東京大学・堀越耀介氏が実践する「哲学対話」を活用した「マイパーパス策定プログラム」を提供開始

電通

2023年3月2日

株式会社 電 通

 株式会社電通(本社:東京都港区、社長:榑谷 典洋)は、東京大学 共生のための国際哲学研究センター上廣共生哲学講座 特任研究員の堀越耀介氏(以下、堀越氏)と共同で、堀越氏が実践する「哲学対話※1」を活用した、企業が策定したパーパスの従業員への浸透を目的とする、「マイパーパス策定プログラム」を開発し、本日より提供を開始しました。

 

 昨今、企業の持続的な成長と従業員の働く喜びを両立させる、あらゆる企業活動の原動力として、社会における自社の存在意義であるパーパスを策定する企業が増えています。しかし、策定したパーパスが現場の従業員に思うように浸透しない、あるいは、日々の業務での実践につながらないという悩みを抱える企業も増えており、一人ひとりの従業員に対して、いかにパーパスを「自分ゴト」としてもらうか、という課題が顕在化してきました。

 

 一方で、“VUCA※2”とも呼ばれる不確実性が高く、未来予測が困難な環境の中で、企業理念の策定や組織開発、社員研修、マーケティングなどの領域で、哲学的な思考法や対話を通じて課題解決を図る「哲学コンサルティング」が欧米を中心に広がり始め、日本でも関心が高まっています。特に、哲学の知識を前提とせず、組織の構成員が一つの問いに対して哲学的な態度で思考や対話を深めていく「哲学対話」は、企業や教育現場、自治体などさまざまな場で実践され始めています。

 

 本プログラムは、堀越氏が実践する「哲学対話」のアプローチを活用して、堀越氏と電通が共同開発しました。企業のパーパスをもとに、一人ひとりの従業員が、その企業で働く意義である「マイパーパス」を策定するための研修、ワークショップなどを提供します。「マイパーパス」の策定により、従業員が会社のパーパスを「自分ゴト化」しやすくなることで、社内への浸透を図ります。さらに、パーパスの社内浸透による組織文化の変革に向けて、マイパーパスの策定を軸とした統合的なインターナルコミュニケーション施策を提案します。

 

■提供プログラム例

 ・哲学的思考、哲学対話のビジネスへの効用に関する勉強会の実施

 ・哲学対話を活用したワークショップの企画、ファシリテーション

 ・哲学対話のファシリテーション研修

 ・マイパーパス策定に向けたファシリテーションマニュアル、e-ラーニングプログラム、ワークシートの作成

 ・マイパーパス策定を軸とした社内浸透コンテンツの制作、表彰制度、階層別研修等の統合的なインターナルコミュニケーション施策の開発

 

 ■哲学対話のアプローチ例

 



■堀越耀介氏プロフィール

哲学/教育学研究者 博士(教育学)

東京大学 共生のための国際哲学研究センター上廣共生哲学講座 特任研究員

独立行政法人 日本学術振興会 特別研究員(PD)

専門は、教育哲学/哲学プラクティスで、学校教育やビジネスの現場で哲学コンサルタントや哲学対話の研修講師を務める。著書に「哲学はこう使う——問題解決に効く哲学思考超入門」(実業之日本社)、共著に“Philosophical Practices in Japan from School to Business Consultancy”などがある。

 

 

※1 哲学対話は、対話の参加者が自らの経験に基づき、自らの言葉で話し、問いを出し合うことで考えを深めるための手法。本プログラムは特に、1960年代に米国の哲学者マシュー・リップマンが教育現場における探究心や思考力、コミュニケーション能力の向上のために開発した「P4C」の理論に基づいている。

 

※2 VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの単語の頭文字を取った言葉。変化の激しさや環境の複雑性により、想定外の事象が生じる将来予測が困難な状態を指す。

 

以上

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