抗悪性腫瘍剤「LONSURF®」欧州CHMP(医薬品委員会)より承認勧告 切除不能進行・再発胃がん適応追加へ

大鵬薬品

2019/7/29 13:00

2019年7月29日

大鵬薬品工業株式会社

抗悪性腫瘍剤「LONSURF®」

欧州CHMP(医薬品委員会)より承認勧告

切除不能進行・再発胃がん適応追加へ

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之)は、抗悪性腫瘍剤「LONSURF®」*(以下「本剤」)について、提携先のセルヴィエ社(フランス)が欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)より、追加適応の承認勧告を受領いたしましたのでお知らせします。勧告の対象となる適応症は、「少なくとも2レジメンの切除不能進行・再発胃癌に対する化学療法治療歴を有する食道胃接合部腺癌を含む切除不能進行・再発胃癌の成人患者に対する単剤療法」です。

今回の勧告は、標準治療に不応または不耐となった切除不能進行・再発胃がん患者において本剤とプラセボの有効性と安全性を比較した第Ⅲ相臨床試験 (試験名:TAGS)の結果に基づいています。本剤は主要評価項目である全生存期間(Overall Survival:OS)の延長を達成しました。また、本試験において安全性にかかわる新たな所見は観察されませんでした(1)。

今回の承認勧告を受けて、本剤は今後欧州委員会で審議されることとなり、欧州委員会により販売が承認されると、本剤の追加適応の承認はEU加盟国28カ国とアイスランド、リヒテンシュタイン、およびノルウェーに適用されることになります。

本剤は大鵬薬品が創製・開発し、2015年に締結したライセンス契約の下、セルヴィエ社が欧州・その他地域(北米・日本/アジアを除く)での共同開発と商業化を進めており、2016年に欧州で「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、および抗EGFR抗体療法を含む既存治療の施行後、またはこれらの治療法が適応とならない、遠隔転移を有する成人の結腸・直腸癌」の適応を取得しています。

これまでの進行・再発の結腸・直腸がん治療薬としての日米欧を中心とした展開に加え、本年2月には切除不能進行・再発胃がんの適応追加承認を米国で取得しました。同様の適応追加申請は、日本でも昨年8月に提出を終えており、現在審査中です。

大鵬薬品は、今後もがん治療において、世界の患者さんや医療従事者により一層貢献できるよう努めてまいります。

*LONSURF®

日本での製品名:「ロンサーフ®配合錠T15・T20」

開発コード:TAS-102

一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩、

【TAGS試験について】

TAGS試験(TAS-102 Gastric Study)は、大鵬が主導した無作為割付・二重盲検の国際共同第Ⅲ相臨床試験で、標準治療に不応または不耐となった切除不能進行・再発胃がん患者において本剤とベストサポーティブケア(BSC)、プラセボとBSCを比較したものです。本試験の主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存期間、安全性と忍容性、QOL(Quality of Life)等です。本試験は、切除不能進行・再発胃がんに対して少なくとも2レジメンの治療歴がある、18歳以上の500名を目標症例数とし、日米欧を含む世界17カ国110施設で507名の登録がありました。

本試験の結果は、医学誌The Lancet Oncologyに掲載されています。

https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(18)30739-3/fulltext 

【胃がんについて】

胃がんは世界で5番目に多いがんであり、死亡数は肺がん、大腸がんに続きがんの中で3番目に多く、年間約78万人が亡くなっていると推定されています(2)。ヨーロッパでは年間13万人が胃がんに罹患し(3)、うち切除不能進行・再発胃がんは、過去20年間で4割へと増えています(4)。早期発見の場合、多くは内視鏡的切除による治療が可能ですが、ヨーロッパではスクリーニングがあまり普及しておらず、多くの場合胃がんは進行してから見つかります(5)。切除不能進行・再発胃がんに対する治療選択肢は限られており、緩和的処置が多いのが現状です。

 

【LONSURF(ロンサーフ)について】

本剤は、トリフルリジン(FTD)とチピラシル塩酸塩(TPI)を配合することにより薬剤の効果を維持できるよう設計した経口のヌクレオシド系抗悪性腫瘍剤で、従来のフルオロピリミジンとは異なる作用機序を有しています。FTDはDNAの複製時にチミジンの代わりにDNA鎖に取り込まれ、DNAの機能障害を引き起こして抗腫瘍効果を発揮すると推測されています。TPI はFTDの分解に関与するチミジンホスホリラーゼを阻害し、FTDの血中濃度を維持します。

本剤は、日本では「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の適応症で大鵬薬品が2014年より販売、米国では大鵬薬品の米国子会社である大鵬オンコロジー社が進行・再発の結腸・直腸がん治療薬として2015年より販売しています。日本以外のアジアでは、台湾においては台湾東洋薬品工業株式会社が2018年より販売しています。韓国においては、第一薬品株式会社が本剤の商業化に向けて準備を進めています。本剤は2019年6月現在、進行・再発の結腸・直腸がん治療薬として世界68カ国・地域で承認されています。また、2019年2月には米国で切除不能進行・再発胃がんの適応が承認されています。

【セルヴィエ社について】

セルヴィエ社は、フランスのシュレーヌに本社を置く研究開発型の非上場製薬会社です。世界149 カ国で積極的に事業を展開し2018年の売上高が42 億ユーロに達するセルヴィエ社は、世界中に22,000 名の従業員を有しています。セルヴィエ社は後発薬を除く売上高の25%を研究開発費に投資しています。セルヴィエ社の成長は、循環器領域、免疫炎症領域、中枢神経領域、がん領域、糖尿病領域の5 領域におけるイノベーションの追求および高品質な後発薬により支えられています。また、薬剤開発にとどまらず、eHealth ソリューションも展開しています。がん領域で中心的な存在になるのがセルヴィエ社の長期戦略です。現在、消化器がん、肺がん、その他固形がん、種々のリンパ腫、白血病などを対象に12 の化合物を開発中です。患者さんの生活を変えるような薬剤をお届けするために、これらの化合物の開発を世界中の複数のパートナーとともに進めており、細胞毒性や、プロアポトーシス、免疫療法といった、がんの様々な異なる治療法をカバーしています。

セルヴィエ社の詳細は、同社ホームページをご覧ください。

www.servier.com

1: Shitara K, Doi T, Dvorkin M, et al. Trifluridine/tipiracil versus placebo in patients with heavily pretreated metastatic gastric cancer (TAGS): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol 2018; 19: 1437–48World Health Organisation.

2:World Health Organisation. Globocan (2018), gastric cancer

3.World Health organization. Globacan. World cancer statistics. Available at: https://gco.jarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf

4: Bernards N, Creemers GJ, Nieuwenhuijzen GA, et al. No improvement in median survival for patients with metastatic gastric cancer despite increased use of chemotherapy. Ann Oncol. 2013;24:3056–60.

5:Jemal A, Center MM, DeSantis C, Ward EM. Global patterns of cancer incidence and mortality rates and trends. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2010;19:1893–907.

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