ビクタルビ(R)、未治療の成人において5年間のウイルス抑制を持続させる高い有効性を示す 

2022年3月1日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

 ビクタルビ(R)、未治療の成人において5年間のウイルス抑制を持続させる高い有効性を示す 

240週の結果が、ビクタルビの持続的なウイルス抑制と、 多様なHIVとともに生きる人々の長期的な治療ニーズを満たす ビクタルビ(111錠レジメン)の潜在的な役割を強調 

5年の治療期間中、ビクタルビは耐性に対する高いバリアを維持し、 耐性による治療失敗例なしを実現

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は2月11日、ビクタルビ(R)(ビクテグラビル50 mg/エムトリシタビン200 mg/テノホビルアラフェナミド25 mg錠(B/F/TAF))の2つの第III相試験(1489試験および1490試験)について、5年間の累積結果を発表しました。この新たな長期データでは、未治療の成人に対するHIV-1治療において、ビクタルビが持続的な有効性および安全性プロファイルを示し、最終的に耐性解析の対象となった被験者において、耐性による治療失敗例は確認されませんでした。本データは、第29回レトロウイルス・日和見感染症会議(オンラインCROI 2022会議)で発表されました。

 

両試験では、ビクタルビの投与開始から240週まで治療を継続した被験者の98%以上が、5年間の追跡調査において検出不能なウイルス量(HIV-1 RNA50 copies/mL未満)を達成し、維持しました(240週、1489試験:n=208/213、1490試験:n=218/219、欠測値を解析から除外)。5年間の解析結果では、両試験で最終的に耐性解析の対象となったグループにおいて、耐性による治療失敗例は確認されず、未治療の成人に対する HIV-1治療薬としてのビクタルビの有効性および忍容性プロファイルが示されました。

 

ノースカロライナ大学感染症科のデイヴィッド・アライン・ウォル教授(David Alain Wohl, MD)は、次のように述べています。「CROIで発表されたこれらの最新データは、長期的な治療におけるビクタルビの役割をさらに明確にし、ビクタルビの長期的なウイルス抑制および持続性を示しました。HIVとともに生きる多くの人々は、生涯にわたり治療を継続する可能性が高いことから、長期的なウイルス抑制の達成に対して懸念を抱いています。ビクタルビの有効性と持続性への信頼が、長期治療で求められる成功への前進となるでしょう」

 

データは、代謝、骨および腎臓マーカーに大きな変化をもたらすことはなく、ビクタルビの長期使用を支持しています。被験者の240週目までのベースラインからの体重の変化量の中央値は6.1 kgで、これまでに報告されたデータとの一貫性を示しました。また、1489試験では5年間の骨密度(BMD)に対する影響も小さいことが確認されました。ビクタルビ投与群において、240週目までの股関節および脊椎のBMDの平均変化率はそれぞれ-0.29%と-0.23%でした。両試験において、5名の被験者(n=5/634)に試験治療下での有害事象(AE)が発現し、薬剤の投与中止に至りました。さらに、両試験とも240週間を通じて、eGFR中央値の変化は小さく、総コレステロール/HDLコレステロール比は安定していました。

 

ギリアドのHIV臨床開発部バイスプレジデントのジャレッド・バーテン(Jared Baeten, MD, PhD)は、次のように述べています。「長期間にわたり検出不能なウイルス量を達成、維持するなど、ビクタルビを含む効果的な治療は、HIVとともに生きる人々の特定のニーズに応える重要な選択肢と言えます。私たちはHIV治療の改善に努め、科学的なイノベーションを継続的に進めていく中で、HIVとともに生きる人々の長期的かつ包括的な健康をサポートすることに取り組んでいます。CROIで発表された5年間のデータは、HIVとともに生きる全ての人々の個々のニーズに応え、世界的なHIV感染を終息させることに向けた研究プログラムを検討する上で、我々の理解を深める重要なステップとなります」

 

ビクタルビの米国での適応および重要な安全性情報(枠組み警告を含む)については以下をご参照ください。

 

HIVまたはAIDSを治癒する方法は現在のところ存在しません。

 

1489試験および1490試験について

1489試験および1490試験は、第III相、無作為化、二重盲検、実薬対照試験です。144週間、未治療の被験者は、ビクタルビ(634例)またはドルテグラビル含有3剤併用療法(640例)のいずれかに盲検で割り付けられました。主要評価項目は、FDAのスナップショットアルゴリズムによる投与48週時のHIV-1 RNA量が50 copies/mL未満であった成人の割合でした。副次評価項目は、96週および144週までの有効性、安全性および忍容性でした。144週目以降、被験者は最長96週間の非盲検実薬継続投与期にビクタルビを投与されました。

 

