広報担当者は「報道」「ニュース」などのメディア関係用語を知っておくと、良好なメディアリレーションズに役立ちます。各言葉の定義や意味を知り、報道関係者との関係構築につながる広報活動を行いましょう。
目次
「報道」とは
まずは「報道」の正しい意味を知っておきましょう。報道の定義を解説します。
「報道」の定義
報道の定義は、「事件や事故、社会的出来事などを取材し、新聞、テレビ、ラジオなどを通して広く一般に知らせること」です。単に「ニュース」と言われることもあります。
それではニュースと報道の意味の違いはあるのでしょうか。下章「報道」と「ニュース」の違いの章で詳しく説明していきます。
「報道」に似た言葉との違い
「報道」と良く似た言葉「ニュース」「報道機関」「プレス」「メディア」「ジャーナリズム」の用語について解説していきます。
「報道」と「ニュース」の違い
ニュースは、「一般にはまだ知られていない、新しい出来事や情報のこと」「また 新聞、テレビ、ラジオなどでの報道のこと」と定義されています。
つまり報道とニュースは、同じ意味で使われていることが大半です。
「報道」と「報道機関」の違い
報道機関の定義は「大衆に対し報道する機関の総称」。俗称「マスメディア」です。
マスメディアとは「不特定多数にさまざまな情報を伝達する手段や媒体」で、一般的に新聞・テレビ・雑誌・ラジオのことを指して言います。
マスメディアについて、以下の記事に詳しくまとめてあります。あわせてご覧ください。
「メディアの意味は?マスメディア、報道との違いなど、広報がおさえておきたい言葉を解説」の記事を見る
また「報道機関」と同じ意味で使われる言葉に「プレス」があります。
「プレス(press)」は報道機関のことです。あわせて覚えておきましょう。
「プレス」についての解説を、以下の記事にて説明しています。こちらもご一読ください。
「プレス」の意味は?「メディア」との違いや使い分けを解説」の記事を見る
「報道」と「ジャーナリズム」の違い
「報道」と「ジャーナリズム」は同じ意味で使われる言葉で、「時事的な問題において、マスメディアを介し報道や解説、評論を伝達する活動のこと」「マスメディアが時事的な報道や解説、評論活動をすること」です。
ただし「ジャーナリズム」の場合には、事実の伝達に加えて、それについての解説や論評、批評などを含めることが多い傾向にあります。
また「報道」は、事実を提供しそれをどのように判断するかは視聴者や読者に委ねられるのに対し、「ジャーナリズム」は受け取った人に一定の影響を与えることを前提としている、という違いがあります。
「メディア」とは
メディアには、「情報を伝える媒体自体」と「情報の媒介者」の2つの意味が存在します。
「情報を伝える媒体自体」とは、DVDやSDカードなどの記録メディアや、メールや電話などの伝達メディアのことです。
「情報の媒介者」は、新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、Webメディアなどの「マスメディア」のことを指しています。
広報の分野では、「マスメディア」のことを指す「メディア」の使われ方をすることがほとんどです。
例えば報道関係者やメディアからの問い合わせ・取材に対応することを「メディア対応」と言います。「報道対応」とはあまり言いません。細かいことですが、間違えないようにしましょう。
メディアについて、以下の記事内にて詳しく説明しています。あわせてご確認ください。
「メディアとは?広報担当者のよく使う語句を解説」の記事を見る
またマスメディア関連でよく耳にする言葉に「4大マスメディア」という言葉があります。
「4大マスメディア」とは、新聞・テレビ・雑誌・ラジオの4媒体のことです。この4媒体は、特に社会への影響を強く持つ存在とされています。
「4大マスメディア」は「4大メディア」または「4マス」「マス」などとも呼ばれています。良く使う用語のため、広報担当者は覚えておくと役に立つでしょう。
4大マスメディアについて、下記の記事に詳しい解説があります。ぜひご一読ください。
「「メディア」と「マスメディア」、「マスコミ」の違いは?似ている言葉の使い方を解説」の記事を見る
報道とWebメディアの関係
近年、報道の現場にもWebメディアの存在は欠かせないものになってきました。「Webメディア」「ソーシャルメディア」の意味と、報道との関係について解説します。
「Webメディア(インターネットメディア)」とは
Webメディアとは、インターネットを介して情報発信や情報交換をしているサイト全般のことです。「インターネットメディア」「ネットメディア」とも呼ばれています。
Webメディアの一例として、「Yahoo! JAPAN」「まとめサイト」のようなポータルサイトや企業のホームページ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などが挙げられます。インターネット上で見られるすべての情報がWebメディアに含まれます。
Webメディアについて、以下の記事に詳細をまとめています。あわせてご確認ください。
「インターネットメディアの特徴とは?マスメディアとの違いも解説」の記事を見る
「ソーシャルメディア」とは
「ソーシャルメディア」とは、個人や組織などのユーザーが情報を発信・共有・拡散し、情報交流することで形成されるWeb上のメディアの総称です。
ソーシャルメディアの一例としては、X(Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ブログ、動画サービス、投稿サイト、情報共有サイトなどがあります。
