【注意喚起】NO MORE ボンベ破裂

約4割が誤使用・不注意「カセットこんろの事故」を防ぐための3つのポイント

       カセットこんろを2台並べて使用してカセットボンベが破裂した様子

                 【撮影協力:神戸市消防局】

 

 家族団らんの機会が増える年末年始の到来です。カセットこんろは、お鍋や焼肉などの調理はもちろん、防災用品としても使用できる大変便利なものですが、使用方法を間違えると重大な事故につながるおそれがあります。独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、年末年始に向けて「カセットこんろの事故※1」を防ぐために注意喚起を行います。

 

 NITEに通知があった製品事故情報※2では、2014年度から2023年度までの10年間にカセットこんろの事故は91件ありました。そのうち、調査が完了した86件の中では、使用者の誤使用・不注意が推定されるもの※3が約4割となっています。その中でも特に多いのが「カセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方をした」もので、過熱されたカセットボンベが破裂して死亡事故ややけどなどの人的被害にも発展しています。

 災害時に命を守る防災用品としても重宝されるカセットこんろですが、燃料となるカセットボンベの中には可燃性ガスが使用されており、正しく取り扱わないと命を脅かすおそれもあります。事故を防ぐための3つのポイントを日頃から実践し、自分や大切な家族の命を守りましょう。

 

(※)本資料中の全ての画像は再現イメージであり、実際の事故とは関係ありません。

(※1)本資料では、カセットこんろに装着されていないカセットボンベ単体の事故もカセットこんろの事故として含めます。

(※2)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。

(※3) 事故原因の特定までには至っていないが、使用者の誤使用・不注意が要因の一つとして推定される事故も含みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カセットこんろの事故を防ぐための3つのポイント

①カセットこんろにカセットボンベを確実にセットする。

 カセットこんろにカセットボンベを装着する場合は、取扱説明書の指示に従って確実に装着してください。カセットボンベの装着を誤った状態で使用すると、ガス漏れが生じて火災に至るおそれがあります。装着後に異音や異臭などが生じた場合は、ガス漏れのおそれがありますので、直ちにカセットボンベを取り外して使用を中止してください。

確実にセットする様子

(画像提供:一般社団法人 日本ガス石油機器工業会)

 

 

②カセットこんろを正しく使う。

 カセットボンベの中には液化石油ガスが液体と気体に分かれて入っています。カセットボンベが過熱されてしまうと液化石油ガスが液体から気体になろうと膨張し、カセットボンベの内圧が上昇して限界を超えると破裂します。カセットこんろを使用する際は、取扱説明書の注意事項を守って使いましょう。

           カセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方の例

 

 

③カセットボンベはカセットこんろから取り外して、室内の40℃未満の場所に保管する。

 カセットボンベをストーブやこんろ、こたつなどの熱源のそばに放置してしまうと破裂のおそれがあり、大変危険です。カセットボンベのガスの出が悪くなったからといって、意図的に温めることも絶対にやめてください。カセットこんろ使用後は、カセットボンベを取り外し、室内の40℃未満の涼しい場所に保管するようにしましょう。

              カセットボンベを熱源のそばに放置する例

 

 

 

 

年度別の事故発生件数

 年度別のカセットこんろの事故発生件数を図1に示します。近年まで件数は減少傾向にありましたが、2022年度からやや増加傾向に転じています。今後もカセットこんろの使用機会が増えることで事故が増加するおそれがあるため、注意が必要です。

 

 

 

原因別の事故発生件数

 調査中の5件を除いた86件の事故について、原因別の事故発生件数を図2に示します。「誤使用・不注意が推定されるもの」が原因の約4割となっており、事故を未然に防ぐために正しい使い方を確認することが大切です。

 

 

 

誤使用・不注意が推定される事故の内訳

 「誤使用・不注意が推定されるもの」33件について、事故事象別の被害状況を表1に示します。「カセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方をした」ことでカセットボンベが破裂したり、「カセットボンベの装着が不十分等でガスが漏れたまま点火した」ことで漏れたガスに引火したりして、事故に至っています。

 

 

 

事故事例

■カセットボンベの装着が不十分でガスが漏れたまま点火した

事故発生年月 2020年12月(香川県、80歳代・女性、軽傷)

【事故の内容】

 カセットボンベを装着して点火したところ、建物4棟を全焼する火災が発生し1名がやけどを負った。

【事故の原因】

 原因の特定には至らなかったが、カセットボンベの装着が不完全であったため、カセットボンベ接続部でガスが漏れ、点火操作時の火花が漏れたガスに引火したものと推定される。

NITE SAFE-Lite検索キーワード例】カセットこんろ カセットボンベ 装着

 

■カセットボンベが異常に熱くなるような誤った使い方をした

事故発生年月 2017年4月(宮崎県、年齢・性別不明、軽傷)

【事故の内容】

 屋外でカセットこんろを使用中、カセットボンベが破裂し、6名がやけどを負った。

【事故の原因】

 カセットこんろを2台並べ、一方のこんろのごとくを裏返してセットし、それぞれに比較的大きな鉄板を用いて調理していたため、ごとくを裏返した方のカセットボンベが過熱され、カセットボンベの内圧が上昇して破裂したものと推定される。

NITE SAFE-Lite検索キーワード例】カセットこんろ カセットボンベ 鉄板

 

■カセットボンベを熱源のそばに放置した

事故発生年月 2018年8月(神奈川県、70歳代・男性、軽傷)

【事故の内容】

 カセットボンベが破裂する火災が発生し、9名がやけどを負った。

【事故の原因】

 燃焼中の業務用こんろのそばにカセットボンベを放置したため、カセットボンベが過熱され、カセットボンベの内圧が上昇して缶が破裂し、噴出したガスにこんろの炎が引火して、事故に至ったものと推定される。 

NITE SAFE-Lite検索キーワード例】カセットボンベ 破裂 業務用こんろ

 

 

 

 

 「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト」のご紹介

 NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)」のサービスを行っています。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報やリコール情報を検索することができます。

https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/safe-lite.html

 

今回の注意喚起動画はこちら

>>カセットこんろ「2台並べたカセットこんろの破裂3」

 

 

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全センターの概要

 NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

メイン画像

カセットこんろを2台並べる (1)

キャプチャ

カセットボンベの装着

SAFE-Lite

カセットボンベ

炭の火起こし

図1

表1

ガスこんろの上

消費者庁リコールページ

電気ストーブの前

SAFE-LiteQRコード一体化

こたつの中

メイン画像

IHこんろの上

図2

カセットボンベNG例

カセットこんろNG例

プレスリリース添付動画

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