新収蔵品の数々をご紹介!夏の伊豆・下田で楽しむ美術鑑賞。上原コレクション名品選1

上原美術館

2019/8/10

公益財団法人 上原美術館

仏のまなざし、和みの美 -上原コレクションの魅力を紹介

 個人コレクター上原昭二のまなざしによって集められた上原コレクション。そこには、個人コレクション特有の優しく穏やかな気配が満ちています。仏教美術、近代絵画からなる上原コレクション名品選では、収蔵品の中から数点をピックアップして詳しくご紹介し、その魅力に迫ります。

 仏教館では、仏教美術コレクションの中から、2018年度に新たに収蔵した薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)にスポットをあて、ご紹介していきます。丸みを帯びた気品のあるお顔、繊細な衣の襞(ひだ)が生み出す優美な佇まいは、上原コレクションらしい、やさしい雰囲気をまとっています。

 近代館では、岡鹿之助(おかしかのすけ)≪三色すみれ≫をはじめ、スーラの最初期デッサン、ルドンの版画(岡鹿之助旧蔵)など、新収蔵・当館初公開となる作品をご紹介します。これらの作品は染色家・志村ふくみのコレクターとしても知られる佐久間幸子氏が愛蔵したものです。小さいながらも、美しく輝く宝石箱のように愛らしい、新たなコレクションをどうぞお楽しみください。

展覧会概要

1)展覧会名  【両館】 企画展「上原コレクション名品選1」

2)会期     2019年7月6日(土)~10月6日(日)  93日間 

3)開館時間   9:00–17:00(最終入館は16:30まで)

4)会場    上原美術館 仏教館・近代館

        〒413-0715 静岡県下田市宇土金341

5)料金    一般1,000円/学生500円/高校生以下無料

        ※団体10名以上10%割引

        ※障がい者手帳をお持ちの方は半額になります

6)関連イベント 

〇学芸員によるギャラリートーク(作品解説)

両館の展覧会をそれぞれ学芸員がご案内します。

日時:会期中の毎月第3土曜日 11:00~/14:00~(仏教館・近代館約30分ずつ)

会場:上原美術館  ※要入館券 当日、仏教館にお集まりください。

○学芸員による仏教美術ミニ講座

展覧会出品作品の中から、薬師如来にスポットをあてて、写真を見ながら、学芸員が作品の見どころや、どのような仏様かを分かりやすくお話いたします。

演題:お薬師さま入門

講師:田島整(当館主任学芸員)

日時:9/7(土) 13:30~15:00(開場13:00~)

会場:上原美術館【近代館】会議室

定員:40名。※先着順、要予約、要入館券。

参加方法:①お名前 ②ご住所 ③お電話番号 ④参加人数(2名様まで)を明記の上、郵便はがき、もしくはEメール(info@uehara-museum.or.jp)にてお申込みください。

―展覧会の見どころ

【仏教館】

■ 昨年度新収蔵、平安時代の優美な薬師如来坐像

 2018年度、新たに収蔵した薬師如来坐像は平安時代(12世紀後半)に造られた仏像です。像高は52.8㎝ほど、優雅ながらも小ぶりな大きさはどこか親しみをも感じさせます。

 華奢で薄い体、小ぶりで伏し目がちな目鼻立ちは、11世紀の大仏師・定朝(じょうちょう)に由来します。定朝が生きた時代には、遣唐使の廃止から百数十年を経て、日本独自の文化が花開きました。仏像の和様(わよう)化を完成させた定朝の作品は、「尊容(そんよう)満月の如し」「仏の本様(ほんよう)」とされましたが、本像もそうした気品に満ち溢れており、中央の名だたる仏師が造ったものと考えられます。なお像底の修理墨書には江戸時代の京仏師による修理が記録されており、この美しい手はそのときのものと言われています。

■ 鎌倉時代の慶派仏師による仏像もあわせて展示

 平安時代の薬師如来坐像のほか、鎌倉時代の慶派仏師による阿弥陀如来立像や、伊豆を代表する松崎町吉田区の阿弥陀如来坐像(静岡県指定文化財、当館寄託)を展示。平安時代の華奢で優美な姿と、鎌倉時代の量感のある写実性を比べて、それぞれの時代に異なる美をお楽しみください。

