間伐材耐火外壁「カンタイパネル」を開発

■木質カーテンウォールで、日本初の60分耐火大臣認定を取得

大和ハウス工業

2025年3月28日

大和ハウス工業株式会社

株式会社フジタ

株式会社芳賀沼製作

 大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市北区、社長:芳井敬一)と株式会社フジタ(本社:東京都渋谷区、社長:奥村洋治、以下「フジタ」)、株式会社芳賀沼製作(本社:福島県南会津郡、社長:芳賀沼克紀)は、間伐材を利用できる外壁「カンタイパネル」(※1)を共同開発しました。

 なお、「カンタイパネル」は、カーテンウォール(※2)形式の木質外壁として、日本で初めて(※3)60分の耐火大臣認定を取得しました。

※1.名前の由来:「間」伐材を主とした国産木材を用いた「耐」火「パネル」であること。

※2.建物の荷重を負担しない非耐力壁のこと。

※3.3社調べ。(2025年3月28日時点)

【「カンタイパネル」】

 

 林野庁の「木材需給表」によると、2023年の国内での木材供給量は2002年の1.2倍と増加傾向にあります。環境意識の高まりから、建築物への木材利用が進む中で、オフィスビルなど都市部の中高層建築物では、企業のブランドイメージ向上を狙った木質化が進んでいます。そのため、建物の外壁にも木材を採用したいお客さまから木質カーテンウォールの需要が高まることが想定されます。

 そこで3社は、耐火基準の厳しい都市部でも使用できる、カーテンウォール形式の間伐材耐火外壁「カンタイパネル」を共同開発しました。フジタの自社施設「フジタ技術センター付属棟」で検証したうえで、お客さまへの提案を開始する計画です。

 今後も3社は、環境に配慮した木材の利用により、脱炭素化や森林資源の循環利用に貢献し、カーボンニュートラルはもとより、自然環境と調和した社会の実現を目指します。

 

1.日本初、カーテンウォール形式の木質外壁として60分耐火認定を取得

 「カンタイパネル」は、火災時の延焼リスクが高い都市部でも使用できるよう、カーテンウォール形式の木質外壁として日本で初めて60分耐火認定を取得しました。木の芯材を強化石こうボードで覆うことで、火災から芯材を保護する構造としています。さらに、強化石こうボードをL字形鉄板で覆い、外壁パネルの連結部に耐火目地材(※4)と耐火ガスケット(※5)を使用することで、建物内外から壁体内に炎が侵入することを防ぎます。

※4.パネル間の継ぎ目に使用する耐火性のある部材のこと。

※5.流体の漏れ止めとして使用される、可燃性の低い材質で作られたシール材のこと。

 

【「カンタイパネル」のイメージ図】

 

2.高い意匠性を実現できるカーテンウォール形式

 意匠性と施工性を同時に実現するため、カーテンウォール形式を採用しました。カーテンウォールは構造躯体によって支えられるため、建物の荷重を負担する耐力壁と比べて、構造上の制約が少なく、外装面材を後から貼れるなど、デザイン面での自由度が高いのが特長です。

 また、「カンタイパネル」はあらかじめ工場で製造された部材を現場で取り付けるため、部材の加工を現場で行う外壁と比較すると、より短い工期での施工を実現します。

 

3.間伐材の樹種に関係なく使用可能

 「カンタイパネル」は、間伐材の利用拡大に貢献するため、外壁パネルの強度を高めるタテログ構法を採用しました。

 林野庁の「森林・林業白書」によると、人工林のうち6割以上が樹齢50年を超えており、伐採期を迎えています。森林保全や森林資源の持続的利用の観点から間伐が必要とされていますが、樹種によって強度が不安定であることなどが理由で建築部材としての採用が進まず、間伐が十分に行われていません。

 そこで「カンタイパネル」は、スギなどの強度が低い樹種の間伐材も使用できるよう、ビスで製材を固定しパネル化するタテログ構法を採用しました。タテログ構法によりカーテンウォールの強度を高めたことで、樹種を問わず間伐材を芯材に採用することができます。

【タテログ構法の壁】

 

「カンタイパネル」の概要

開発日

2025年3月28日

利用対象

ホテル・物流施設・住居

重量

135kg/㎡(正面から見た面積あたり)

性能

60分耐火

構成部材

間伐材・強化石こうボード・L字形鉄板・耐火目地材・耐火ガスケット・

取付金物・透湿防水シート

 

【フジタ技術センター付属棟 パース図(2025年9月末竣工予定)】

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