米国食品医薬品局(FDA)、ベムリディ(R) を 小児のB型慢性肝炎ウイルス感染症治療薬として承認

すでにFDAより承認されている 成人のB型慢性肝炎ウイルス感染症からの適応拡大

2022年11月18日

ギリアド・サイエンシズ株式会社

米国食品医薬品局(FDA)、ベムリディ(R) (テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)を 小児のB型慢性肝炎ウイルス感染症治療薬として承認

ベムリディについて、すでにFDAより承認されている 成人のB型慢性肝炎ウイルス感染症からの適応拡大― 12歳以上の患者さんに対する11回投与のベムリディの 有効性および安全性が証明される―

 

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は、本日、1日1回投与の「ベムリディ(R)錠 25mg」(以下「ベムリディ(R)」)(一般名:テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)が、代償性肝疾患を伴う12歳以上の小児のB型慢性肝炎ウイルス(HBV)感染症治療薬として米国食品医薬品局(FDA)より適応追加承認を取得したことを発表しました。

 

1日1回投与のベムリディは、2016年にFDAにより、代償性肝疾患を伴う成人の慢性HBV感染症治療薬として承認されたテノホビルの新規プロドラッグです。米国肝臓病学会(AASLD)および欧州肝臓学会(EASL)のガイドラインでは、代償性肝疾患を伴う成人の慢性HBV患者さんに対する望ましい治療または第一選択治療として推奨されています。1, 2

 

小児患者さんに対するベムリディの承認は、体重35 kg以上および12歳以上18歳未満の未治療および既治療の患者さん、70人を対象にベムリディ 25 mgをプラセボと比較した第II相臨床試験(1092試験)における24週間のデータに裏付けられたものです。この試験では、治療24週時にHBV DNA量が20 IU/mL未満であった患者さんの割合という主要評価項目が達成されました。全体では、24週時でHBV DNA 20 IU/mL未満を達成した患者さんの割合は、ベムリディ 25 mg群で21%(47人中10人)、プラセボ群で0%(23人中0人)でした。

 

同ベムリディ試験の責任医師でレディ小児病院(サンディエゴ)の小児消化器専門医であるキャスリーン・シュワルツ医師(Kathleen Schwarz, MD)は「B型慢性肝炎は未治療のまま放置すると、後に肝臓がんを発症するなど小児の長期的な健康に大きな影響を及ぼす可能性があります。さらに小児患者さんにおいては、治療におけるさまざまな課題も存在します。私は臨床医として、この疾患をできるだけ迅速に治療し、合併症や肝臓に障害を起こす可能性を回避することが極めて重要であると思っています。試験ではテノホビル アラフェナミドフマル酸塩が、12歳という若いB型慢性肝炎患者さんにとって有効な治療選択肢となる可能性があることが分かりました」と述べています。

 

ギリアドのチーフ・メディカル・オフィサーであるマーダッド・パーシー (Merdad Parsey, MD, PhD)は、次のように述べています。「米国において小児のB型肝炎有病率は大幅に低下していますが、急性感染後にB型慢性肝炎を発症する小児においては、生涯にわたり健康への影響が及ぶ可能性があります。ギリアドは肝疾患における最大の課題を克服し、疾患経過に影響をもたらすことに注力しています。安全性プロファイルが確立されている1日1回投与のベムリディは、小児のB型肝炎患者さんの治療ニーズを満たす新たな選択肢となるでしょう」

 

ベムリディの添付文書には、投与中止後のB型肝炎の重度急性増悪に関する枠組み警告が記載されています。重要な安全性情報については以下をご参照ください。

 

米国でのベムリディ使用における重要な安全性情報および適応症

 

枠組み警告:投与中止後のB型肝炎の重度急性増悪

 

ベムリディをはじめとするB型肝炎治療薬の投与を中止すると、B型肝炎の重度急性増悪を引き起こす恐れがあります。ベムリディをはじめとするB型肝炎治療薬の投与を中止した患者さんでは、最低でも数カ月間にわたり、臨床状態および臨床検査値の経過観察を行い肝機能を綿密に観察してください。必要に応じて、抗B型肝炎ウイルス剤の投与を再開してください。

 

