~家庭学習調査~ 共働き世帯と専業主婦世帯

KUMON

株式会社公文教育研究会(代表取締役社長 池上秀徳〔いけがみ ひでのり〕)は、2016年11月、小学校1~3年生のお子さまがいる世帯の母親1,200 人を対象に、「家庭学習についての実態調査」を実施しました。

2017年2月28日

株式会社公文教育研究会

「家庭学習の時間の長さ」や「学習がうまくいっている」という実感はほぼ同じ!「共働き世帯の母親が心がけている子どもとのかかわり方とは?」

株式会社公文教育研究会(代表取締役社長 池上秀徳〔いけがみ ひでのり〕)は、2016年11月、小学校1~3年生のお子さまがいる世帯の母親1,200 人を対象に、「家庭学習についての実態調査」を実施しました。この調査は、近年共働き世帯が増加する中にあって、子どもの家庭学習の状況や、母親の意識・行動について、実態の把握を目的に行ったものです。

■調査概要

【調査名】 「家庭学習についての実態調査」

【調査方法】 インターネット調査

【対象】 末子が小1~小3の子を持つ世帯の母親

【実施期間】 2016年11月5日~8日

【サンプル数】1,200 人

※グラフについては添付PDFをご覧ください。

【データから見えたトピックス】

①共働き、専業主婦に関係なく、家庭学習に取り組む1日の時間は「約36分」週平均「約5.9日」

家庭学習で取り組んでいるのは94.3%が「学校の宿題」

②家庭学習が「うまくいっている」と感じている割合は共働き、専業主婦に関係なく(約72%)、悩みを抱えている割合も世帯状況に関わりない(約41%)

③家庭学習で母親が意識的に行っていることは両世帯とも「わが子の得意・不得意を把握する」「わが子の宿題を把握している」が上位、唯一の違いは共働き世帯は「怒ることよりもほめることを大切にしている」

④子どもが家庭での学習に熱心になったきっかけ1位は「自力で課題を解けるようになったから」

⑤学習する習慣をつけるために子どもに掛けている言葉は「ほめる」と「自覚を促す」

⑥よく使われている「ごほうび」はお菓子やゲームの時間

① 世帯形態に関わらず家庭学習に取り組む日数や時間はほぼ同じ

  

今回の調査で「家庭学習として行っている日数や時間は共働き世帯(以下共働き)で「36.8分」専業主婦世帯(以下専業主婦)で「36.4分」毎週の学習日数は共働き「5.9日」専業主婦「6.0日」でほぼ変わらない結果となった。

また、家庭学習で取り組んでいるのは「94.3%」が「学校の宿題」、ついで「通信教育の課題」(28.1%)「(ドリルや問題集など)両親が与える課題」(22.0%)だった。

②世帯形態に関わらず「家庭学習がうまくいっている」「家庭学習で悩んでいる」それぞれの割合はほとんど変わらない。

  

家庭学習に関して「うまくいっている」「どちらかといえば、うまくいっている」の割合及び「とても悩んでいる」、「少し悩んでいる」の割合ともほぼ同じだった。

なお、何を持って「うまくいっている状態」と考えているかについては

「子どもが自ら進んで家庭学習ができる」(共働き62,8% 専業主婦68.6%)がトップで、ついで「子どもが日々決められた学習量をこなすことができる」(共働き42.8% 専業主婦35.6%)だった。

なお、共働きと専業主婦で有意差が見られた項目は「子どもが自ら学習計画を立てることができる」(共働き24.6% 専業主婦17.9%)「ご自身が仕事や家事、育児をきちんとやりながら、子どもの学習の面倒も見ている状態」(共働き17.8% 専業主婦10.0%)となっており、共働きの母親は子どもの自立の状況や自らがうまく動けている状態によって「うまくいっている」と感じているようである。

