き合わせてのコミュニケーションとは異なる。慣れの問題かもしれないが、ライブ感は必要

 

今後の衛生委員会の開催形式

2つ目の設問からわかるように、衛生委員会でオンライシステムを利用するようになった企業がみられます。そこで、5つ目の設問では、今後の衛生委員会の開催形式について、新型コロナウイルスの流行状況と絡めて尋ねました。

その結果、衛生委員会を対面だけで継続していく企業よりも、何らかの形でオンラインシステムを活用される企業のほうが多いことがわかりました。

 

その他の回答内容(一部抜粋)
・ (今は対面のみだが)今後はオンラインでの開催も検討したい

・ 会社の会議室、オンライン各自が好きな方法で参加できるハイブリッド参加を継続する

・ 当面メール配信にて実施予定

・ 流行状況により産業医の先生のオンライン出席は考慮していく予定

 

現在の産業保健活動で感じていること

6つ目の設問は自由記述とし、回答者の皆さんが感じていることを書いていただきました。その結果、「在宅勤務に伴って健康状態が把握できない」。「感染対策の度合い」、「産業保健活動全体へのしわ寄せ」といった課題がみられました。

その一方で、衛生委員会をうまく利用したいといった前向きな声も聞かれました。

以下では、回答者の皆さんからいただいたお声を掲載いたします。

 

回答内容(一部抜粋)

<在宅勤務や密回避などによる課題>

・ 社員および社員の家族の健康状況を把握することが難しい

・ 計画休業により出勤日数が少なく、感染症対策以外の健康増進活動ができない

・ リモートワーク環境のメンタルケアはもちろんだが、在宅勤務では自宅での就業環境(照度や気温など)の向上をどうすれば図れるかが課題

・ 在宅勤務により会社の衛生環境が把握しづらく、衛生委員会の活動範囲が狭まっているように感じている

・ 対外的なセミナーや会合などの情報収集する場が少なくなった

<新型コロナウイルス対策、情報提供での課題>

・ 感染に関する職員の不安を少しでも軽減してあげたいが、方策が見つけられていない

・ 通勤・就業における従業員の感染リスクをどう回避するかが大きな問題

・ コロナ感染予防対策は継続して行っているが、発症者が出た場合の勤務シフトや労務管理、休暇の取り扱い等について明確に判断できる材料が少なく試行錯誤している

・ 他社さんのコロナ対応が知りたい

・ どこまで対策をすれば良いかということ

・ 情報が多くなり過ぎて、正しい情報であるかを調べるが大変

・ コロナ予防活動にマンネリ感がある

・ 事後対策におわれており、建設的な話し合いができていない

・ コロナ対策の情報が的確に入手しにくく、社員へ情報展開が遅れ気味

<他の産業保健活動への影響>

・ 新型コロナウイルス関連以外の内容を取り扱う割合が減った

・ 新型コロナ禍に加えてインフルエンザ感染予防に対しても心配しなければならない

・ 本来やらないといけないことが(新型コロナウイルスの影響で)おざなりになっている感がある

・ 健康診断の事後対応が新型コロナの影響でうまく進まない

・ 健康診断の実施が延期になり、従業員が自身の健康状態に不安に思っている

<オンラインの活用>

・ 産業医面談、衛生担当者との打ち合わせなどはオンラインを積極的に活用したい。健診結果は紙ではなくPDF+電子サインでやり取りできるようにしたい

・ 職場巡視のオンライン化

<前向きな声>

・ 衛生委員会ですべきこと、できることが増えていると感じる。衛生委員会をうまく利用してより良い職場環境(リモートを含め)の構築を図りたい

・ 職員が衛生保健活動に意識を払うようになり、絶好の機会と感じる

 

調査概要

●期間:2020年10月27日~11月27日

●地域:全国

●回答数:183人

●方法:ドクタートラストメールマガジン「ドクタートラストニュース」にてアンケートフォームURLを送信

 

株式会社ドクタートラストについて

【株式会社ドクタートラスト】 https://doctor-trust.co.jp/

株式会社ドクタートラスト(本社:東京都渋谷区、代表取締役:高橋雅彦)は企業ではたらく人の健康管理を専門に受託している会社です。産業医(国内第1位※)や保健師などの医療資格者が企業を訪問の上、健康診断結果に基づく健康指導、過重労働者面談を行います。また、100万人超のビッグデータに基づく職場環境改善コンサル「STELLA」や、 外部相談窓口サービス[アンリ]もご好評いただいております。その他 ストレスチェック、健康経営セミナー、 衛生委員会のアドバイスなど、さまざまな業務を実施します。

※帝国データバンク調べ

 

【サービスに関するお問合せ】

株式会社ドクタートラスト 健康経営推進本部

TEL:03-3464-4000(代表)

企業さま用お問合せフォーム:https://doctor-trust.co.jp/form/doctor/

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