■ 平安時代の古写経を展示

 平安時代後期に書写された美麗な装飾経もあわせて展示いたします。

【近代館】

■ 新収蔵の名作、岡鹿之助≪三色すみれ≫を初公開

 今年6月に新収蔵したばかりの岡鹿之助≪三色すみれ≫(1966年)を当館初公開します。

 この美しい小品はコレクター佐久間幸子氏が愛蔵したものです。新橋芸妓として活躍した佐久間氏は川端康成や梅原龍三郎など多くの文化人と交流しました。染色家・志村ふくみのコレクターとしても知られ、長年収集した全コレクションは15年前に滋賀県立近代美術館が譲り受けました。また細川家第16代当主・細川護立氏から古美術の手ほどきを受け、アジアを中心とする古美術も収集しました。自分が好きなもの、信じるものだけを少しずつ集めたそのコレクションには佐久間氏の人柄を思わせる凛とした佇まいがあります。

■ 新収蔵となるスーラの最初期デッサン、ルドンの版画を初公開

 さらに新収蔵となる2点も初公開します。ジョルジュ・スーラ≪ウェルギリウス≫とオディロン・ルドンの版画≪Ⅺ.突然三人の女神が現れる≫(版画集『聖アントワーヌの誘惑 第三集』より、1896年)は同じく佐久間幸子氏の旧蔵品。今回、岡鹿之助≪三色すみれ≫と一緒に、上原コレクションに仲間入りしました。ルドンの版画は、佐久間氏が岡鹿之助からプレゼントされた作品です。岡は佐久間氏が生活費を切り詰めて≪三色すみれ≫を手に入れたことを聞き、自らの手元に所蔵したこの版画を贈ったといいます。

■ 新収蔵品となる小倉遊亀≪チューリップ≫を初公開

 その他、小倉遊亀≪チューリップ≫も今年6月に新たに収蔵、今回初公開致します。岡鹿之助≪三色すみれ≫を含め、本年度新収蔵・初公開の作品は合わせて4点展示となります。

  

■ 2017年度寄贈作品3点を、収蔵後初公開

  2017年度に寄贈を受けた須田国太郎≪薔薇≫、安井曽太郎≪焼岳(上高地晩秋)≫、梅原龍三郎≪冨士山図≫を収蔵後、初公開します。

―主な出品予定作品

【仏教館】

1.≪薬師如来坐像≫平安時代後期 像高52.8㎝

2.≪阿弥陀如来立像≫鎌倉時代 像高99.8cm 

3.≪阿毘達磨倶舎論巻第二十六(中尊寺経)≫ 縦25.3×横965.5㎝ ※重要美術品 ほか

※古写経作品は一部、会期中に展示替えがございます。

【近代館】

1. 岡鹿之助≪三色すみれ≫1966(昭和41)年 油彩、カンヴァス 34.0×24.0㎝

※新収蔵、当館初公開

2. 須田国太郎≪薔薇≫1950(昭和25)年頃 油彩、カンヴァス 37.8×45.3㎝

3. 安井曽太郎≪焼岳 (上高地晩秋)≫1941(昭和16)年 油彩、カンヴァス 39.0×50.7cm

―関連動画のご紹介

・展覧会につきまして、担当学芸員による解説動画を公開しております。

・TVCM

本プレスリリースは発表元が入力した原稿をそのまま掲載しております。また、プレスリリースへのお問い合わせは発表元に直接お願いいたします。

プレスリリース添付画像

1.薬師如来坐像 平安時代後期(12世紀)

2.阿弥陀如来立像(部分) 鎌倉時代

3.阿毘達磨倶舎論巻第二十六(中尊寺経) 平安時代(12世紀) 重要美術品

4.岡鹿之助≪三色すみれ≫1966年 ※新収蔵・初公開

5.須田国太郎≪薔薇≫1950年

6.安井曽太郎≪焼岳(上高地晩秋)≫1941年 ※2017年度寄贈後、初公開

プレスリリース添付動画

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