ソーシャルメディアについては、以下の記事も参考になります。あわせてご覧ください。
「ソーシャルメディアとは?企業で使うときに知りたい基本的なこと」の記事を見る
Webメディアの発展による報道の変化
Webメディアが登場して以来、報道にもさまざまな変化が見られるようになりました。
以前はテレビやラジオでしか情報を得ることができなかったリアルタイムの報道が、Webメディアによって即時に、簡単に知ることができるようになりました。
またSNSによる一般人の投稿により、メディアが取材した内容でなくとも情報を得ることができます。さらにこのSNSの情報を元に、報道機関が取材をしたり、取材のネタ探しを行う逆転現象も発生しています。
Webメディアの発展は、報道の世界にも大きな革命をもたらしていると言っても過言ではないでしょう。
新聞・テレビ・雑誌・ラジオの4媒体をまとめて「4大マスメディア」と言いますが、近年では、Webメディアのことを指して「第5のマスメディア」と言われるようになってきました。
これはWebメディアが4大メディアと同等の影響力を持つようになってきたことに由来します。
電通の「2022年 日本の広告費」によると、「2022年のインターネット広告媒体費は3兆円を超え、マスコミ4媒体の広告費の総計を上回る」という報告がされています。
このWebメディアでの広告が4大メディアを上回るという状況は、2021年より始まり、2年連続を記録。2023年以降も拡大することが予想されています。
Webメディアがもたらす社会への影響力が、4大メディアを超える日は近いかもしれません。
参考:「2022年 日本の広告費」 – 電通ウェブサイト
広報担当のミッションは「メディアリレーションズ」
広報担当者としては「メディアリレーションズ」という言葉を耳にする機会があるかと思います。
「メディアリレーションズ」とは、新聞やテレビ、雑誌、ラジオ、Webメディアなどの記者・担当者と、良好な関係を築くための活動全般のことです。
広報の仕事に、自社情報を社外に発信するという業務がありますが、その際にメディアの力を借りることが多々あります。なぜならメディアの持つ多大な影響力を通し情報発信を行うことで、自社や自社商品・サービスなどの知名度を上げることができるからです。
普段よりメディアと良好な関係を持ち、友好関係を築くことで、スムーズに自社情報を取り上げてもらえるよう活動するメディアリレーションズは、PR担当者の最も主要な任務と言えます。
メディアリレーションズについて、活動の行い方やポイントなどを以下の記事に詳しくまとめています。あわせてご参照ください。
「メディアリレーションズで大切なこととは?メディアとの関係構築に必要なポイント7選」の記事を見る
このように、広報担当者はメディア・報道関係者との関係作りは欠かせません。
メディアとの関係構築の一例を挙げてみましょう。メディアリレーションズの活動内容の一部に「メディアプロモート」や「メディアキャラバン」などがあります。
「メディアプロモート」は、プレスリリースを送信したメディアに対し、記事として取り上げてもらえるようアプローチをすることです。
自社商品やサービスのPRのため、さまざまなメディアを直接訪問して巡る「メディアキャラバン」を行い、アプローチすることもあります。広報担当者は、このような業務を行いながらメディアとの関係を構築し、今後につなげていく活動を行っていきます。
「メディアプロモート」「メディアキャラバン」について、以下の記事がお役立ていただけます。ぜひご一読ください。
「メディアプロモートとは?何から始めればいいかしっかり解説」の記事を見る
「メディアキャラバンとは?直接会うメリットを生かそう」の記事を見る
プレスリリースで報道機関に情報提供をしよう
メディアリレーションズの活動の一つとして、「プレスリリースの作成・配信」があります。
プレスリリースとは「新商品の発売や新サービス、また新規事業の開始、人事異動などの企業情報を、メディアがニュース素材として利用しやすいようまとめた文書」です。
広報担当者は伝えたい自社情報をプレスリリースで発信し、メディアへの取材アプローチを行います。そのため、配信するプレスリリースの作成が大変重要なものになってきます。
日々忙しくしている報道関係者の目に留まり、記事にしたいと思ってもらえるプレスリリースには、書き方のコツやポイントがあります。まずはプレスリリースの基本の書き方をおさえた上で、メディアに取り上げられやすいプレスリリースの作成を目指しましょう。
プレスリリースの書き方の基本を、以下の記事にまとめてあります。一度ご参照ください。
「プレスリリースの書き方11のポイント!基本の5構成と記者に取り上げられるコツ」の記事を見る
「メディアに取り上げられやすいプレスリリースとは?プレスリリース配信会社が解説」の記事を見る
「記者に読まれやすいプレスリリースのデザインは?【すぐに使えるテンプレート付き】」の記事を見る
広報担当者は報道・メディアの動きを注視しておこう
広報担当者は、メディアと良好な関係を築くためにも、毎日伝えられる報道やニュースを注視しておく必要があります。新聞やテレビなどの4大マスメディアだけではなく、Webメディアの情報も触れるように心掛けましょう。
また自社のプレスリリースを報道してもらえるよう働きかける際にも、メディアの動きを敏感に察知しておくことは重要です。
メディアが記事化しやすい、報道機関に取り上げてもらえるようなプレスリリースを作成するためにも、社会の流れやメディアの動きを随時チェックしながら、日々の広報活動を行うようにしましょう。
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