昨今、研究発表のプレスリリースを配信する企業が増えてきています。自社の研究の成果をプレスリリース配信し、メディアの注目を集めましょう。
本記事では研究発表のプレスリリースのテンプレートをご用意しました。ぜひダウンロードしてご利用ください。
目次
研究プレスリリースの作成ポイント
研究発表のプレスリリースには、タイトル、リード文、本文の書き方に以下のポイントがあります。それぞれ説明していきます。
タイトルは「研究内容・成果、発表時期」を記載
タイトルは、プレスリリースを受け取ったメディアが、プレスリリースに目を通すかどうかを判断する大切な項目です。タイトルとサブタイトルを使い分け、それぞれ30字程度から50字以内の文字数で作成しましょう。
研究発表のプレスリリースでは「研究内容」「研究成果」「発表時期」について記載すると良いでしょう。例えば次のような文章になります。
「□□□□□」の抗酸化成分としての新しい働きを発見
抗酸化分野の新技術「□□□□□□」の開発に成功。20XX年〇月「第○回 〇〇学会」にて研究発表
タイトルのつけ方について以下の記事にて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
「記事になりやすいプレスリリースのタイトルのつけ方は?」の記事を見る
リード文は「5W1H」で内容を整理
リード文は、タイトルの次に目に通す箇所です。
研究発表のリリースでは「何の研究をし、どのような成果を得たのか」を中心に、簡潔に説明します。「5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)」を用いて整理し、200〜300字程度にまとめて作成しましょう。例えば次のような文章になります。
ABC製薬株式会社(本社:東京都港区/社長:共同太郎)は、■■■■を△△△△した「□□□□□□□」の開発に成功。この研究過程で■■■■の抗酸化成分としての新しい働きを発見しました。□□□□□□□□の研究開発成果は、20XX年〇月、○○大学において開催された「第○回 ■■■■学会」にて、当社××研究所の主任研究員が口頭とポスターセッションで発表を行いました。
当社はこの研究開発で、■■■■の機能性を最大限に引き出すことで、抗酸化分野において、新しい技術を提案することができました。引き続き本研究に取り組み、製品開発に応用してまいります。
リード文について、以下の記事内で詳しく解説しています。ご参照ください。
「プレスリリースはリード文が勝負!記事化につながる書き方」の記事を見る
本文の初めに「研究の背景と経緯」を記載
本文は結論から記載し、その後「起(背景)→承(本題)→転(展開)」のイメージで作成します。
研究発表のリリースでは「なぜこの研究開発を着手するに至ったのか」の背景を踏まえた説明と、今回の研究成果について簡潔にまとめます。引用やデータを添える場合は、出典を明記するようにしましょう。例えば次のような文章になります。
◯◯などの主成分として多くの商品に使用されている■■■■は、生命活動の維持に不可欠な◯◯◯◯の一種です。しかし、これまでの研究では「・・・・・・・・・・・が常識」※とされてきました。そこで当社では◯◯◯という新しい手法を用いて、・・・・・・・・を行い、■■■■の◯◯◯を達成することができました。(※ 公益社団法人 日本◯◯学会発行 学会誌「◯◯◯学 第XX号」より)
引用の方法について、以下の記事内で詳しく説明しています。ご参照ください。
「プレスリリースはどこまで引用OK?広報とメディアが知りたい引用と著作権のルール」の記事を見る
「研究内容と成果」は図やグラフなどを用い読みやすく
本文内ではさらに「研究の内容や手法」「研究経過」「研究成果」を端的にまとめ解説しましょう。研究発表のリリースでは、グラフなどを用いて説明することでより伝わりやすい内容となります。文章は適宜箇条書きや小見出し等でアクセントをつけ、読みやすくまとめます。例えば次のような文章になります。
当社××研究所の研究グループでは、◯◯◯という新しい手法を用いて・・・の実験と研究を重ねてきました。その過程で・・・・を発見しました。研究成果は以下のとおりです。
1)・・・・・・・・・・・
2)・・・・・・・・・・・
3)・・・・・・・・・・・
さらにリリース内では、専門用語はできるだけ避け、一般の人にも分かりやすい表現を心がけましょう。研究用語や専門用語があるリリースは読み通すことが難しく、最後まで読み進めることが避けられてしまいます。あえて使用する場合は注釈をつけ、丁寧に説明するようにしましょう。
本文の書き方について、以下の記事に詳しくまとめています。本文執筆前にぜひご一読ください。
【初心者必見】記事になりやすいプレスリリース本文の書き方」の記事を見る
研究リリースのコツ・書き方の注意点
研究発表のプレスリリースでは、以下の点に注意が必要です。それぞれ説明していきます。
画像は必ず挿入する
リード文の下にメインビジュアルを挿入しましょう。画像の掲載がない場合、メディアに記事化してもらう可能性が低くなる恐れがあります。
掲載する画像はできるだけ解像度の高いものが望ましく、印刷物に使用することを考慮すると350〜600dpi、サイズは5MB以内が推奨されます。サブ写真なども使用し、研究の説明を画像で補うことも良いでしょう。
