メディアには毎日数多くのプレスリリースが届きますが、全てが記事として取り上げられるわけではありません。しかし、記事化されるプレスリリースには、書き方に共通するポイントがあります。
本記事ではプレスリリースの各例文を挙げながら、記事化につながるコツを詳しく解説します。テンプレートもご活用ください。
プレスリリースの作成方法や書き方について、以下の記事に詳しくまとめてあります。ご参照ください。
「プレスリリースの書き方11のポイント!基本の5構成と記者に取り上げられるコツ」の記事を見る
目次
プレスリリース「タイトル」の書き方
プレスリリースの「タイトル」は、プレスリリースを手に取ってもらえるかどうかが判断される非常に重要な箇所です。詳しく説明します。
タイトルのコツ・ポイント
タイトルはプレスリリースを受け取った記者が本文まで読み進めるかどうかをジャッジする大切な項目です。ぱっと見て内容が理解できる簡潔なタイトルを心がけましょう。
ポイントは、文字数を30字程度から50字以内に収めること。またタイトルとサブタイトルを使い分けて表現する方法もおすすめです。
タイトルの例文
新商品・新サービスの発売やリニューアル情報を伝えるプレスリリースの場合、「いつ」「何が」「どのように」発売されるのかをタイトルに含める必要があります。例えば次のようなタイトルになります。
・『オーガニック・バランス Smoothie』シリーズの定番「グリーンスムージー」を〇月〇日より全国にてリニューアル販売!
野菜と果実をたっぷりチャージ。おいしく体を整える。さらに甘くておいしいスムージーへ
・Web会議専用の新たなコミュニケーション・ツール「■■■■」を〇月〇日発売
テレワーク時代のコミュニケーション課題を背景に独自の制御技術を開発。Web会議ツールでは初めて△△△△△のできる機能を搭載
タイトルのつけ方について以下の記事にて詳しく解説しています。ご覧ください。
「記事になりやすいプレスリリースのタイトルのつけ方は?」の記事を見る
プレスリリース「リード文」の書き方
リード文はタイトルの次に目を通す、タイトル同様重要な箇所です。リード文内に今回伝えたい内容を大まかに含める必要があります。
リード文のコツ・ポイント
リード文はタイトルの内容を改めて「5W1H(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように)」で整理し作成します。文字数の目安は250〜300文字程度でまとめましょう。リード文から書き始めることが難しい場合は、本文を書き上げた後、それを要約するイメージで作成する方法もあります。
リード文の例文
リード文内には必須情報である「商品・サービス名」や「プロジェクト名」「日付」「概要」を入れ作成します。クラウドファンディング告知のリード文の場合、例えば次のようになります。
□□祭り実行委員会(事務局:〇〇市/委員長:共同太郎)は、〇月に発生した災害において大きな被害を受けた〇〇への応援を目的としたクラウドファンディングのプロジェクトを開始します。
期間は〇月〇日〜〇月〇日(予定)、目標額は〇〇〇万円。ご支援いただいた資金をもとに、生きる勇気と未来への希望を届けるために、復興の願いと祈りを込めて、□□祭り〇〇復興花火大会を開催します。
リード文について、以下の記事内で詳しく解説しています。ご参照ください。
「プレスリリースはリード文が勝負!記事化につながる書き方」の記事を見る
プレスリリース「本文」の書き方
プレスリリースの本文は、プレスリリース内で最も情報量が多い箇所になります。そのため書き方に工夫が必要になります。
本文のコツ・ポイント
本文の書き方は「結論」から記載し、その後「起(背景)→承(本題)→転(展開)」の形でまとめると、誰もが読みやすい本文が出来上がります。
イメージとしては、リード文の内容を受けて「Why(なぜ)」の要素を詳しく展開すると読みやすい文章に仕上がります。
本文の例文
本文に含む内容として、「理由や背景、意義の記載」や「何が新しい情報なのか」を簡潔に伝えられると、誰もが読みやすい本文に仕上がります。例えばイベント開催のプレスリリースの場合、次のような本文になります。
本イベントは、△△町の認知向上と魅力度アップを図るため、来街者の増加と商店街の活性化を目指す△△町青年会の協力を得て実施するものです。△△町青年会のダンス愛好者の要望により、今人気ランキング○位のストリートダンスに注目。ストリートダンスの第一人者である□□□さんをゲストとして招聘。両者のダンスコラボレーションが実現しました。
