消費財メーカーがアジア市場における 3,400億ドルの成長機会を捉えるには、デジタル能力強化が不可欠
アクセンチュアの調査によると、消費財メーカーはデジタル・コマースを全面的に活用しなければ、アジア・パシフィック地域において見込まれる3,400億ドルの新たな市場を新規参入者に奪われるリスクがあることが明らかになりました。
2016年4月21日
アクセンチュア株式会社
アクセンチュア最新調査――消費財メーカーがアジア市場における
3,400億ドルの成長機会を捉えるには、デジタル能力強化が不可欠
消費財メーカーがどのように成長機会を捉え、消費者との関係を維持すればよいかが明らかに
【シンガポール発:2016年2月25日】
アクセンチュア(NYSE:ACN)の調査によると、消費財メーカーはデジタル・コマースを全面的に活用しなければ、アジア・パシフィック地域において見込まれる3,400億ドルの新たな市場を新規参入者に奪われるリスクがあることが明らかになりました。
アクセンチュアが発表した新たなレポート「The future is now: understanding the new Asian consumer」の予測によると、世界の消費財市場は2020年までに最大で7,000億ドルの成長が見込まれ、約50%にあたる3,400億ドルは中国、インドネシア、インド、タイ、シンガポールといったアジア各国から創出されることが分かりました。中国だけでも、アジア市場の約60%に相当する2,000億ドルの成長が見込まれています。
アクセンチュア 製造流通部門のシニア・マネジング・ディレクターでアジア・パシフィック地域のオペレーティンググループを統括するファビオ・バチルカ(Fabio Vacirca)は次のように述べています。「消費財メーカーは変化に対応するためにすぐに行動しなければ、次世代の消費者を取り逃してしまうリスクを負うことになります。消費者と企業との関係がデジタル化してパーソナルなものになり、ソーシャルメディアの情報が信頼できる情報源として認知され、ワンクリックでショッピングができる中、消費財メーカーはこうしたリスクを負わないために、新たなビジネスモデルと従来のビジネスモデルを組み合わせなければなりません。新たな消費世代の登場やデジタルテクノロジーの普及を背景に、セールスとマーケティングのエコシステムは劇的に変化しており、変化の早いアジア市場では多くの場合、従来のビジネスモデルを刷新させる必要があります。」
本レポートでは、アジア・パシフィック地域における小売市場が2018年までに10兆ドルを超え、その約4分の1をデジタル・コマースが占めると予測しています。しかし、ネット小売業者やオンライン市場による影響力が増す一方で、アジア・パシフィック地域のデジタル・コマース市場では、食品メーカーをはじめとした消費財メーカーが十分にシェアを獲得できていないことも判明しています。
また、アリババ(Alibaba)のような創造的破壊者は、消費者の嗜好や変化するニーズへの理解を深めながら新たなサービスを考案することで、バリューチェーンの再定義と消費者を中心に据えた改革を実行しています。本レポートでは、消費財メーカーが成長機会を捉えて、新規参入者による脅威に対抗するためのステップを提示しています。
・eコマース・プラットフォームと連携し、新たな消費者や市場との接点を作る
・業界横断のeコマースを活用して、価値を最大化させる
・オンラインとオフラインにまたがる統合マーケティング戦略を軸にしたブランド構築に投資する
・「モバイル・ファースト」戦略を推進する
・消費者との信頼関係構築を担うソーシャル・プラットフォームとeコマース戦略を統合する
・クラウドソーシングを活用した製品テストや開発の機会を探る
・あらゆる接点での顧客体験価値を向上させるために、ビッグデータから得られたインサイトを活用する
■デジタル・コマースにおける消費財メーカーの勝機
消費財市場では、デジタル変革の先進事例が増え続ける一方で、その変革の度合いは多くの消費者にとってまだ十分ではありません。本レポートによると、消費者は商品購買に至るプロセスに満足していないことが明らかになっています。今日の消費者は、購買意思決定を支援するユニークな顧客体験や、一人ひとりの嗜好に合わせたかたちで即座に要望に応えてくれるレコメンデーション、さらにはお気に入りのブランドと常につながり合えるようなことを一つのプラットフォーム上で実現できることを求めています。こうした消費者の願望は、伝統的な消費財メーカーが今後訪れる成長機会を捉える大きなチャンスとなります。消費財メーカーは、より強化されたデジタル・コマースの提供に注力することで、購買プロセスにおいて消費者が直面している理想と現実のギャップを埋めることができ、消費者が求めるシームレスな購買体験を提供することができます。
ファビオ・バチルカは次のよう述べています。「テクノロジーは進化を続け、将来の購買方法に大きな影響を与え続けるでしょう。こうした中、消費財メーカーはデジタルテクノロジーをさらに活用することで、消費者との間でリアルタイムな関係性を構築し、最小の時間で最大の価値を提供できるようになります。こうした取り組みによって、消費者メーカーは今後の顧客体験の在り方を方向付けることができるのです。」
■アクセンチュアのIoTセンター・オブ・エクセレンス
本調査は、シンガポールにあるIoT(インターネット・オブ・シングス)センター・オブ・エクセレンスが実施しました。IoTセンター・オブ・エクセレンスは、市場における専門性や各業界の先進事例、次世代のテクノロジーや消費者調査などを集約して提供しており、デジタル変革や経営戦略、ITやセールス、マーケティングなどの領域において、企業が従来と異なる視点で今後のあるべきビジネスの姿を捉えて変革を実現できるように支援しています。
ファビオ・バチルカは次のように述べています。「次世代のデジタル・コマースは既に普及しはじめており、よりスマートなテクノロジーを身に付けた消費者が、ショッピングや購買意思決定の在り方を変えていくでしょう。IoTセンター・オブ・エクセレンスでは、VR(仮想現実)ルームや次世代の購買体験を提供するスペースなどを備えており、急激に進化するデジタル市場において生まれてくる未知のビジネスチャンスを企業が獲得するための支援を行っています。」
調査方法
アクセンチュアは本レポートの作成にあたり、定量的・定性的な調査を広範に実施しました。eコーマスでの商品やサービスの購入に関する消費者の嗜好性、ペインポイント(問題点)、動機を理解するために、中国、インドネシア、シンガポールの消費者が参加するオンラインコミュニティを形成し、2015年12月から2016年1月まで調査しました。またアクセンチュアでは、消費財業界における主要メーカー数社の上級役員に対してインタビューを行ったほか、既存の文献なども調査して本レポートを作成しました。
アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供するおよそ37万3,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。
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このプレスリリースを配信した企業・団体
- 名称 アクセンチュア株式会社
- 所在地 神奈川県
- 業種 企業向けサービス
- URL https://www.accenture.com/jp-ja
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