プレスリリース内に挿入する画像について、以下の記事に詳しくまとめています。あわせてご参照ください。
「プレスリリースに画像は必須?記事化を目指すならしっかり画像を用意しよう」の記事を見る
「会社概要」「問い合わせ先」は必ず記載
「問い合わせ先」や「会社概要」の記載があることで、プレスリリースの信頼性が向上します。関連する企業の情報もあればあわせて、プレスリリースの末尾に記しましょう。
また「問い合わせ先」では、できれば担当者を2名記載しておきましょう。担当者を2名体制にすることで、不在の場合などメディア記者からの連絡を逃すことなく対応することができます。
さらに商標登録や特許等の表示が必要な場合も、会社概要とあわせて記載項目にしておくと、記載漏れがなく安心です。忘れずに記載するようにしましょう。
プレスリリースの問い合わせ先の書き方について、以下の記事が参考になります。ぜひご覧ください。
「実は記事化を左右する!プレスリリースに問い合わせ先を必ず書こう」の記事を見る
「今後の展開と展望」を記載する
本文の最後に「研究開発の今後の展開予定」「社としてのビジョン」「今後の展望」などについて記載しましょう。開発者等のコメントやインタビューの掲載もおすすめです。例えば次のような文章になります。
「□□□□□□□□」の研究開発成果により、抗酸化成分としての■■■■の新しい有用性を証明することができました。さらに今後は・・・・を行うことで、・・・の分野にも効果的なアプローチが可能になると考えています。
ABC製薬は、これからも新しい発想と高い技術力で、健康で豊かな生活に貢献できる製品やサービスをお届けしてまいります。
【XX研究所長◯◯◯◯のコメント】
・・・・・・・・・・・・・・・・
研究リリースを配信するメリット
研究発表のプレスリリースを配信するメリットは、以下の3点が挙げられます。
- 幅広い人に研究や論文の成果を広く知らせる
- メディアでの記事化により企業や大学の知名度がアップ
- 共同研究や開発につながる可能性
研究発表のプレスリリースを配信すると、当然ですが論文関係者だけではない幅広い人に研究や論文の成果を広く知らせることができます。
また配信したリリースがメディアの目に留まり、記事にしてもらえると、配信した企業や大学の知名度向上につながります。研究の成果や技術が世間に知られることで、企業や商品・サービスのブランディング向上にも役立つことも考えられます。
さらに記事を見た他の研究者から、共同研究や新たな開発の誘いがあるかもしれません。
このように研究発表リリースの配信は、企業にとっても様々なプラスの可能性が期待されます。
研究プレスリリースの配信タイミング
研究発表のプレスリリースの配信には、以下のタイミングが考えられます。
- 学会発表や論文掲載などが行われた直後
- その後の研究で、発表できるような成果が出た時
- 研究成果に基づいた製品化や技術提携、共同研究などが開始される時
1つ目は「学会発表や論文掲載などが行われた直後」です。本記事のテンプレートも参考に、リリース配信を行いましょう。
2つ目に「その後の研究で、発表できるような成果が出た時」が挙げられます。
この場合、学会発表や論文掲載などの公式な発表にこだわらず、メディアへのリリース配信だけでも様々な効果が期待されます。企業のイメージアップや社員のモチベーションアップ、採用にもプラスになるかもしれません。
最後に「そのほか研究成果に基づいた製品化が行われた時」「研究成果がきっかけになり技術提携が行われる、または共同研究が開始されることになった時」です。
プレスリリースは、切り口を変えれば何度も配信することが可能です。研究成果の発表だけではなく、関連した内容でもチャンスがあれば数回リリース配信を行いましょう。
研究プレスリリースの事例を確認
実際に配信されている研究発表のプレスリリースを確認してみましょう。タイトルの付け方や本文の書き方など、ぜひご参考ください。
共同通信PRワイヤー国内配信サービス「新着のプレスリリース」から、「新技術・研究開発・特許」関連のプレスリリースを配信している4社のリリースをご紹介します。
■乳牛の病気の治療に使われる動物用医薬品などの 生乳における分析法を開発
2024年6月下旬より恵庭工場で検査開始、より安全で安心な商品の提供を目指す
■尿に極微量含まれる子宮頸がんウイルスタンパク質の検出に成功
子宮頸がん検診のハードルが大きく下がり、子宮頸がん撲滅の糸口に
■5.7GHz帯を使用した 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムの開発について
■バイオ由来・高吸水性ポリマー×大人用紙おむつの共同開発
環境課題解決へ提案 環境にやさしい紙おむつ開発を目指して
研究の成果をリリース配信しメディアの視線を集めよう
研究発表のプレスリリースは、メディアに記事化してもらうことで、企業や大学の知名度アップやブランディングの向上、共同開発の可能性などメリットが多々あります。
「プレスリリースの作成が初めて」という方でも作成が容易にできる本記事のテンプレートを活用し、研究発表のプレスリリースの配信を行いましょう。
※テンプレートはダウンロードして利用いただけます。
プレスリリースの配信の際は「プレスリリース配信サービス」の利用が便利です。
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