この他、読みやすいように箇条書きにしたり、図表や画像を挿入するなど工夫しましょう。
本文の書き方について、以下の記事に詳しくまとめています。本文執筆前にぜひご一読ください。
【初心者必見】記事になりやすいプレスリリース本文の書き方」の記事を見る
プレスリリース「問い合わせ先」の書き方
プレスリリースの問い合わせ先は必須項目です。一般的にプレスリリースの末尾に記載します。会社概要とあわせて説明します。
問い合わせ先のコツ・ポイント
会社概要の記載は、情報発信元を明記することでプレスリリースの信頼性が向上する効果が得られます。関連する企業の情報があればあわせて記載しておきましょう。
また問い合わせ先においては、担当者をできれば2名体制にしましょう。2名体制にしておくと、どちらかが不在の場合でもメディアからの連絡を逃すことがありません。
問い合わせ先の例文
問い合わせ先では、電話番号とメールを必ず記載します。例えば次のようなフォーマットになります。
会社概要
名称:一般社団法人ABC協会
目的:
設立:○○年○○月
理事長:
所在地:
電話番号/FAX番号:
公式サイトURL:http://XXXXXXX
事業内容:
お問い合わせ先
株式会社〇〇〇
担当者:〇〇部 〇〇、〇〇
TEL:(受付時間〇時~〇時)
FAX:
E-mail:
プレスリリースの問い合わせ先の書き方について、以下の記事が参考になります。ぜひご覧ください。
「実は記事化を左右する!プレスリリースに問い合わせ先を必ず書こう」の記事を見る
特例のプレスリリース・書き方とポイント
プレスリリースの中でも通常とは異なる「連名配信」「修正・訂正の場合」「プレスリリースの宛先」「情報解禁日前」の書き方をそれぞれ説明していきます。
連名配信のプレスリリースの例文
連名のプレスリリースは、業務提携、資本提携、共同開発、共同商品・サービスの発表などの際に作成し配信します。
連名プレスリリースの注意点は、リリース発信者の記載順です。記載の順序は、主導する会社を上に記載する、あるいは五十音順やABC順にする場合もあるため、当事者で相談しながら決めましょう。例えば業務提携の場合、次のような文章になります。
2025年〇月〇日
株式会社ABC
株式会社XYZ
株式会社ABCと株式会社XYZが・・・・を目指し、業務提携を締結
□□領域における豊富な知見とデータ解析技術の両面から△△戦略構想の構築を強化
株式会社ABC(本社:東京都港区/社長:共同太郎)と株式会社XYZ(本社:東京都港区/代表取締役 CEO:○○)は、企業の価値創造を支援する戦略パートナーとなるべく、クライアントからのビッグデータの分析・活用による経営戦略・マーケティング戦略立案に対応するため、○月○日に業務提携契約を締結いたします。
連名のプレスリリースについて、以下の記事にテンプレートを用意しています。ご活用ください。
「【テンプレート付】連名プレスリリースの書き方は?配信前に決めること」の記事を見る
修正・訂正のプレスリリースの例文
配信済みのプレスリリースに間違いが判明した場合、Webサイトに掲載された原稿を修正するだけでなく、プレスリリースの訂正配信を行う場合があります。
誤字脱字などミスによる影響度が低ければ、Webサイトの修正のみの対応で構いません。しかし、「製品名などの名称」や「価格などの数値」「発売日などの日付」「イベントなどの開催場所」など影響が広範囲に及ぶ場合は、プレスリリースの訂正配信を行います。例えば次のような文章になります。
<訂正配信>
2022年12月1日、汐留食品は「株式会社汐留フーズグループ」に名称変更をし、新たなスタートをきります。
※○月○日○時に配信した本件リリースに誤りがございましたので、以下のとおり訂正し、再送させていただきます。
申し訳ございませんがご対応のほどよろしくお願い申し上げます。
<訂正箇所>本文第一段落目
(誤)2022年12月1日より『株式会社汐留フーズ』へ名称変更することといたしましたのでお知らせいたします。
(正)2022年12月1日より『株式会社汐留フーズグループ』へ名称変更することといたしましたのでお知らせいたします。
※以下、差し替え文
株式会社汐留食品(本社:東京都港区 代表取締役社長:XXX)は、2022年12月1日より『株式会社汐留フーズグループ』へ名称変更することといたしましたのでお知らせいたします。(以下省略)
修正・訂正のプレスリリースについては以下の記事をご参照ください。
「【例文あり】プレスリリース配信後に間違い発見!修正・訂正配信の方法を解説」の記事を見る