ビクタルビについて

ビクタルビは、3種類の強力な薬剤を組み合わせ、インテグラーゼ阻害剤(INSTI)をベースとした1日1回1錠レジメン(STR)においては最小のHIV-1製剤です。また、食事の有無にかかわらず簡便に服薬でき、薬物相互作用の可能性が低く、耐性へのバリアが高い薬剤です。ビクタルビは、ブースターを必要としない新しいINSTIのビクテグラビルとデシコビ(R)(エムトリシタビン200 mg/テノホビルアラフェナミド25 mg錠、F/TAF)をバックボーンとする配合剤です。ビクタルビはSTRで、他のHIV-1薬と併用しないでください。

 

米国でのビクタルビの適応症

ビクタルビの適応症は、抗レトロウイルス未治療の成人および体重14 kg以上の小児患者さんに対するヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染治療、あるいは安定した抗レトロウイルス療法によりウイルス学的に抑制された患者さん(HIV-1 RNAは1 mLあたり50 copies未満、治療失敗歴なし、ビクタルビの個々の成分に対する耐性に対して既知の変異なし)に対する現在の抗レトロウイルス療法に代わる治療となります。

 

米国におけるビクタルビに関する重要な安全性情報

枠組み警告:投与後のB型肝炎の急性増悪

・B型肝炎の重度の急性増悪は、HIV-1HBVに同時感染し、エムトリシタビン(FTC)および/またはフマル酸テノホビルジソプロキシル(TDF)を含む製品を中止した患者で報告されており、ビクタルビの投与中止に伴い生じる可能性があります。HIV-1HBVに同時感染し、ビクタルビの投与を中止した患者では、少なくとも数カ月間、臨床と検査の両面で経過観察し、肝機能を注意深くモニタリングしてください。該当する場合、B型肝炎治療が必要になる可能性があります。

 

禁忌

・併用投与:ビクタルビをドフェチリドまたはリファンピンと併用しないでください。

 

警告および注意

・薬物相互作用:「禁忌」および「薬物相互作用」の項をご参照ください。ビクタルビの投与前と投与中に薬物相互作用が生じる可能性を考慮し、副作用をモニタリングします。

・発現までの期間が変わりやすい自己免疫疾患の発現を含む免疫再構築症候群が報告されています。

・腎機能障害の新規発現または悪化:急性腎不全、近位腎尿細管症(PRT)、ファンコニ症候群などの腎機能障害に関する市販後症例が、テノホビルアラフェナミド(TAF)含有製品で報告されています。推定クレアチニンクリアランス(CrCl)30 mL/分未満の場合、ビクタルビの投与を開始しないでください。ただし、慢性血液透析を受けてウイルス学的に抑制された15 mL/分未満の成人を除きます。腎機能障害のある患者および/または腎毒性物質(NSAIDなど)を服用している患者においては、腎関連の副作用リスクが高まります。臨床的に重大な腎機能低下またはファンコニ症候群のエビデンスが出ている場合、ビクタルビの投与を中止します。

腎モニタリング:ビクタルビの投与開始前/投与開始時/投与中には、臨床的に適切となるよう、全ての患者で血清クレアチニン、CrCl、尿糖、および尿蛋白を評価します。慢性腎臓病の患者では、血清リンを評価します。

・乳酸アシドーシスおよび脂肪症を伴う重度の肝腫大:FTCとTDFなどのヌクレオシド類似体使用による死亡症例が報告されています。乳酸アシドーシスまたは顕著な肝毒性を示唆する臨床所見や検査所見が発生した場合には、ビクタルビの投与を中止します。この所見には、顕著なトランスアミナーゼ上昇がない中での肝腫大および脂肪症があります。

 

副作用

・144週までの臨床試験で最もよくみられた副作用(全てのグレードで5%以上)は、下痢(6%)、悪心(6%)および頭痛(5%)でした。

 

薬物相互作用

・処方情報:禁忌、警告、および臨床コメントを含む潜在的に重要な薬物相互作用の詳細については、ビクタルビの全処方情報をご参照ください。

・酵素/トランスポーター:P-gpを誘導する、またはCYP3AとUGT1A1の両方を誘導する薬剤は、ビクタルビの成分濃度を大幅に低下させる可能性があります。P-gpとBCRPを阻害する薬剤、またはCYP3AとUGT1A1の両方を阻害する薬剤は、ビクタルビの成分濃度を大幅に上昇させる可能性があります。ビクタルビは、OCT2またはMATE1を基質とする薬剤の濃度を上昇させる可能性があります。

・腎機能に影響を与える薬剤:腎機能を低下させる薬剤または能動的尿細管分泌で競合する薬剤とビクタルビとの併用は、FTCとテノホビルの濃度および副作用リスクを高める可能性があります。

 

