多言語音声翻訳アプリVoiceTraが進化 ~訪日外国人が言葉で困らない社会を実現するためのアプリ~

情報通信研究機構(NICT)は、多言語音声翻訳アプリVoiceTraの新バージョンを10月22日(木)に公開しました。音声翻訳の精度を向上させ、インターフェースと画面をリニューアルし、より使いやすいアプリに進化しました。訪日外国人が言葉の壁で困らない社会を実現するためのアプリとして展開していきます。

2015年10月22日

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)

多言語音声翻訳アプリ“VoiceTra”(ボイストラ)が進化

~訪日外国人が言葉で困らない社会を実現するためのアプリとして展開~

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、理事長: 坂内 正夫)は、NICTのこれまでの研究開発成果を反映させた多言語音声翻訳アプリ “VoiceTra”(ボイストラ)の新バージョンを10月22日(木)に公開しました。

 新“VoiceTra”は、NICTの高精度音声認識技術、高精度多言語翻訳技術及び高品質音声合成技術を用いて開発したものです。NICTは、今までiOS、Android端末で動作するアプリとして公開実験し、利用者からのフィードバック、総務省及びご関係者のご協力の下、改良を重ねてまいりました。

 このたび、“VoiceTra”はさらに音声翻訳の精度を向上させ、インターフェースと画面をリニューアルし、より使いやすいアプリに進化しました。

 今後、2020年までに訪日外国人が言葉の壁で困らない社会を実現するために、総務省の「グローバルコミュニケーション計画」で定められた10言語を対象に、従来の旅行会話から、さらに病院、商業施設、観光地等における様々なシーンに対応できるようジャンルを広げオールジャパン体制で研究開発を加速させ、新しい“VoiceTra”をその計画遂行における中心アプリと位置付けて積極的に展開していきます。

【背景】

 NICTは、2010年7月に、多言語音声翻訳技術の研究開発成果として多言語音声翻訳アプリ“VoiceTra”を公開し、実証実験を重ねてきました。この技術は、成田国際空港が公開する多言語音声翻訳アプリ“NariTra”やKDDIが提供する“おはなしアシスタント”の音声翻訳機能として採用されるなど、実サービスでも利用されています。

 総務省は、2014年4月に、世界の「言葉の壁」をなくしグローバルで自由な交流を実現することを目指す「グローバルコミュニケーション計画」を発表しました。この計画を遂行し、2020年までに訪日外国人が言葉で困らない社会を実現するために、オールジャパン体制でNICTの多言語音声翻訳技術の研究開発を加速させ、この計画で定められた10言語を対象に、病院、商業施設、観光地等における様々なシーンにおいて対応できるよう社会実証を進めています。

【新“VoiceTra”の特徴】

 “VoiceTra”の今回の拡張機能と主な特徴は次のとおり

 <翻訳精度の向上>

  日本語を含む10言語について「旅行会話」を中心に精度を向上

  ・スペイン語、フランス語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語、ミャンマー語の旅行会話の

   翻訳精度が英語、中国語、韓国語と同等レベルに

 <固有名詞や固有の表現を充実>

  特に次の分野について合計約8万語の用語に対応

  ・全国の駅名(日、英、中、韓)

  ・観光に関する表現(日、英)

  ・医療関連の表現(日、英)

  ・地震用語(日、英、中、韓)

  ・サッカー用語(日、英、中)

【VoiceTraのご利用にあたって】

 ・アプリの取得方法: App StoreあるいはGoogle Playで “VoiceTra”を検索して、

  ダウンロードしてください。

 ・サポートページ: http://voicetra.nict.go.jp/

 ・“VoiceTra”動画ページ:(↑動画は上記のサポートページでご覧いただけます)

【今後の予定】

 今後、NICTは“VoiceTra”が対応する分野を、旅行会話だけでなく、医療、観光、ショッピングなどに広げ、グローバルコミュニケーション計画の実現に向けて、更なる精度向上のための研究開発と社会実証を進めていきます。

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新“VoiceTra”の画面

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