③家庭学習で母親が意識的に行っていること

「家庭学習で意識的に行っていること」を見ると、共働き、専業主婦ともに「わが子の得意・不得意を把握する」「わが子の宿題を把握している」が上位となった。

ほとんどの項目で専業主婦が共働きを上回る結果となったが、唯一「怒るよりもほめることを大切にしている」という項目だけは共働きが高いという結果が出た。

これは、子どもの家庭学習の様子を直接見ることができない状況も多いことが考えられる共働きの母親が、意識してほめることを心がけているからではないかと思われる。

④子どもが家庭での学習に熱心になったきっかけ1位は「自力で課題を解けるようになったから」

「お子さまの家庭学習の態度の半年内の変化を教えてください」という問いに「前よりも家庭学習に対して熱心になった」「どちらかと言えば、前よりも熱心になった」と回答した方は54.9%だった。

その回答者から、そのきっかけについて聞いたところ、多かったのは「自力で課題を解けるようになったから」(29.4%)、「成績がよくなったから」(20.2%)、「学校の先生の影響」(18.4%)、「勉強の面白さを覚えたから」(16.6%)の順だった。

特に小1の子どもは、「自力で課題を解けるようになったから」(34.5%)、「勉強の面白さを覚えたから」(20.6%)が1位、2位となり、小学校に入学して「自分でできた!」「学ぶのが楽しい!」という喜びが、子どもの学ぶモチベーションになるということがわかる結果となった。

⑤学習する習慣をつけるために子どもに掛けている言葉は「ほめる」と「自覚を促す」

調査では、「お子さまを習慣的に勉強に向かわせるために工夫していることはありますか」という設問で、フリーアンサーで回答してもらった。子どもに掛けた言葉を分類すると、「ほめる」言葉かけをするが26.9%、「自覚を促す」言葉かけをするが26.7%という結果となった。

代表的な言葉かけは以下のとおり。

【ほめる】

「学習に取り組んでいること自体をほめる」、「学習中の姿勢をほめる」、「学習後にできたことをほめる」など、子どもをほめる観点はいくつかのパターンがある。

・よくできたね

・上手に書けたね!/丁寧にできたね。

・自分から進んで勉強してえらいね

・勉強中の姿勢がいいね。

・ママが言わなくてもがんばってるね。

・いつも頑張っているね

・きちんと自分から宿題ができるなんて6年生のお姉さんみたいだね

・さすが◯◯(名前)は算数が得意だね!

【自覚を促す】

自覚を促す言葉には、「学習を促す」、「予定を聞くことで意識させる」といった言葉が多くみられた。

・宿題をする時間だよ。

・遊びに行く前に宿題をしよう。

・何時になったら宿題やる?

・時間を決めてやろうね。

・自分で予定を立てようね。

・宿題は終わったかな?

他に「ごぼうびを約束する」「指示を出す」といった言葉かけの他、「利害を諭す」言葉かけをされている回答もあった。

たとえば、日頃の構えとして「先に宿題をやった方が後で楽だよ」といった言葉や、少し長期的な視野で「今していることは無駄ではないよ」、「たくさん勉強して賢くなれば、将来やりたいことを選べるよ」といった声かけをしている。

⑥よく使われている「ごほうび」はお菓子やゲームの時間

「ごほうびを用意するかどうか」を聞くと、「お菓子やデザートなどを与える」(18.3%)、「ゲームやテレビをする自由時間を与える」(13.3%)、「一緒に過ごす時間、スキンシップをとる」(12.3%)といった回答が上位を占めた。一方で、「(目的を見失うので)特にごほうびを与えない」と回答した方も15.5%いた。

一方、「罰則を設けるかどうか」を聞くと、「ゲームやテレビの時間の短縮や禁止」(34.6%)があげられた。続いて、「特に罰則を設けない」(31.7%)という結果だった。

子どもに自発的に学習に向かってもらうため、ご家庭では声をかけたり、ごほうびを用意したり、家族で協力したりと試行錯誤されている様子が見てとれた。

下記サイトにてこの「家庭学習実態調査」を元に3回シリーズのレポートを掲載していきます。

(現在は第1回「子どもが学習に前向きになるきっかけとは?」の記事を掲載中)

併せてご覧ください。

■関連記事「KUMON now!」http://www.kumon.ne.jp/kumonnow/topics/vol196/

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