警告と使用上の注意

・HBV/HIV-1合併例におけるHIV-1耐性発現のリスク:HIV-1耐性発現のリスクがあるため、HIV-1感染症治療を目的としたベムリディの単独投与は行わないでください。HBV/HIV-1合併例におけるベムリディの安全性と有効性は、確立されていません。ベムリディの投与を受ける予定のHBV感染例は全員、HIV抗体検査を受け、陽性例はHBV/HIV-1合併例の治療法として推奨されている適切な抗ウイルス剤の併用療法を受けてください。

・腎機能障害の新規発現または悪化:市販後症例として、急性腎不全、近位腎尿細管障害(PRT)、ファンコニー症候群を含む腎機能障害がTAF含有製剤で報告されています。腎機能障害の患者や、腎毒性のある薬剤(NSAIDs等)を服用中の患者は、腎臓系副作用のリスクが高い状態にあります。腎機能が臨床上問題となるほど低下した場合や、ファンコニー症候群が現れた場合は、ベムリディの投与を中止してください。全例で腎機能を観察してください。(「用法および用量」を参照)

・乳酸アシドーシスと脂肪沈着による重度の肝腫大:テノホビルジソプロキシルフマル酸塩等のヌクレオシド誘導体の使用例で死亡例が報告されています。乳酸アシドーシスを示唆する臨床所見や検査結果が得られた場合、または著しいトランスアミナーゼ上昇を伴わない肝腫大や脂肪肝が現れるなどの著しい肝毒性が認められた場合は、ベムリディの投与を中止してください。

 

副作用

144週目までの全臨床試験において高頻度で認められた副作用(5%以上、全グレード)は、頭痛、上気道感染、腹痛、咳嗽、背部痛、関節痛、疲労、悪心、下痢、消化不良、発熱でした。

 

相互作用

・腎機能を低下させる薬剤、または能動的尿細管分泌で競合する薬剤をベムリディと併用すると、テノホビル濃度が上昇し、副作用のリスクが上昇する恐れがあります。

・ベムリディと次の薬剤は併用しないでください:オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファブチン、リファンピン、リファペンチン、またはセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)。これらの薬剤の併用により、テノホビル アラフェナミドフマル酸塩の濃度が低下し、ベムリディの治療効果が低下します。P-糖タンパク(P-gp)や乳がん耐性タンパク(BCRP)に大きな影響を及ぼす薬剤は、ベムリディの吸収に影響を及ぼすことがあります。

大きな問題となりうる薬物相互作用の詳細や、臨床的解説については、ベムリディの処方情報をご参照ください。

 

用法および用量

・投与開始前の検査項目:HIV感染

・投与開始前または開始時、および投与中:全ての患者に対して、血清クレアチニン、クレアチニンクリアランス推定値、尿糖、尿蛋白の測定を臨床的に適切なスケジュールで行ってください。慢性腎疾患の患者では、血清リン濃度も測定してください。

・用量:本剤1錠を1日1回食後投与。

・腎機能障害:血液透析を受けていない末期腎疾患(ESRD。クレアチニンクリアランス推定値が15 mL/分未満)患者には推奨されません。血液透析を受けている患者の場合、血液透析日には、血液透析治療終了後にベムリディを投与してください。腎機能障害のある小児患者に用量の推奨を行うためのデータはありません。

・肝機能障害患者:非代償性肝疾患(Child-Pugh分類BまたはC)の患者には推奨されません。

 

適応症

ベムリディは、代償性肝疾患を伴う慢性HBV感染症の治療薬として、成人患者および12歳以上の小児患者に用います。

 