プレスリリースの宛先の書き方・例文
プレスリリースの宛先は、部署名・担当者名を明記すると記者の手元にスムーズに届きます。新聞社であれば担当部署と担当者の記載が必要です。
ただしプレスリリース配信サービスを利用する場合は、宛名が自動的に作成されるため、連絡先の記載は不要です。メディアとのつながりがない、宛先の検索が面倒といった場合には、プレスリリース配信サービスは非常に便利です。
・担当部署・担当者が分かる場合
〇〇新聞社 〇〇部 〇〇様
・担当者はわからないが、部署や担当係が分かる場合
〇〇新聞社 〇〇部 〇〇ご担当者様
・記者との繋がりがなく、担当部署・担当者が分からない場合
報道関係者各位
・記者クラブに投げ込みをする場合
〇〇クラブ 報道関係者各位
以下の記事でプレスリリースの宛先の書き方を丁寧に解説しています。ご参照ください。
「【例文あり】プレスリリースの宛先はどう書く?メディアに届けるための宛先の書き方」の記事を見る
情報解禁日前のプレスリリースの書き方・例文
「情報解禁日(エンバーゴ)」とは、企業や組織内の公開していない情報を、公に発表する日のことです。プレスリリースは基本的にこの情報解禁日に配信し、自社の公式サイトや公式SNS、及びメディア報道も、原則としてすべて情報解禁日時以降に公開するルールになっています。ただし情報解禁日前に、メディア限定で「エンバーゴ付きで記者発表会の案内状を送る」などのケースも想定されます。その場合、プレスリリースの冒頭に解禁前の情報であることを説明し、本来の解禁日を明記しましょう。例えば次のような文章になります。
※情報解禁 2025年〇月〇日(月)〇時〇分
情報解禁の厳守をお願いいたします。内容等は一部変更になる可能性もございます。
プレスリリース配信サービスを利用してリリース配信をする場合、これらの取り扱いには十分に注意しましょう。
また前提としては、メディアが情報解禁日を守ってくれるとは限らないため、極力情報解禁日前の情報発信はしないようにすることが重要です。
プレスリリースの基本構成を図解で確認
プレスリリースには、基本構成があります。上記の図の構成を守って書くことで、誰もが読みやすい、記者の目に留まるプレスリリースが完成します。
さらに以下の項目に気を付けて記載するとより簡潔なプレスリリースが出来上がります。
- 画像は必須で挿入する
- 数値などの根拠があれば記載する
- 社内用語や業界用語はできるだけ避ける
- 箇条書きなど視覚的に読みやすい文章にする
- 一文の文字数は極力少なくする
プレスリリースの構成や基本の型について、以下の記事に詳しくまとめてあります。ご参照ください。
「プレスリリースの構成とは?基本構成と注意するポイントも合わせて解説!」の記事を見る
メディアに記事化されやすいプレスリリースとは
メディアが記事にしやすいプレスリリースには、特徴として下記の7項目があります。
- 基本的な5構成で作成されている
- 最初に結論が書かれている
- タイトルが端的にまとまっている
- リード文は「5W1H」で書かれている
- 「明確な事実・具体的な数字・根拠」が書かれている
- 適切な文章量や画像・図など、読みやすいレイアウトになっている
- 「メディア視点」で書かれている
これらの項目を意識し、メディアが思わず記事にしたくなるプレスリリースを目指しましょう。
メディアに記事化されやすいネタを、以下の記事内で紹介しています。ご参照ください。
「 メディアに取り上げられやすいプレスリリースとは?プレスリリース配信会社が解説」の記事を見る
メディアが求めるテーマやプレスリリースのネタ探しのコツなど、以下の記事にまとめています。
「プレスリリースのネタ10選!ネタ探しの方法や取り上げられやすいポイント」の記事を見る
例文を参考にプレスリリースを配信し、認知拡大を図ろう
プレスリリースをメディアに取り上げてもらうことで、情報の認知・拡散だけでなく、プレスリリース発信元である企業や団体の信頼の向上ももたらされます。例文を活用しながらプレスリリースを作成し、記事化につながる配信を行っていきましょう。
「プレスリリースのテンプレートが欲しい」という方は、下記の記事内にテンプレートをまとめています。新製品・新サービスの発表、リニューアル、TVCM公開、訃報など、さまざまなテンプレートをご用意しております。ダウンロードしてご活用ください。
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