用法および用量

・投与量:成人および体重25 kg以上の小児の場合:50 mgのビクテグラビル(BIC)、200 mgのエムトリシタビン(FTC)および25 mgのテノホビルアラフェナミド(TAF)を含む1錠を食事の有無にかかわらず1日1回服用します。体重14 kg以上25 kg未満の小児の場合:30 mgのBIC、120 mgのFTCおよび15 mgのTAFを含む1錠を食事の有無にかかわらず1日1回服用します。錠剤を丸ごと飲み込めない小児については、錠剤の全ての部分が約10分以内に摂取される限り、錠剤を分割して各部分を別々に服用することができます。

・腎機能障害:体重25 kg以上の場合、CrClが15 mL/分以上30 mL/分未満の患者、15 mL/分未満で慢性血液透析を受けていない患者、または15 mL/分未満で慢性血液透析を受けており抗レトロウイルス治療歴のない患者には投与を推奨しません。体重14 kg以上25 kg未満の場合、CrClが30 mL/分未満の患者には投与を推奨しません。

・肝機能障害:重度の肝機能障害のある患者には投与を推奨しません。

・投与開始前/投与開始時:HBV感染の検査を行います。

・投与開始前/投与開始時/投与中:臨床的に適切となるよう、全ての患者で血清クレアチニン、CrCl、尿糖、尿蛋白を評価します。慢性腎臓病の患者では、血清リンを評価します。

 

妊婦および授乳婦への投与

・妊婦:妊娠中におけるビクタルビの使用に関するヒトを対象としたデータは不足しています。別のインテグラーゼ阻害剤であるドルテグラビルは、神経管欠損に関連しています。妊娠中および受胎中にビクタルビを使用することのベネフィットとリスクについて話し合ってください。抗レトロウイルス妊婦レジストリ(Antiretroviral Pregnancy Registry、APR)は確立されています。APRから入手できたFTCに関するデータは、先天性欠損症の割合について米国の準拠集団との差はないことを示しています。

・授乳婦:HIV-1に感染した女性はHIV-1を伝播する可能性があるため、授乳をしないように指示してください。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。

 

30年以上にわたり、ギリアドはHIV分野における先導的な革新者であり、治療、予防および治癒に関する研究の進歩を推進してきました。HIV感染症の治療を目的とした初めての1日1回1錠レジメンや、HIV感染症の発症リスクを低減するための曝露前予防(PrEP)を目的とした初めての抗レトロウイルス薬など、ギリアドの研究者らはHIV治療薬を11種類開発しました。こうした医学研究の進歩は、何百万人もの人々にとってHIVを予防可能な慢性疾患に変えるのに役立ってきました。

 

ギリアドは、世界中のHIV感染者の進化するニーズに対する解決策を提供するため、継続的な科学的イノベーションに取り組んでいます。パートナーシップと協力を通じて、当社は教育を改善し、アクセスを拡大し、ケアに対する障壁に対処することも目指しており、世界中の人々のHIV流行を終息させることを目標としています。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

 

将来予測に関する記述

本プレスリリースは、1995 年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素などの要因を含む場合があり、具体的には以下がそれに当たります:
現在見込まれる日程内に臨床試験を開始、進行、完了する能力、またはそれらが全くできない可能性、ビクタルビを用いたものを含む、進行中のまたは追加の臨床試験から得られた結果が好ましくない可能性、ビクタルビに対する追加適応についてのFDAおよびその他の規制当局による承認を受けるギリアドの能力、さらに、たとえ承認されたとしてもその使用に関して重大な制約が課されるリスク、医師がビクタルビの処方にベネフィットがないと判断するリスク、および上述のいずれかの背景となる前提。これらのリスクやその他のリスク、不確定要素や要因については、米国証券取引委員会に提出している、2021年9月30日を期末とするギリアド社四半期報告書(フォーム10-Q)で詳細に説明しています。これらのリスク、不確定要素、その他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は、「将来予想に関する記述」とみなして下さい。このような「将来予想に関する記述」は将来の業績を保証するものではありませんので、これに過度に依拠しないようご注意下さい。「将来予想に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドでは「将来予想に関する記述」を更新する義務を負うことはなく、更新する意向もありません。

 

米国におけるビクタルビの処方情報(枠組み警告を含む)は、 www.gilead.comで閲覧可能です。
ビクタルビ、ギリアドおよびギリアドのロゴは ギリアドまたはその関連会社の登録商標です。 その他全ての商標は、それぞれの所有者の財産です。
ギリアドに関する詳細については、当社のウェブサイト(www.gilead.com)をご覧いただくか、ツイッター(@Gilead Sciences)をフォローするか、ギリアドの広報部門(1-800-GILEAD-5または1-650-574-3000)までお電話ください。

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

このプレスリリースには、報道機関向けの情報があります。

プレス会員登録を行うと、広報担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など、報道機関だけに公開する情報が閲覧できるようになります。

プレスリリース受信に関するご案内

このプレスリリースを配信した企業・団体

  • ※購読している企業の確認や削除はWebプッシュ通知設定画面で行なってください
  • SNSでも最新のプレスリリース情報をいち早く配信中

    過去に配信したプレスリリース