1092試験について

1092試験は、体重35 kg以上および12歳以上18歳未満の未治療および既治療患者さん、70人を無作為に1日1回投与のベムリディ 25 mg(N=47)またはプラセボ(N=23)に割り付けた第II相臨床試験です。この試験では、治療24週時にHBV DNA量が20 IU/mL未満となった患者さんの割合という主要評価項目が達成されました。全体では、24週時にHBV DNA が20 IU/mL未満を達成した被験者の割合は、ベムリディ 25 mg群で21%(47人中10人)、プラセボ群では0%(23人中0人)でした。24週時でAASLD基準により評価した血清アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)の正常化を達成した患者さんの割合も高く、ALT正常化を達成した割合は、ベムリディ群で44%、プラセボ群では0%でした、ALTのベースラインからの変化量の中央値(Q1、Q3)は、-32.0 U/L(-63.0、-13.0 U/L)および1.0 U/L(-10.0、25.0 U/mL)でした。血清ALTは、肝障害のモニタリングに使用される酵素です。重要な点として、骨密度のベースラインから24週時までの平均変化率は、ベムリディ投与群とプラセボ投与群では数値的に同程度でした(腰椎ではそれぞれ2.4%[N=37]および1.9%[N=18]、全身ではそれぞれ1.5%[N=39]および1.9%[N=18])。24週時における骨密度のZスコアのベースラインからの平均変化量は、コホート1 ベムリディ群およびプラセボ群で、腰椎ではそれぞれ-0.03および0.09、全身ではそれぞれ-0.05および0.01でした。

 

B型肝炎について

B型肝炎(HBV)は肝臓を攻撃する重篤な疾患で、患者さんの最大3分の1で慢性(生涯にわたる)感染症、肝硬変、肝臓がん、死亡を引き起こす可能性があります。HBVは感染した血液や体液、性的接触、注射薬物の使用、または母親から小児への周産期の感染を通じて伝播します。早期の症状には、食欲不振、発熱、全身の痛み、疲労、かゆみ、じんましん、関節痛などがあります。HBVは無症候性であることが多いため、診断されない場合があります。後期の症状には、悪心・嘔吐、口臭、暗褐色尿、黄疸(皮膚や眼が黄色くなる)、右側腹痛(特に外圧や動悸によるもの)などがあります。

 

肝疾患におけるギリアド・サイエンシズについて

ギリアドは20年以上にわたり、肝疾患における最大の課題に取り組んできました。絶え間ないイノベーションの追求と、世界中の人々に有意義な治療を提供するための先駆けとなるアクセスプログラムを通じて、複数の肝疾患の軌跡を変えてきました。ギリアドは、取り組むべき課題に向けて革新的な治療法を前進させ、肝疾患における最も差し迫ったアンメットニーズに対処し、より良い治療への障壁を乗り越えることに尽力しています。

 

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

 

将来予測に関する記述

本プレスリリースは、1995年 米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスクや不確定要素などの要因を含む場合があります。そうした要因には、医師がB型慢性肝炎治療薬として「ベムリディ®」を処方するメリットを認識しないリスクや「ベムリディ®」について現在進行中の臨床試験やその他の臨床試験で好ましくない結果が認められる可能性も含まれます。これらのリスクや不確実性、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」と著しく異なる可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は「将来予測に関する記述」と見なされる可能性があります。このような「将来予測に関する記述」は、将来の業績を保証するものではありませんので、「将来予測に関する記述」に過度に依拠することのないようご注意ください。これらのリスクやその他のリスクについては、米国証券取引委員会に提出済の2022年6月30日を期末とするギリアド社四半期報告書(フォーム10-Q)に詳細に記載されています。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドでは「将来予測に関する記述」を更新する義務を負うことはなく、更新する意向もありません。

 

枠組み警告を含むベムリディの米国での適応症や重要な安全性情報については、www.gilead.comをご参照ください。

 

ベムリディ、ギリアドおよびギリアドのロゴはギリアド・サイエンシズ株式会社、またはその関連会社の登録商標です。

 

ギリアドに関する詳細については、当社のウェブサイト(www.gilead.com)をご覧ください。ツイッター(@Gilead Sciences)でギリアドをフォローしていただくか、ギリアド広報部(1-800-GILEAD-5/1-650-574-3000)までお電話ください。

 

1  Terrault NA, et al. Update on prevention, diagnosis, and treatment of chronic hepatitis B: AASLD 2018 hepatitis B guidance.Hepatology.2018.Hepatology.2018 Apr;67(4):1560- 1599. doi: 10.1002/hep.29800.

2  European Association for the Study of the Liver.EASL 2017 Clinical Practice Guidelines

on the management of hepatitis B virus infection.J Hepatol.2017 Aug;67(2):370-398. doi: 10.1016/j.jhep.2017.03.021.

 

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